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「俺のドーナツがない」
ある日。
悠斗が、ママのところへ来た。
「俺のドーナツがない」
買った店で、入れ忘れたのだろう。
ママに言っても、どうにもならない。
なのに。
「俺のドーナツがない」
わざわざ言いに来る。
ママは、少し嬉しかった。
「嫌いな親なら言いに来ないかなって。自己満だけど(笑)」
僕は、親子関係の証明書にはならないよ、と思った。
でも、それでいい。100点の親子関係かどうかを証明する必要なんてない。
ただ悠斗が、どうでもいい不満を思いついた時。
話す相手の候補に、ママがいた。
そのことを、ママは嬉しいと思った。
それだけで十分だ。




