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ママはたぶん、こう言うよ。 ― 私がいなくても、困ったときに開いてください ―  作者: わく


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鼻からパスタ

悠斗は、ママに、どうでもいい話をする。

仕事でこうだった。

今日こんなことがあった。

ふざけたこと。

「ごちゃまぜで、思いつきだと思うよ(笑)」


他の男の子より甘えん坊?

「んー、甘えん坊とも違うような」


今も、母親と話すことに、そんなに抵抗がないように見える。

「願望(笑)」

そこは、本人ではないママには断定できない。

でも、ある日。

悠斗が言った。


「ねぇ、くしゃみすると鼻からパスタ出るのは普通として、米粒も出てきたんだけど。なんなん??」


まず、

鼻からパスタは普通ではない。

大事なことは 2 度言う。

普通ではない。

ママは、発言から 0.1 秒で、「 おもろ!!」と思ったらしい。


そして口では、

「いや、まずパスタの時点でふつーじゃないし(笑)」

と言った。


すると悠斗。

「なんで!? のび太くんは、鼻からナポリタンを食べるんだよ!」


知らん。

「まじわけわかんないんだけど(笑)」

と言いながら、ママの頭の中は、次の返事を探している。

どう返したら。この話が、もう少し続く?


僕は聞いた。

そんなに続けたい?

「あるよー! 楽しい会話は長く話したいじゃん??」

そして。

「みんなそれぞれスマホとかパソコンとかで楽しむ時間は別なんだもん。話しかけてきた時くらい全力で楽しみたい」

その言葉を聞いて、僕は、少し胸が詰まった。


ママは、いつまでも子どもをそばに置きたいわけではない。


一人で寝るようになったら、

寂しいけど送り出す。


外へ出るなら、怖いけど行かせる。


ただ、向こうから、こちらへボールが飛んできた時。

その一球だけは、全力で拾いたい。

そういう親だった。




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