COUNT 11 コンバ神 V
散開していた5台の農耕マシンは、メインストリートに向かって移動しながら互いの位置を近い距離で保っていた。
「ダンシャク信じて漢を見せろ!」シゲの激がメンバーに飛ぶ。
「そんな~ダンシャク~~、まだ平面のシミュレーション何回かだけとイメトレしかしてないのに、ムチャだけどしゃーないのかよおぉ」
リューヂのぼやきが続く。
「やれっか? 能條?」
「へっ、やって見せてやるよ、リーダーさん!」
シゲと能條のやり取りからは二人の滲み出す緊張感が読み取れる。
マル八は目を瞑り、腕を組み低く念仏を唱えて集中力を高め、その時を待つ。
「ムリムリムリだってばありえないないやいや~~っ」
ヹバは希望を捨てずに抗う。
「全員、心を蒸し上げろ! ゴー コンバイラ 3 2 1!!」
「いや、ちょっとアンタらやめれって、まっ、ま
「行くぞ! レッツ ホー(くわ)」シゲが雄叫んだ。
「「「「インッ!!」」」」ガチン、バチッ、ドスン、カチン
シゲの掛け声に重ね、3人は声を合わせて叫び、掌でエンブレムを押した!
「ぃん…」ペチン 「…ぃんうぎゃああぁん アタシを解放してーいやあぁああふざけんなよこっから出せええぇっ」
ガガガガガガガガ ボボボッ ドッドッドッドッ ド ド ボッ
4台の農耕マシンは速度を合わせて短い縮蒸気噴射をフックに大地から浮かび上がった。
モールドレイナは4台との相対距離を一定に低空を低速直進飛行で安定する。
全機は高度を保ちながら最直近の機体に向け、互いに超電磁蒸気帯を放射し、5台は結びつき引き寄せ合いながら距離を詰めていく。
ゴンゴンゴンギュギリリリギギギギインギギッギンギンギン
ウィル、ギャリア、ウインドローワー、マルチャーは、マニピュレータと蒸噴脚を引き込み、機体中心軸から後端が先端部へ向かってヨー回転して畳み込まれ、二足飛行形態からLZH形態へと変形する。
モールドレイナもウイング・フォールドしプラズマスチーム推進の噴射を止め、先端部を収納し上部を軸に180度ロール回転しながら脚部となる左右がセパレートしていく。
そしてモールドレイナが機首を垂直に引き上げ、他の機体を牽引するように全機が天頂に向かい上昇する。
ギュギギギギガリガリギイギギッギゴンゴンゴンギギギン
「シゲコラテメェ、やめれキ●ガイーーーーー」
「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏――」
「ドッキング・センサーー!」
センサーが相対位置・ベクトルから、各マシンを同調させ5台は安定しながら互いの距離を詰めていく。
各連結接続部の保護フェアリングが開き、各機は蒸気プラズマスラスタで細かくアンチドリフトしながらハードリンク確立のプローブとドローグアームを伸長させる。
ゴリンゴリンゴリンゴリゴリゴリン
「エスケイプエスケイプ もういやーーいやーっいやぁー降ろしてー殺してー」
「うえ~~~っげぼっ、兄キっ、ゲロがっゲロっ」
「オンエンマヤソワカオケケビサマァソワカ」
地上に立つDNBは空のマシンを気にする様子もなく、菩提樹の前で天を仰ぎ、宇宙の深淵を覗きこんでいる。
ガゴォ――――――ン!
「ギャアアアアお終いお終いーお願いーウェェッ、死ぬ死ぬまも亡くなるッ!」
ウインドローワーのシールド展開のタイミングが合わず、ギャリアの後端部と衝突した。衝撃がシンクロ・オーバードーズしている全機を揺さぶる。
「こいつぁ、ちっとキツいな」
柄にもなく能條がイメージのブレを愚痴る。
ギリギリガリガリゴリリリリベキベキベキベコン
「どうした能條、鍬入れる畝間違えたか? うヘヘヘっ」
「うるせぇ、ちょっと晩飯に自販機のハンバーガー喰い過ぎたせいでウトウトしちまってよっ、今ので目ェ覚めたぜ」
ガリガリゴリ グギングィングィン キュリリリリ――
マル八が搭乗するノーカー・ギャリアの後部へ、脚部となるヹバのノーギョー・モールドレイナがゆっくりと突入し合一した。
主ブームのナックルが噛みあいがっちりと連結し、シリンダーシャフト、動力パイプアーム・ジャンパーホースが突き上げられダボジョイントしナットが締まる。
キューンキューンキューンガチンガチンゴンゴンウィンゴンゴンウィンゴンガラガラガラガラガラッ
ギャリアの右には能條が乗るノーキョー・ウインドローワーが、左にはリューヂのノージョー・マルチャーが距離を詰め、ギャリアの肩部に露出している旋回ドラムギアにジョイントした。
最後にシゲのファーマー・ウィル が頭部としてギャリアとの結合を完了した。
5台のマシンは一体となり、各結合部に装甲板が展開し、頭部となったウィルの運転席が正面に向き上がって二つの前照灯が輝き、フロントグリルが余蒸気を吐く。
ブシュ―、バリバリバリバリバリバリ
合体した5台のマシンは、両足を踏みしめるように空に立ち、両腕をそれぞれ半円状に逆回転で振り、一旦腰だめにすると、片拳を前に突き出した。
「コ――ンバ神V―――ッ!」
コンバ神Ⅴは全身のエアインテークから周囲一帯に蒸気イオノーラ粒子を吐き、夜の空を背景に機体は七色の輝きにゆらゆらと包まれた。
(次回予告)ついにその姿を現したコンバ神Ⅴ。しかし、信心深い彼等は仏を相手に苦戦を強いられる。そこへ博士のアドバイスにより局面は! 次回、開眼! 阿修羅ちゃん




