でりしゃすでぃっしゅ編 Ⅱ
待たせたな!(疲弊)
3月頃からまたチマチマ書いていきます。
それまでは受験べんきょの息抜きに進めていきます。
以前みたいなノリが出にくくなったりするかもしれませんが、温かく見守って頂きたいです。
ところでこの章ネタが思い付かんのであと数話で終わらしていくつもりなのでご了承下さい。
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鹿肉をご馳走になってから帰宅。
萌分さんは心が抜けてったらしく、鹿肉を食べてからずっとぽけーっとしている。
いや、独特の臭みがある中でそれを上手い具合に生かして旨味を引き立てたんだから、そりゃこうなるわ。
実際七菜さんも半分ぐらい意識なくなってるし。
うん、それはそうと。
お買い物の目的は鹿肉ではなかった。
寧ろそっちは偶々である。
萌分さんに食の楽しさを学んで欲しかったのだ。
要はこれからが本番である。
こーら、うたた寝しちゃだーめ。
まず萌分さんにエプロンを着けさせ、次に七菜さんが全裸になろうとするのを拳で止める。
変態の裸エプロンはいらん。
つーか普通に危ねぇよ。
早く着ろ。
最初に2人をまな板の前に立たせて、包丁の持ち方を教える。
「まず持ち方なんだけど、分かる?分かるよね?」
「「こうかな?」」
包丁をがしっと掴むと2人はくるくると回して弄び、そして振り向く。
「「閃ッ!」」
刃を煌めかせ、峰で互いに打ち合う。
カッ、と幽かな音を出して包丁が重なり、更に打ち合う。
打ち合う度に出される音は全てが峰の当たる音であり、そこからそれが刃を溢さぬよう計算された上のモノであることが察せる。
空を切る音が交じり、互いに一閃すると両者は動きを止める。
互いの服、髪の一部が斬られ、だがそこには傷を付けずに肌があった。
「だからそうじゃねぇよ」
「「アッハイ」」
ナイフじゃねぇよ。
ナイフ使いたいんなら鹿でも狩ってこい。
出来るだけ傷は付けんなよ?
生け捕りが一番望ましいんだから。
嘘ですどちらにしても駄目です困ります。
基本はぬこの手だ。
良いな?
そういう感じのパフォーマンスは大道芸人にやってもらいなさい。
ここはお料理教室です。
にゃんこの手と言ったら2人…いや七菜さんはニヤァ…と厭らしい笑みを浮かべる。
「にゃんこの手ってさぁ。どーいうやつなのかにゃー?どゅぅふふふふふぅ」
「くたばれメス豚。こんがりジューシーな焼豚にするぞ」
「ありがとうございます!」
とりあえず持ち方を教えたので買ってきたきゅうりさんを切らせてみる。
「せーんせ」
「なんだ」
「厚さとか切り口の形は?」
「んー、任せる。あ、でも変態はすんなよ?」
「チッ」
「おいそこ!」
盛大に舌打ちする七菜さん。
こら。
まな板に向き合う2人。
萌分さんはまな板をさすさすしている。
初めてだからそうなるよね。
うんうん。
ところで何で自分の胸を擦るの?
眼が死んでるよ萌分さん?
「ヘッ、まな板の方が起伏があるのかな?」
「あ?そのレタス切り落とすぞ?」
「は?その微々たる幽かなほんの少しの起伏の木苺削ぐぞ?」
「「よろしい!戦争を始めよう」」
事ある毎にそうぶつかり合わんで?
ストレスで胃に穴空くから。
きゅうりをちゃんと切ってからにしなさいよ?
それで勝負しなさいよもう。
互いに眼を光らせてきゅうりに向かい、どちらともなく包丁をまな板に落とす。
タタタン、と途切れることなく静かに、そして素早く包丁がまな板に当たる。
その度にきゅうりが薄く切り取られるが、速度故かスライスされることなく、その形を保ち続けている。
先に萌分さんが最後まで行くと、コンマ2秒程の差で七菜さんも切り終わる。
「「…」」
両者が指を鳴らすと、きゅうりは薄い重なった層となってバラけた。
えぇ…何だこれ…。
2人は此方を見て一言。
「「どっちが上手いっすか?」」
「どっちも頭とか技術とかおかしい」
「「は?それはこのヤバいののことでしょ?」」
双方共に指を指し合う。
そして視線が絡み合う。
見つめ合う2人。
次第に血が上って赤くなっていく。
勿論怒りで。
「はぁ?アンタ自覚ねぇのメス豚?」
「てめぇこそ自覚ねぇのかよ有象無象」
「今何つったコルァ?」
「やーいモブモブー」
「稚拙ね痴女さんや」
「あ?」
ぷっちんする2人。
ああもう!
一旦2人を落ち着かせ、今度は茸を焼いてもらう。
茸と言ってもブナシメジである。
焼くと言うよりは炒めるに近いだろうか。
あの白くて細いやつ。
七菜さんはシメジ君を1つ1つ吟味していく。
何でそんなことするんですかね?
貴女は何をしようとしているんですかね?
「何って…ナニしかねぇよな!当然だよなぁ!というわけでそっちのキノコを下さい」
「くたばれ」
「ありがとうございます!」
丁寧にカサを1つずつこしょぐり回す変態にビンタする。
べちん。
すっごく嬉しそうにして涎を垂らす変態七菜さん。
早くしろ。
ガスコンロに火を付け、フライパンに油を少し入れる。
「油っていっぱい入れるんじゃあぬいの?」
「いやほんの少しだよ!」
「ぎとぎといっぱい入れるの?」
「「てめぇは黙ってろ!」」
「んにゃっへぇ…ありがとうございます…」
萌分さんと同時に七菜さんに発勁を喰らわす。
萌分さんが教えてくれたんだけど、まさか一緒に発勁するとは。
うーん、師弟。
萌分さんとサムズアップし合う。
中々良い。
七菜さんは左手を前方に出して倒れ込む。
キーボーノハナー…。
もう止まり始めてるから。
ウチはゴマではなくオリーブ油を使っている。
とりあえず適切な量をどばーして油を温め、程好く温まった所で茸をぶちこむ。
じゅうーっと音を立てて油にまみれる茸。
後ろから立ち上がった七菜さんが一言。
「…とても…エr」
「てめぇもうしゃべんじゃあねぇ!」
「ぅどぅふ…ありがとうございます…」
七菜さんの横隔膜に刺激を加えて波紋呼吸法を呼び起こす。
七菜さんの代謝が瞬時に活性化され、全身から汗が出てくる。
体温は急激に上昇して呼吸が荒くなり、七菜さんは波紋を会得した。
変態が強化されました。
本人はとても笑顔なので放置しておきましょう。
そんな感じに遊んでいると、茸がいい感じにしなしなになる。
勿論だが遊ぶ時はコンロから離れております。
フライパンを持って軽く振り、両面に火を通して偏りを無くす。
まあ細いからそんなの関係ぬいんだけど…。
萌分さんは楽しそうにフライパンを振っている。
しかしちょっと…いやだいぶぎこちぬい。
「うん、混ざってねぇっすよ?」
「うるちぇえ」
赤い顔で此方に拳を飛ばす萌分さん。
可愛い顔から繰り出されたその拳は凶悪なものであった。
僕は意識を飛ばしかけ、でも踏ん張って留まる。
この人照れ隠しが殺人レベルなんだよ…。
手加減してよ…。
した所で大怪我は間違いぬいんだけどね?
なんとか頑張って炒め、盛り付けする。
いや少量しかやってぬい上にキノコだぜ?
盛り付けって言えるかしら。
とりあえず最初の火を使った料理…、あれ?
これ…。
「味付けしてねぇ!」
「「えぇ…」」
痛恨の失敗ィ!
これはやらかした。
…。
僕もお料理ちゃんとお勉強した方が良いんじゃあねぇかしら?
萌分さんはそういえば!みたいに硬直してる。
七菜さんは盛り付け…盛り付け?されたキノコ達を変態な視線で値踏みしていた。
コルァ!
まあとりあえず食べてみる。
萌分さんはキノコをじっと見つめる。
いやそんなに見てもなんも起こらんて。
「…」
意を決し、萌分さんはぱくんする。
「…」
もきゅもきゅとキノコを歯で押し潰す萌分さん。
さあどうだ。
七菜さんと一緒に萌分さんの言葉を待つ。
「…いや食べたら経験皆無なんで…」
「「アッハイ」」
そういえばそうでしたね。
…味付け。
それは崇高な儀式である。
例えばこのキノコ。
言うて炒めただけだしちょびっとだけだ。
だがッ!
ここに塩をぶち込むだけでッ!
世界が変わるのだッ!
具体的には、そう口へと入れた瞬間に油と溶け合った塩分が舌の間を縫って歯茎の間に滑り込む滑らかな流れ、更に舌の上の…ん、もういいの?
嗚呼それなのに。
「塩やて」
「ここはバジルだと七菜さんは思うぞ」
この変態は…!
ここでも邪魔するのか…!
「まあ理由を聞こうか」
「わたすがバジルをしゅきだから。以上」
「成る程塩にしよう」
「ファッ!?聞いてた!?」
「そんな理由じゃ却下だっつーの」
「ナンデ!」
「受け入れろ」
「アイエエエ…」
コイツ…意味が分からん。
まだバジルが健康だから!とかなら考えたけど、個人の趣味とは…。
「いやもう一個理由があってね?」
「先に言えや」
「ちょっと対立してみたかっただけ」
「よぉし!ならば戦争だ!」
「ごめんなさい落ち着いて下さい」
こんのやろお…。
七菜さんを座椅子の刑にして座り、次のお料理について萌分さんとお話する。
次は何を作りますか、しぇふ。
「ぽてち?なんてどうです?」
「何故疑問符が付いたのかは知らんけど、良いと思う」
「食べたことにゃいし」
「「ヤバい奴がいる!」」
「ふぇえぁ」
ポテトチップスを食したことのぬい人間がいるとは。
人間かどうか分からんな。
人外にしとくか。
それでも驚きである。
「ということで次はポテチ作りゃーしょう」
「「はいさ!」」
七菜「ところでー?」
萌分「はい?」
七菜「なんとなんとですね?」
萌分「はいはい」
七菜「新キャラが出てきますわよ萌分さん!」
萌分「あらやだ!」
七菜「…」
萌分「…」
七菜「実は私達」
萌分「はいはい」
七菜「なんと!」
萌分「ととと!」
七菜「実在!」
萌分「おおお!」
七菜「しま!?」
萌分「おおおおお!」
七菜「せーん」
萌分「せぇへんのかぁい!」
七菜「なおこの掛け合いは後に重要な意味合いを持つことになります」
萌分「回収しきれる?」
七菜「それが腕の見せ所やろ」
萌分「がんばえがんばえ!」
うっせぇ!




