友達
私は今までクリス様だけを優先していた為、友達が居ない…とりあえず友達が欲しい。ランチを一緒にしたり、帰りに寄り道したりしたい。可愛い女の子達とお出かけしたい。
「ご一緒してもよろしくですか?」
「エリザベス様!もちろんです。どうぞこちらへ。」
ランチタイムにカフェテリアで声をかける。友達を作ろうと思った時に同じクラスのサリー様に目星をつけていた。悪役令嬢として活動していた時も毎日挨拶をしてくれていたし、彼女を悪い様に言ってる人を見たことが無かった。絶対サリー様と友達になりたいと思った。アリ恋のゲームでは見たことないはず。
「今日は殿下とご一緒では無いのですが?」
「はい。私昨日婚約者を辞退いたしました。お邪魔で無ければこれからご一緒させて頂きたく思いまして。」
「え…そうなのですか?エリザベス様は殿下をお慕いしていると思っておりましたが。」
「別の女性に懸想されている殿方より、恋焦がれてくれるお相手を探しますわ。私だけを見て下さる方がいいの。」
わかりますと皆さま口々に言っている。毎日慕うエリザベス様に酷い態度でしたものねと。
「今日帰りにカフェに行くのですがエリザベス様もいかがですか?」
「良いのですか?ご一緒したいです!」
放課後の約束をして教室に戻るため廊下を歩いていると、前からアリス様御一緒が歩いてきた。
「もしかしてエリザベス様ですか?」
「はい。そうですが。」
「いつもと雰囲気が違いますね。今日クリス様達と放課後お出かけするのですが、エリザベス様もご一緒にどうですか?」
「アリス!こんな者など誘わなくていい!」
「そうですよ!」
「結構です。今日は皆様と先約がありますので。失礼いたします。」
「待て!」
立ち去ろうとした私の前にクリス様が立ち塞がる。
「エリザベス!お前父上に何を言ったんだ。婚約について今日話があると言われている。どうせ公爵を使ってまた我儘を言ったんだろ?格好も変えてしおらしくしたって、私の寵愛はアリスのものだ!」
「私達の婚約は解消となります。名前で呼ばず今後は家名でお願いいたします。」
「は?私を何より好きなお前が婚約を解消などするわけないだろ?そこまでして気を引きたいのか?」
「陛下に聞いてください。もう決定事項なので。痛いっ!」
「そんな訳無いだろ!」
腕を掴まれ睨まれる。クリス様おやめくださいと手を押さえ、シリル様が私を助けてくれる。ありがとうございますとクリス様から急いで離れる。
「大丈夫ですか?医務室へ行きましょう。」
「シリル!もう行きましょう。」
「アリス嬢は皆と先に戻っていてください。私はエリザベス嬢に付き添いますので。」
「シリル様!私は大丈夫なのでアリス様達とどうぞ。」
いや、行くよと抱き上げられシリル様が歩き出す。歩けます!手ですよ!と止めても聞いてくれない。医務室へ届けてくれ、側に立ち治療を見ている。
「赤くなっているじゃない。何があったの?」
「えーっとぶつけました!」
気をつけなさいよーと先生に注意をされ謝る。シリル様は戸惑っていたが受け入れてくれ静かに見守ってくれた。
「今回の事は報告しなくていいのか?」
「大丈夫です。もう関わりたくないので穏便に済ませたいです。シリル様ありがとうございました。また助けて頂き感謝しております。」
「いや、手を出す前に止められなくてすまなかった。クリス様がまさかあんな行動をとられるなど思わなくて。」
「あとシリル様には婚約者様がおられますので、今後は助けて頂かなくて結構です。私はもうすぐクリス様の婚約者では無くなりますから、要らぬトラブルは起こしたくありません。では失礼いたします。」
少し気まずそうなシリル様と別れ教室へと戻る。エリザベス様大丈夫ですか?!と先程一緒に居た令嬢達が話しかけてきてくれる。本当ありえないですよねと皆憤慨していて、私以上に怒ってくれている。
「もう関わりたくないので話に出さないでおきましょう。皆様心配してくれてありがとうございます。」
「今日カフェ辞めときますか?」
「いえ、ご一緒します。楽しみにしておりましたので、皆様と行きたいです。」
では行きましょうと約束し席に着く。クリス様確かにあんな行動する方では無かったわ。実は女性に手を出すような方だったのかしら。アリス様ももう話しかけて来ないでほしいわ。あれだけ注意したのにあの様子では変わるなど無理でしょう。ヒロインだからきっとあれで大丈夫なのだろうけど…あれが王妃ならこの国も終わりね。まぁなれないけど。
「シリル様とても素敵でしたね!エリザベス様を抱き上げた時なんて、絵本の王子様のようでしたわ。エリザベス様が羨ましい。」
「あの方が女性に対してあのような行動を取るなど珍しいですわよね。」
本当にと皆頷いている。サリー様はさり気なく注文してくれたり、皆にも色々気を配っておられ優しい方だわ…お友達になりたい。
「エリザベス様は次婚約者は決まっておられるのですか?」
「いえ、自分で決めてよいと父からも許可を頂いてますので。」
シリル様はいかがですか?急にサリー様に問いかけられる。シリル様には婚約者がいるはずですが…と。
「はい。私です。」
「え?」
「昔からシリル様とは全く噛み合わないのです。私もエリザベス様と同じで私を見てくれる方が良いのですが…あの感じですからね。アリス様が奪い取ってくださると期待したのですが、最近少し様子が違う様で。」
「サリー様はシリル様が嫌いなのですか?」
「何考えているかわからない所は嫌いですね。血の通わない表情も嫌です。でも最近エリザベス様には表情が出ているので期待しています!」
サリー様意外と策士なのかしら。まさかアリス様に奪わせようとしていたなんて。エリザベス様を溺愛するシリル様見てみたいですわと微笑んでいる。
「えーっとシリル様は私の事何も思ってないと思いますが。婚約者様がいるのでもう構わないでくださいとお話しましたし。」
サリー様が残念そうにしているが、攻略対象だけはお断りだ。それに2度と話しかけてこないでしょう。皆様と楽しく過ごし、また明日とお別れし帰路についた。




