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アリ恋の世界を思い出した転生悪役令嬢は溺愛されて幸せになる  作者: 漆原 凜


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悪役令嬢?

悪役令嬢の断罪回避系を書いてみたくなりました。全話予約投稿済み。短いです。

「貴方クリス様にすり寄って何様なのかしら?私の婚約者ですのよ?身分の低い方には、はっきり言わないとわからないのかしらね。全く卑しいですわ。」

「酷いですわ!私すり寄ってなどいません!」


アリス様はぷくっとほっぺを膨らませ私に反論してくる。可愛らしいお顔だ事。攻略対象はこの顔がいいのかしら?ん…攻略対象?何それ?え…頭がズキズキする。


「エリザベス·エイデン!またアリスに何を言っているのだ!!いい加減虐めるのはやめろと言っているだろ!」

「私虐めてなんか…痛いっ…」


クリス王太子殿下…金髪碧眼の第一攻略対象でアリスに一目惚れし、下位貴族だとアリスを虐める婚約者を断罪する。頭に情報が流れ込んでくる…頭が割れそう…


「クリス様…エリザベス様の様子が。」

「どうせ仮病だろ!捨て置け!」

「…!エリザベス様大丈夫ですか!!?」


倒れながら私は、あぁココはゲームの世界だ…と何故か思った。


「気付いた?」

「あの…私は何故医務室に?」

「倒れて運ばれてきたのよ。」

「大丈夫そう?帰れるかしら?」

「はい。帰れます。誰がここまで運んでくれたのでしょうか?」

「シリル·ベックフォード公爵令息よ。きちんとお礼言っておいてくださいね。」


ありがとうございましたと医務室から出る。シリル様とは第二攻略対象で黒髪に紫眼、殿下の側近でアリスに出会い段々とヤンデレ化する宰相候補の公爵令息。アリス以外に心を開かないシリル様は婚約者の方とは仲が良くなかったはず。クリス様に近寄る私を虫けらの様な目で見ていたのに、助けてくれるなんて意外だわ。


目覚めた私ははっきりと思い出した。前世でやっていたアリスがヒロインのゲーム『アリスが恋に落ちるまで〜運命の相手は誰?〜』通称『アリ恋』の世界だ。攻略対象は5人で殿下·宰相候補·魔術師·先生…あとは誰だったかしら。妹がゲームしていて、横で見ていた私は実感した事がない。私ゲームのキャラに転生したって事なのか。


殿下の婚約者エリザベス·エイデン公爵令嬢はアリスを虐めて断罪される…断罪は卒業式だったはず。確か国外追放だったかしら、今は入学した所だからまだ時間はある。クリス様から離れたい。お父様に婚約を辞めたいと言ってみよう。元々私の我儘で成り立っている婚約のはずだから許されるだろう。


「お父様。私婚約辞めたいですわ。クリス様ったら他の女の子とベタベタベタベタくっついてますのよ。そんな殿方嫌ですわ。」


帰ってすぐお父様の元に向かい詰め寄る。断罪回避には1番大事な作業だ。


「本当に良いのかい?ベスが殿下が良いと泣き喚いたから勝ち取ったのに。」

「もっと誠実に私だけを愛してくれる方がいいのですわ。追うより私に縋って恋焦がれてくれる方が私には合ってます。なので自分で探すので新しい婚約者の御膳立ては結構よ。」

「陛下には伝えとくよ。まぁ他の女性に縋っているような男はベスには相応しくないからね。」


ありがとうございますと部屋を出る。ふぅ私に甘いお父様で良かった。自室に戻り着替える。化粧も濃いしエリザベスには可愛らしい方が似合うのに、何故こんな格好をしているのかな…あ、クリス様だわ。昔好みの女性を聞いたら派手で華やかなキツめの女性が良いと…きっとあれも嘘だったのよね。アリスは可愛らしいもの。婚約者を辞めるしクリス様の言っていた事なんてもう知らないわ。


「明日から化粧を薄くして髪型も自然なのにします。クリス様との婚約を辞退するから、もう自分の好きな服装にするわ。今までありがとう。」

「エリザベス様!私ずっと薄い方が似合うと思っておりました!ドレス等も破棄して可愛らしいのに全部変えますね!」


余程変えたかったのね。皆嬉々として入れ替えてくれているわ。クリス様から頂いた物も片付けましょう…今まで喜んでいたけれど、絶対クリス様が選んだ物では無いもの。ずっと私が嫌いだったのね。気づかなくて最後まで愛されたくて縋って断罪にあうのよね…私はそんなの嫌。必ず幸せになってみせるわ!


そのためにはアリスと攻略対象には関わらない!クリス様から離れる!これ絶対!!明日朝イチでシリル様にお礼を言ってもう関わらない。よし。これでいこう。


「エリザベス様お綺麗です!まるで天使のようです。」


朝薄く化粧をしてもらい髪は巻かずにサラサラのまま髪留めだけしてもらった。私この姿美少女過ぎるわ。元々こっちで良かったのに…無理してまでクリス様に愛されたかったのね。シリル様へのお礼を持ちいつもより遅く登校した。挨拶をするために毎朝早くからクリス様を待ち構えていたのだけど、毎朝嫌がられていたわね。もう必要無いから辞める事にしたら、朝からゆっくり出来て良かったわ。


「あ!シリル様!」

「エリザベス嬢…え?」


前を歩くシリル様を見つけ声をかける。呼びかけに振り返ったシリル様は呆気にとられている。エリザベス嬢だよね?って何故か戸惑っている。


「はい。エリザベス·エイデンです。昨日は医務室に連れて行って頂きありがとうございました。これお礼なのですが…甘い物はお好きですか?良かったら召し上がってください。」

「あ、ありがとう。もう体調は大丈夫なの?朝居ないから休みなのかと。」

「大丈夫です。朝待つのを辞めたので今登校しただけです。父にお願いして婚約も辞退しますので、もう皆様のお邪魔はしませんわ。昨日はありがとうございました。では。」


よし!これでお礼もしたし。攻略対象とは関わらないの1択でしょ。新しい未来に浮かれきった私はシリル様が見ていた事など気づかなかった。


「エリザベス喜べ!陛下がそれなら仕方無いと認めてくれたぞ。近々解消の書類を記入しに王宮に行く事になるから心しておくように。」

「お父様!ありがとう!」


家に帰った途端お父様に朗報を告げられ、断罪回避!!と心から喜ぶ。お父様仕事が早い。正直もっと時間がかかると思っていたのに、たった1日で婚約解消が動くなんて。


「そういえば見た目変えたのか?ベスは何でも可愛いな。その可愛らしさで新しい男を、自分で捕まえてくるんだぞ。」

「私に従う方を連れてきますわ。」


さすがベス!楽しみだって笑っている。こんな当主で我が家は大丈夫なのかしら?お兄様はしっかりしているし次代に期待しましょう。

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