北方防衛開放軍北方本国軍司令官・伊勢神忠雄中将 南北合流の大戦略:計画の全貌
日本の軍事変革は、帰還艦隊の技術の一端を国内の工業力が理解の範囲内で消化・再設計した「新・新兵器群」の誕生により、ついに歴史の特異点へと到達した。
南方で山下大将らが築いた基盤を引き継ぐ掛井大将の軍勢と、国内で練成されて生まれ変わった軍団が、大陸という巨大な盤面で、ソヴィエト軍に対して大反航戦開始する準備を整えている。
マニラを拠点に、陸海軍の統合指揮を執り、広域的な戦略転換を主導する北方防衛開放軍総司令官・掛井道真大将。
そして、国内で新技術で作られた新型機甲師団、航空団を独自に再編・練成し、北からの脅威を見据える北方防衛開放軍本国軍司令官・伊勢神忠雄中将。
この二人が描く大戦略は、単なる領土の防衛ではない。フィリピンを奪還した山下奉文大将らの後を継ぎ、破竹の勢いで進撃する掛井大将の南方侵攻軍に応呼し、北から大陸へ打って出る伊勢神の本国軍と合流することで、ソ連軍を根こそぎ粉砕する「巨大な鉄槌」の構築だ。
各地の練成基地には、帰還艦隊の技術を基に国内で再設計され、生まれ変わった新技術の結晶が続々と運び込まれていた。
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陸軍富士裾野演習場
「いいか! これらの兵器は、《帰還艦隊》の技術を我が国の工業力でさらに磨き上げたものだ。以前と比べて格段に使いやすく、壊れず、信頼性が高い。お前たちの命を守り、敵を確実に撃破する『頼りになる相棒』だ!」
教官の怒号が響く中、兵士たちは新型戦車のハッチを潜る。強靭さを感じる力強いフォルム。未知の技術を日本の製造ラインに合わせて最適化し、産み落とした独自の特殊鋼「帰還鋼」を纏った新型戦車が、伊勢神中将の指揮下で慣熟訓練をしている。
伊勢神中将
伊藤整一、帰還艦隊司令官、掛井大将と共に総合国家政治戦略企画機関に紹介される。
次世代の戦略とともに。
次の戦いの陸海空軍の共同の作戦における、躓きやすい点、論理の矛盾点の洗い出しを徹底的に掛井大将と共に行い、そのための必要な訓練、戦闘教義、部隊編成などを決定し、実行している。
参謀団、幕僚団の選定も現代戦に対応できる人物らを中心にしている。
大量の物資を移動させるために。
現代戦はモノを必要な場所に必要なだけ、いかに早く移動させるかがものをいう。
「掛井大将の軍勢が、南から敵の喉元を締め上げようとしている。次は我々の番だ。大陸を蹂躙するソヴィエト軍の共産主義者どもの心臓部へ、砲弾を叩き込む準備を整えよ」
伊勢神は、北方を静かに見つめていた。彼の背後から長砲身の新型戦車の部隊が移動を開始した。
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掛井道真大将の冷徹な大局観に基づき、南方軍の精鋭派遣軍によるフィリピン・台湾からの北上計画が策定された。
「伊勢神中将の本国軍が北から圧をかける。我ら南方軍はその退路を断つべく、大陸沿岸への進出路を確保、南北から敵を挟撃する」
掛井大将の采配により、新太平洋艦隊と陸軍の機械化部隊が連動し、波濤を越えて北へと向かう壮大な反攻作戦。
伊勢神の「北の槌」と、掛井が率いる「南の槍」。この二つが合わさる時、大陸のソ連軍は逃げ場を失い、鋼鉄の間に挟まれた火花となって消える運命にある。
新潟へと向かう長い鉄道運搬車の列は、夕日を浴びている。その上に鎮座する無数の新型戦車たちは、溢れんばかりの戦意を閉じ込め、来るべき決戦の時を待っていた。
「南方、台湾、そして本国……すべての軍が、今、大陸という戦場で一つになる準備を終えた」
伊勢神中将は、司令部の地図上で掛井大将の進撃計画と自らの進軍路が交わる一点を指差した。
日本の軍事力は限界を踏み越えた。掛井道真と伊勢神忠雄。二人の指揮官が操る「鋼鉄の戦槌」が振り下ろされるとき、大陸の土は侵略者の血と油で塗り替えられ、日本軍による「開放」の産声が響き渡ることになる。




