南方奪還フィリピン攻略 2-23 アメリカ軍の降伏宣言
フォート・マッキンリー 崩れかけた司令室
「……ここまでか、何度も何度も何度も死にかけたが、これが最後か?」
マッカーサーの呟きをかき消すように、司令部ビルの重厚な扉が爆破された。煙の中から現れたのは、凄まじい闘気を放つ第9師団の精鋭たちだ。
「動くな! 手を上げろ!」
最新のサブマシンガンの銃口が、マニラの支配者であった将校たちに向けられた。抵抗を試みた数人の衛兵は、一瞬の銃撃で無力化され、司令部は静まり返った。執務室の奥、立ち込める硝煙を割って歩み出たのは、山下奉文大将だった。その隣には、牛島満中将が並んでいる。
マッカーサーは愛用のコーンパイプをゆっくりとデスクに置き、正面の山下大将を睨みつけた。
「……山下将軍。君たちがこれほどの『ジョーカー』を隠し持っていたとはな」
山下大将は、沈着な声で答えました。
「切り札だけではない。これは、この地で泥を啜りながら戦い続けた我が将兵たちの執念だ、マッカーサー将軍。……フィリピンにおける貴軍の戦いは終わった。無用な流血を避けるため、全軍に降伏を命じてもらいたい」
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1945年6月30日。
スービック基地で確保された臨時ラジオ局を通じて、全世界に衝撃の放送が流れた。
「私はダグラス・マッカーサーである。フィリピン全土の合衆国陸海軍、および連合軍諸君に告ぐ。……我々は今、抗い難き軍事的状況に直面している。これ以上の抵抗は、数多の若者の命を無為に散らすだけである。全軍、直ちに戦闘を停止し、最寄りの日本軍に投降せよ」
マッカーサーの震える声が、マニラの街角から、山岳地帯で戦う第6軍の末端まで響き渡った。それは、アメリカ合衆国がその歴史上、初めて味わう「完全なる敗北」の瞬間だった。
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そして、日本軍 第35軍 南部諸島のレイテ戦を戦った部隊の残存兵力、
ミンダナオ島の第100師団(ダバオ周辺)第30師団(北ミンダナオ)。アメリカ軍がダバオに上陸され、内陸のジャングルへと退却。猛烈な追撃を受け、「生きて帰れぬミンダナオ」と呼ばれる凄惨な状況だった彼らのもとにもフィリピンの戦闘の終わりの知らせは届いた。遠い異国の地にて死ぬ覚悟をしていた兵士達は、静かに山やジャングルを下り、海岸の救援艦隊の上陸艇で収容された。
一人の若い兵士は、招集されて配属されたこの部隊で、何度も死にかけた。彼はこの戦いで精神をすり潰し、感情や表情が死んでいるように見えたが、帰れるという希望が彼のこころに火を灯した。
「あぁ、生き残った、われらは生き残った、厳しい戦いだったが、生き残った」
再び故郷の山々、家族のもとに帰れることを噛みしめていた。
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司令部ビルの屋上では、星条旗が静かに降ろされた。
代わって掲げられたのは、白地に赤く燃える日章旗と、フィリピン第2共和政の旗。
「八原大佐。これで、ようやく一息つけるな」
牛島中将が、マニラ湾に浮かぶ『大和』を見つめながら言いました。
「いいえ、閣下。これは始まりに過ぎません」
八原博通大佐は、手元の手帳で次なる進撃先を確認していた。
フィリピンの占領後の計画
新連合艦隊、再補給後にブルネイのセリエ油田の接収作戦を開始すること。
ブルネイへの進駐後 破壊されたカリマンタン島の油田を再起動すること。
そして、海上輸送防衛艦隊設立し、石油、戦略物質を本土への輸送計画を実施すること。
護送輸送船団は残存していた日本海軍の艦艇、接収した最新式のソナーとレーダーを備えたアメリカ軍の駆逐艦、そして、これから新造される新型駆逐艦が主力になる。
複数の輸送艦、大型油送艦、残存している日本の艦艇、接収したアメリカ軍の輸送艦、タンカーが活躍する、南洋の戦争で必要な巨大な資源の確保。
そして、帰還艦隊の潜水艦隊、潜水艦母艦が太平洋の連合軍の索敵、通商破壊作戦に従事することになる。
「フィリピンの解放は、日本本土への『補給線』を確保するための第一歩。我々の次の戦場は、南方の油田基地にあります」
マッカーサーの捕縛と降伏宣言により、フィリピンにおける組織的な戦闘は終結した。接収された膨大なアメリカ軍物資は、山下大将率いる第14方面軍と、フィリピン市民へと分配された。この地はこれから「東南アジアと日本を結ぶ中継基地」へと生まれ変わる。フィリピンはアジアの国際貿易国の中継国として歩み始める。新連合艦隊は、これまで消費した「燃料」をアメリカ軍の備蓄で満タンにし、その艦首を再び南へと向けた。
解放の夕暮れ、ルソンの平原に、海に、山に、平穏が戻るが、マニラの街のいたる所で真の「自立」の熱気が立ち上がる。瓦礫の陰でラジオから「おーはよーう フィリピーン!」と聞こえてきて、軽快な音楽やニュースが日本軍兵士たちやフィリピンの市民に届けられた。
南方奪還フィリピン攻略 終
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