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待たせたな!  作者: 僧籍
第一部

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南方奪還フィリピン攻略 2-12 バターン半島・大空中戦 ジャップの奴らは気が狂ったか?!

バターン半島・大空中戦 ジャップの奴らは気が狂ったか?!


 新・連合艦隊《菊水艦隊》では戦艦大和の指令室で第二艦隊司令官、伊藤司令官と《帰還艦隊》戦艦陸奥の指令室で《帰還艦隊司令官》が無線で交信していた。


 伊藤司令官が前線から送られてきた情報を元に話し始めた。


「やはり、イギリス軍、アメリカ軍は総力を挙げて我らを叩き潰しにきたな」


《帰還艦隊司令官》はそれに続いて。


「そうですね、我々はこの状況を予想していました。では予定通りに全航空隊は攻撃機を全力で護衛しながら、全力で《目標》に向かってもらいましょう」


 伊藤司令官は右手の拳を広げた手のひらで打ち鳴らした。


「よし、艦隊はそのまま、南下し、スービック海軍基地へ突入せよ!」


《帰還艦隊司令官》は遥か上空をマニラ方面に飛行中の偵察隊に向けて、指令を出していた。


「彩雲偵察隊はマニラ、スービック海軍基地、クラーク飛行場のすべてのアメリカ軍の陣地、拠点を見つけ出して報告せよ」


 ---


 ジャップの奴らは気が狂ったか?!


 マニラ アメリカ西南太平洋方面軍司令部――フォート・マッキンリー


「なに、日本軍艦隊航空隊と日本艦隊が分離して、攻めてきているだと!」


 マッカーサーは前線からの報告に、驚きながら、理解できない状況に怒鳴る。


「はい、複数の同様な報告を受けています、イギリス太平洋艦隊からも同じ報告が来ています」


「ジャップの奴らは気が狂ったか?!」


「日本軍航空隊はそのまま、スービック、マニラ方面へ飛行しています、日本艦隊は護衛航空隊を伴わず、そのまま南下しています、このまま、数時間後にイギリス太平洋艦隊第57任務部隊と接触する予想です」


「奴らはまた、《カミカゼ》特攻を艦隊でやろうとしているのか?クレイジー!」


 マッカーサーは盛んに怒り散らしたが、急に静かになり、指令室のすべての幕僚をゆっくりと見渡した。


「諸君、我々の目的は日本軍を打ち破り、栄光あるアメリカ軍の下に勝利をつかむことだ。ふたたび、彼らがその力で立ち向かって来たなら、それに答えて打ち滅ぼすだけだ」


 航空参謀に向けて

「日本軍航空隊を迎撃せよ、陸上航空隊はこれに当たれ、海上航空隊の雷撃機、護衛戦闘機は日本艦隊を撃滅せよ、イギリス太平洋艦隊第57任務部隊も日本艦隊への攻撃を要請してくれ、以上。皆、行動を開始してくれ」


「イエッサー」


 ---


 高度10,000メートル


 烈風改とP-51ムスタングの部隊が編隊同士で激しい戦闘が行われていた。


「……逃がさん。貴様の動きを理解しだ」


 新連合艦隊の誇る『烈風改』のコクピット。帰還艦隊の熟練操縦士は、計器盤に映る敵機——アメリカ軍のP-51ムスタングを捉えた。ムスタングは急降下で逃げ、その圧倒的な速度で振り切ろうとする。しかし、烈風改は金星七一型エンジンの3000馬力以上の排気量を咆哮させ、さらに鋭い角度で垂直降下を敢行。重力を無視したかのような機動で敵の背後を完全にロックした。


「墜ちろッ!」


 4門の20mm機銃が火を噴き、ムスタングの右翼を根元から引き裂いた。爆散する敵機の破片を掠め、烈風改は再び急上昇へと転じた。


 ---


 高度8,000メートル


 その下方では、『零戦64型改』が、P-47サンダーボルトと死闘を繰り広げていました。


「これが零戦の……『戦い』だ!」


 数機のP-47サンダーボルトが編隊を組み、零戦を十字砲火に追い込もうとする。しかし、零戦64型改は不自然なまでのロール速度でその網をすり抜け、空中でひらりと身を翻した。かつての零戦にはなかった、未知の技術によって作られた合金によるボディの「防弾」と金星七一型エンジンが生み出す「加速」を手に入れたこの機体は、P-47の背後に音もなく忍び寄ると、「ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ」製の翼を無残な鉄くずに変えていく。


 護衛戦闘機に守られてた、流星改は彼らのエスコートによって、《目標》へ向かって進撃を続けた。


 空は単なる一対一の決闘場ではない。

 日本軍の編隊は、さらに上空で存在する指揮管制機によって、まるで一つの巨大な意志を持つ生物のように動いていた。


 2機の零戦がP-51を誘い出し、背後を見せた瞬間に、上空から潜んでいた別の烈風改が「一撃離脱」で仕留める。あるいは、敵のP-47が重武装で突進してくれば、3機の零戦が扇状に散り、敵を追い回して最後は死角からの銃撃で蜂の巣にする。


 連合軍も黙ってはいない。

「何なんだ、あのジャップの動きは! 物理法則を無視している!」

 アメリカ軍のパイロットたちは、死に物狂いで食い下がる。P-51のパイロットは、あえて零戦を自機の「死角」に誘い込み、僚機に撃たせる伝統のサッチ・ウィーブを試みるが、日本軍はその連携さえも高高度からの機銃掃射で粉砕していく。


 空のいたるところで、黒煙を上げるアメリカ軍機の撃破された残骸がバターン半島のジャングルへ吸い込まれていった。


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