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Parallel End-5

『監督生!』


――わ、二人とも息ぴったりだね。ジャミルさん、カリムさん。


「ぴったりって……そりゃあ、色んなことがあったけど、友達……だからな」


「コイツとは悪くない関係と距離感だと思っているよ、俺は」


「ジャミル~、お前とはずっと一緒にいられないけど一生の友だと俺も思うぞ」


――一緒にいられない?


「ああ……監督生はハイパー家とアルアジーム一族の複雑な関係のことを繰り返された七〇年の中で知っていると思うけど、殺す殺さないの問題があってだな……」


「そうそう。俺がジャミルに命を狙われてるってわけ。でも、俺は殺されたくないし……それ以上にジャミルの手を血で汚したくない。この学園を卒業するまでは距離の近い友達だけど、卒業後は一緒にいられない。そういう関係なんだ。いずれ疎遠になる」


――何となく知っています。これから二人はどうするんですか?


「俺か? 俺はそうだな……アジーム家の家業を継ごうと思う。俺のユニーク魔法は一子相伝の魔法だけど、他の兄弟は云うほど使いこなしていないからなあ。それに長男だし、家の商いから逃げることは出来ないよ」


――ごく少量の魔力で大量の水を出す魔法ですよね?


「ああ、そうだ。オアシスメーカー。水は人間が生きていく上で必要不可欠なものだからな。しかも、飲み水となる濾過された安全な水が安易に入手可能な国となる何パーセントになるのか。小さい時から、金の生る木として扱われてきた俺だが前向きに検討している」


――強いんですね。


「う~ん、そうでもないな。多分、繰り返された長い一年が俺の精神を強く成長させたものだと思う。この繰り返す時間がなければ、俺はいつか重圧に圧し潰される。そんな感じがするんだ。ま、今は大丈夫だけどな。心配してくれてありがとう、監督生」


――元気ですね。良かった。ジャミルさんは、これからどうするんですか?


「旅をしようと思う」


――旅?


「ああ、この学園を卒業したら故郷に帰らずそのまま世界各地を旅しようと思う……学園長から頼まれた仕事を片手間で片付けながら色んな国を見て回る。その中でもしかしたら、監督生の故郷が見付かるかもしれない。いや……お前は他の並行世界から来た異世界人なのだから見付かる筈はないだろうと思うだろうが、よく似た国があるかもしれない。その国の名前は何と云ったっけ……民族衣装は……?」


――あるかもしれませんね。よく似た国が。


「ああ、もしもその国を見付けることが出来たら、監督生を思いながら旅先を楽しむさ」


――それと、学園長の仕事……だとか云ってましたけど、それは何なんです?


「蜘蛛だよ。正確には、理事長の使い魔の処理。今から百年ほど前、世界中に放たれた世界を見張る目らしいんだ。世界中に散った蜘蛛の子の残りがいないとも限らない。一匹でも逃せば事だ」


――頑張ってください。


「ああ。俺とカリムは卒業後、離れ離れの疎遠になる。だけど、友達であることには変わりない。何も距離が近いだけが友達じゃないんだ。それと同じように監督生、お前が決して手の届かない異世界に帰ったとしても、ずっと友達であると……そう思い続けるよ」


「便りがないのが元気な証拠、だからな。監督生、元の世界に帰っても達者でいてくれ」


――ありがとうございます。それと二人とも……握手をしてくれますか?


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