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Parallel End-2

翌朝、帰還のためオンボロ寮を出るとディアソムニアの面々が待ち構えていた。


「遅いぞ人間! だがしかし、おはようだ、人間!」


――おはよう、セベク。


「うむ、実に久しぶりの邂逅だ。セントエルモの灯は邂逅を意味すると若様に教えられたが、こんな長い間離れ離れになることなど、予想だにしていなかった!」


――ああ、それ……どこかで聞いたことがあるな。どこでだっけ……。


「遠い昔だろう! 何せ人間、貴様は百七十年もの間、この島に存在し続けていたのだからな! 人間の記憶力はそこまで根強いものではない。忘れてしまっても仕方のないことぐらい、一つや二つはあるだろう!」


「くふふ、でもこの一年はさすがに忘れることはできなんだ。儂も中々に長い時を生きて来た老人じゃが、斯様な出来事に巻き込まれるとはな……いや、巻き込まれるは少し誤謬があるか。そもそも儂らは全ての元凶を探しに来たのじゃしなあ」


――リリアの話は本当にどこまで本当なのか、分からないよ。


「ミステリアスじゃろ? それに愛らしい美少年ときたものじゃ。ああ、今すぐシャウトを響かせて歌いたいほど、胸、心躍る。のう、ここに楽器はないか? 餞別に一曲、奏でてやろう。若しくは手料理でも振る舞おうか」


――さすがに遠慮しておくよ。


「親父殿の料理は劇物だからな。いくら腹が減っていたとしても食べるなよ、監督生」


――シルバー。あれ、その剣は何? 前まで持ってなかったよね。


「これは、形見と云うか何と云うべきか。俺にもよく分からないのだが、どうやら正当後継者らしい。うんともすんとも云わなくなったが、その内喋り出すようになるだろう」


――その剣、今の平和な世の中じゃ似合わないよ。捨てた方が良いんじゃない。


「そうかもな。ホリデーの際、故郷に帰った時、剣を本来あるべき場所に戻しておくことにする。今は乱世の世の中じゃないんだ。きっとこの剣も了承納得してくれるさ」


「剣の放棄……いや、放置か。妖精の丘には相応しい場所が幾つかあろう。何せまだ人の手の入っていない、未開拓の場所はまだある」


――ツノ太郎!


「人の子よ、お前は僕の恐ろしい祝福を受けたと云うのに未だその名で呼び続けるか。よかろう、貫け」


――友達への綽名だからね。


「綽名か。はじめてもらった名だ。大切に扱わせてもらう」


――もう少し、まともな綽名の方が良かったかな。


「いいや、僕はこれがいい。これがいいんだ……そんなことより監督生、ここにいる皆と握手をしてくれないか。皆と……みんなの手を握っておくれ」


――いくらでも! でもそのナイスアイデア、学園にいる友達全員にやってみてもいいかな?


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