Episode:間に合わなかった!(タイムコントロール)
成神たち主要メンバーは、第一艦隊旗艦で艦隊隊員たちに礼を述べ、冒険譚を話した後、弐本の地下研究施設にジャンプし博士の元へ急いだ。
成神は康美をはじめ医療班のスタッフに帰還の報告と、これからを話している。
「無事、みんな戻ったよ、仲間も増えたし、僕たちに必要な人材も連れてくることができたよ、康美さん」と言うと、康美は「みなさん無事でよかった、父のために危険をおかしてくれて・・」と涙で再会を喜んでいる。
「そして、これからのことを話したいのだが・・・」と成神が話始めようとすると、すさまじい殺気を放つ視線を感じた、そっちに目を向けると神原が腕を組んで成神を睨んでいた。
意味を察した成神は「話したいけど、少し僕も計画をよく考えて話したい、だから1時間後にもう一度、ここに集まってくれ」と自由時間とした。
神原は小さな声で「よしっ、わかってんじゃん、成神」と言い、浴室に向かった。
新しいメンバーには、エルダーから、この自由時間の1時間を利用して説明が行われた。
セラフィ達新規メンバーはなんとなくだが ”平和” と言う意味を理解していった。
成神はと言うとこの間、食事をとり、風呂に入り、エルダーの説明会にも途中参加し、新規メンバーにTeamsの活動意義なども説明してるが、同時の博士の治療に向けた最善策を何度もシミュレーションし、一つの決断を出そうとしていた。
一時間後、みんなは、再び博士の周りに集まっていた。
すると榊が不思議そうな顔をして「成神、なんでー、この時計の数はよー」と問いかけると、成神は「今から話すけど、時間との勝負だからね、このミッションは・・」と言い、真剣な面持ちで説明し始めた。
「このミッションは、博士の完全回復を達成目標としている。キーパーソンは康美さん、あなたのタイムコントロールにかかっていると言っていい、どんな状況でもしっかり行動するんだ、いいね」と言うと康美はコクリと頷いた。
元気のない康美の表情を見て、心情を察した成神は「神原さん、御神さん、康美さんをサポートしてくれるかい」とサポート役を指示した。
「手順は、康美さん、博士の停止したタイムコントロールと解くんだ、その時、大きな声で ”解除” と言ってくれ、いいね。」
「次にセラフィ、博士の病巣を治療を始めて、終わったら ”完治” と宣言して欲しい。」
「そして治療班は、博士の病状管理と生命維持を頼む、うまくすれば、ここでミッションコンプリートだが、いいかい医療班どんな小さな変化も見逃さず常に報告をお願いします。」
「ここからは万が一のことだが・・」と言いかけた成神だったが、「みんなが完璧に行動すれば、博士もそれに答えてくれるだろう」と話を呑み込んだ。
「じゃぁ、みんな10分後にミッションスタートだ、配置についてくれ、それと機器の確認も頼む」
その10分後「では、ミッションをスタートしよう、康美、準備はいい、セラフィ、準備はいいね、医療班、配置についてるね」といいながら最初の時計を止めて、成神は指示を出した。
成神が康美に「博士のタイムコントロールを解除して!」という合図に、康美は大きな声で「解除」と答えた、と同時に、成神は2つ目の時計を止めた。
すぐにセラフィが「治療開始」といい両手を博士にかざしている、30秒、1分・・その間にも医療班から、「脈拍、血圧異常なし」と確認が15秒ごとに報告される。
5分後、ようやくセラフィが「完治!」と叫び、成神は3つ目の時計を止めた。医療班の生命維持活動に役割を変わった。
その8分後、博士の容態は急変する、そこで成神は4つ目の時計を止めた。脈拍、血圧の報告が大声で伝わる中、医療班は的確に指示をだし救命活動を行った。
急変から12分後、医療班から「心停止、心肺蘇生処置に入る」と何とか命をつなごうと、ひと際大きな声で報告が入った。成神は5つ目の時計を止めた。
その間ずっと康美は涙ながらに「おどうざん、おどうざん」と呼びかけている。
だが、蘇生措置から11分後、医療班の主治医が首を横に振り、時間を告げた。同時に康美が「間に合わなかった」とその場に膝から崩れ落ちた。
すると成神は「まだ終わってない、Teamsのスキルはこのためにあるんだ」と言い、康美に対して「康美、すぐに博士の時間停止を!早く」と指示を出す。
泣き崩れた康美を神原と御神が抱き起し「しっかりしなさいよ、ほら、しっかり」と声をかけ、博士の体を時間停止させ、康美は「ていジがんりょお、でぎまじた」と成神に助けを求める視線を向けた。
成神は集まっているみんなに対して時計を見ながら「みんな最善を尽くしてくれて、ありがとう、でも、終わってない、まだだ!」と言う発言にみんなは驚いている様子だった。
「ここからは、また、確実性の低い、でもゼロじゃないミッションになる。それも参加メンバーはもう決まっている、参加メンバーは、博士、康美、タルト、Qクロウの4人でやってもらう」と言うと、その場にどよめきが起こった。
そんな中、このミッションを考えた経緯を成神が話し出した。
「確認だが、セラフィ、博士の体に悪いところはないんだね」と言う成神に、セラフィは「はい、つなぐサン、心臓以外は健康体です」と話した。
「ありがとう、と言うことは、今回のミッションは、セラフィが ”完治” と言った時点でコンプリートだったんだ。」
「じゃぁ、なぜ、こうなる?」と言う問いかけに、いつも一番に気が付く神原が「博士の寿命?」と答えると成神は「そうだ」と答えた。
「これからは別のミッションだ、天寿を全うした博士には、生き返って、もっと働いてもらうのが、達成目標だ、そのためのメンバー4人だ!」
「第一ステップだ、これは分刻みのタイムトラベルとなる、タルトとQクロウ!できるか」というと、泣いている二人は頷いた。
「二人が泣き止んだら、ミッションスタートだ、先ずは4人で、セラフィが ”完治” と言った直後、つまりはこの時間に戻って、康美はそこで、博士を停止状態にし、ここへ戻ってくるんだ、いいね!」と3つ目の時計を指して言うと、すでに二人は泣くことをやめ、康美のために、すぐにでも始めようと辛さを押さえていた。
二人は「もう大丈夫」と言い康美のそばにくっ付いた。
その後、すぐに4人は消え、すぐにまた現れた。
成神はそれを見て「よし、成功だ」と状況を確認した。
「じゃあこれからが本番だよ、少し昔の話をするが、4人でTeamsの旅を始めた頃、SNSでネット書き込みをしていて、御神さんから聞いた話だが、”未来から来た人間も書き込むことがある” と言うことを言ったんだ。
調べてみると、嘘も多いが中には不思議と嘘ではないと思える書き込みもあった、そこには ”100年後の未来、人類は寿命からも解放されている” というメッセージが書かれていた、それが僕にはどうしても引っかかっていてね、今回は、それに賭けてみたいんだ」
「一度に100年も飛べないんだ」とタルトが肩を落とすと、成神は「いいんだ、タルト、少しずつ飛んで、このミッションの間で、タルトも成長し時間の距離を伸ばしてくれればね」という成神の励ましに、タルトは「ウン、わかった」とやる気を見せた。
「小刻みに飛んで、次のジャンプまで力をためている間に、康美、君には僕たちを探して、協力要請をしてほしい、僕ならきっと興味深く話を聞くだろうから、最初に僕を探すんだ、あぁそうだ、ものの本では自分にあってはいけないと言っているんで、念のために康美は擬人化器官を使って姿を変えてね」と言うと榊が「この先の未来なら、ここに、この場所にみんないるだろうが」と不思議そうに尋ねた。
「それだと楽でいいんだが、タイムトラベル自体、今の先に飛んでいる保証はないからね、万が一だよ、万が一別の世界であっても、たぶん僕は協力してTeamsメンバーを集めるだろうからね」
「ちげぃねぇ」と榊は笑った。
「それに100年先は僕らも生きてはいないだろう、後30年くらいかな、その先はもっと大変だよね、だから行った先々でTeamsを結成させるのも康美の使命だよ、いいね!」
「康美、あんた私たちも、この前、命かけたんだから、しっかりやってきなさいよ」と神原はタイミングよく激励した。
一時間後、康美たちは準備を整え、出発すると挨拶に来た、Teamsの4人は彼女らを見送った。
「康美、行って来い!失敗なんか許さないからね!」「康美さん、タルトさん、Qクロウさん、博士をお願いね」
「お前たちに励ましの名を送ろう”Teams タイムセーバーズ” だ、なんか意味は分からんが閃いた、風邪ひくんじゃねーぞ、おまえら」
「じゃぁ、みんな気を付けて、康美、未来の僕たちによろしく、何かあったら戻ってこれることを忘れないで」と言い成神は、ウドノからもらったマルバノキの葉を渡し「これ、オマモリ―フだ」と言い、みんな笑顔で見送った。
「じゃぁ、行ってきます!」康美は以前と違い、しっかりとした意思をもって時間の中へと旅立った。




