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おしまい
「君たちには罰を与えよう」
ディーネは地に伏した人々へそう告げた。気絶しない程度にはしたはずだが、体は満身創痍で動くことは不可能だろう。ぬるま湯のような優しさをそのまま受け入れていればよかったのに。それに気づかなかったのか、それともその優しさが窮屈だったのか。
「残念だが僕は彼女のように優しくはない」
血溜まりの中に手を差し入れて、冷たくなったネーヴェの亡骸をそっと抱え上げる。戦争をするのに天使が邪魔だとネーヴェは彼らに殺された。悪魔なんて怖くないと戦争をするのだと彼らはネーヴェの優しさを踏み躙った。それでも最期の最期までネーヴェは人を傷つけなかった。そうして彼女は護り続けた人間に殺された。
「人に優しいだけの天使はもう居ない」
優しく無垢で愚かなネーヴェ。人が善いものばかりではないと知っていたのに、ジェーロの願いを叶え続けた優しい天使。たった一人で数百年、人を守護した哀しい子。僕はネーヴェのように優しく護ることはしない。愚かな者には罰を。ああ、でもちゃんと護るから安心したらいいよ。だってそれがネーヴェとジェーロの願いだったから。でもね、
「僕は君たちのこと絶対に許さないから。せいぜい後悔するといいよ」




