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あくまはそれからずっとでてきていません

「ねえ、ジェーロ。やっとジェーロのことを私以外が知ってくれたの。嬉しい、すごく嬉しいわ。だってこれで私が居なくなってもジェーロが優しかったって覚えててくれるもの」

 ネーヴェはとても嬉しそうにくるくる回って笑いながらそう言いました。ネーヴェはとても幸せです。ずっとネーヴェはひとりぼっちだったのでそんなこと起きるなんて思っていなかったのです。ジェーロが居なくなってからネーヴェは初めて心から笑いました。とても嬉しいと笑いました。

「ね、もしも剣が黒くなったなら次の悪魔には私がなりましょう。だからその時には君が天使になってね。お願いよ、ディーネ」

 ネーヴェはディーネに笑って言いました。もうネーヴェに怖いことはありません。ジェーロはもう忘れられません。だからネーヴェはもう何も怖くないのです。だってネーヴェの一番大事なものはもうどこにもないのです。どこにもいないのです。だからどうなったって怖くないのです。

「ああ、ネーヴェ。きっと僕は天使になるよ」

 ディーネはそんなネーヴェが好きでした。ジェーロが一番大事なネーヴェが大好きでした。だからネーヴェの願いを叶えます。それがちょっぴり哀しくたって願いを捨てることなどできないのです。

「ありがとう、ディーネ」

 ネーヴェはその願いが傲慢で残酷なことをよくわかっていました。けれどそれしかできないのです。ネーヴェができることはジェーロが大好きだったこの世界をちゃんと守ることだけなのです。そのためならばなんだってできるのです。





 けれどネーヴェはもうすっかり疲れていたのです。



 

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