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そうしてけんがまっしろになりました
「ねえ、ネーヴェ。ぼくを殺すのはいつにしよう」
ジェーロは笑顔でそう言いました。とうとう剣がまっ白になったからです。人は喜び悪魔が死ぬのを願っています。それを遠くから見たジェーロは嬉しそうに笑いました。その嬉しそうな横顔をネーヴェはじいっと見つめています。
「ジェーロの好きに決めたらいいわ」
だってネーヴェはそれを決められません。ジェーロを殺す日を自分で決めるなんて、そんなのできっこないのです。だからジェーロに委ねました。きっとそれがネーヴェにとって、一番悪い選択であっても自分で選ぶことなんてできなかったのです。
「じゃあ早い方がいいや! 明日にしようよ!」
ジェーロはネーヴェが思った通りに答えました。ジェーロはとても優しいからできるだけ早くしようと言うなんて、ネーヴェにはとっくにわかっていたのです。
「わかったわ、ジェーロ。じゃあ私は人間のところに行ってくるわね」
ネーヴェは予定を告げに行きます。悪魔を殺すと言いに行きます。泣きそうな顔を笑顔で隠して、明日悪魔を殺すのだと、そう言わなければいけないのです。明日で終わりがやってきます。ジェーロの命が終わるのです。ネーヴェの幸せが終わるのです。
その日がやっと来るのです。
その日がもう来てしまったのです。




