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そのしろいけんでしかあくまはころせません」

「ねえ、ネーヴェ。人は天使が大好きなんだね」

 ジェーロは天使のふりをしたネーヴェが、人にとても敬われているのを見ていました。けれどそれはネーヴェを敬っているのではなく、天使を敬っていることもわかっていました。

「そうね。人には天使はよいもので悪魔は悪いものだと思われているから」

 ネーヴェは天使が全てよき者ではないことを知っていました。そして悪魔が全て悪しき者ではないことも知っていました。全て人間が勝手に想像しただけなのをよく知っていました。

「どうしてそう思うのかな」

 ジェーロは悪魔も天使も知りません。ジェーロが知っているのはジェーロとネーヴェだけでした。だからどうして悪魔と天使がそう思われているのか全然わからなかったのです。

「白はよいもの、黒は悪いもの。みんなどうしてかそう思うの。きっと光が眩しくて闇が怖いからね」

 黒は闇で白は光。ネーヴェは光に焦がれて闇を恐れる感覚を知っていました。暗闇に取り残される恐ろしさを、太陽の光がくれる暖かさを知っていました。きっとそれはみんなが持つ本能のようなもので、変えることはできないのもわかっていました。

「ぼくね、ネーヴェがまっ白でよかったなって思うよ」

 ジェーロはみんながネーヴェを嫌わなくてよかったと思うのです。だってネーヴェはとっても優しいから、まっ白で好きになってもらえる色でよかったと思うのです。それがネーヴェじゃなく天使を見ているだけだったとしても、嫌われるよりずっといいことだとジェーロは思うのです。

「私はジェーロがまっ黒なのをよかったとは思わないわ」

 ネーヴェは優しいジェーロが嫌われるのをずっと哀しく思っていました。それがどうしようもないとわかっていても、ジェーロは暖かな場所で生きていてほしかったのです。幸せに生きてほしかったのです。





 その色を幸福だと言いました。

 その色が悲しいと嘆きました。

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