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【第2部】勇者に転生したがスキル【調べる】しか使えず、全然強くないけど、頼れる仲間と魔王を倒します!~シエナの野望の章~  作者: 雨のち晴れ
シエナの目的編

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9/11

シエナの誤算~それは、アギトを愛する2人がキレたこと~

今日、遂にジャッジメントから国民に向けて重大な発表があるという事で、既にジャッジメントの拠点は人がごった返していた。その頃、ブレイブハートの拠点では


「じゃ、いってくるわね。ステラちゃんルナちゃんの事をよろしくね」


「…………任せて」


ジャッジメントの拠点に向けて馬車に乗り込むティファ、ユイ、ラルフ、グレイヴ、レーナ。居残り組として、ガイ、メイ、ハツネ、ステラ、ルナ、そして未だに立ち直れていないアリス。のはずだったが…………


(ふふふふっ。みんなルナにだまっておでかけとは…………そうはさせるものか!)


なんと、ルナが馬車の荷物に紛れて忍び込んでいた。あらかじめ、出かけることを知っていたルナは、誰よりも早く馬車に忍び込み待っていたのだった。そして、ステラがルナが居ない事に気づくのはずっと後の事だった。やがて、馬車はジャッジメントの拠点に着いた。

ルナは、皆が出て行き少し時間をおいてから、馬車から抜け皆とは別行動をする。拠点の中には、村人の他にもあちらこちらにジャッジメントのメンバーが警備を行っていた。ルナは、一つの家族のすぐ後ろを歩き、いかにも『自分はこの家族の連れです』と言わんばかりの堂々とした態度で入って行く。バレていない。

そして、ここにはもう一つの家族の姿があった。竜崎家だ。

大輔達も、ジャッジメントの発表が気になり雫、愛華を連れて来ていた。そして雫が


(ん?ルナちゃん?いや、まさかね…………ここには来るはずないよね)


雫は、ルナに似た人物を目撃していた。この時は、ルナだと確信が持てなく大輔には言わなかった。


そして、いよいよジャッジメントの演説が始まる。


「本日はお集まりいただき誠にありがとうございます」


「発表っていったいなんだ…………」


「知らねーよ。何かあったのか?」


「何かあったから発表なんだろ」


「まぁ、そりゃそうか」


集まった人々はそれぞれが、今か今かと待っている。


「それでは、今日集まってもらったのは他でもありません、私達ジャッジメントが遂に、勇者とよばれる人物を確保いたしました」


(ゆうしゃをかくほ?やっぱりアギトはここにおつかいちゅうなのか?)


ルナがそんな事を考えているなか、話はどんどん進んで行く。その話を黙って聞くルナ。別の場所に居るティファ達も誰もしゃべらず、ただ舞台を睨みつけている。


(必ずアギトは私の手で取り返す)


ティファは、拳を握りしめてそのタイミングを待つ。そして


「どうやら、私の考えを理解してくれた人が居るみたいですね♪そうです、魔王がこの国に現れたら、即刻我々がこの手で勇者を殺します♪そうすれば、魔王は眠りにつき皆様もいままで通り普通の生活がおくれます」


「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ」」」


「いいぞ!」


「よくやった!ジャッジメント!」


「シエナ様最高!」


シエナの言葉に村人たちは、大きな歓声をあげる。


(クソ女!必ずこの手で殺す!)


プルプル震えて怒りを抑えるティファ。そんなティファにユイが


「落ち着いて、ティファ。ここで問題を起こしてはダメよ?」


「わかってます…………けど」


「そうだぜ、ここじゃ俺達には分が悪すぎる」


そして、いよいよアギトが皆の前に姿を現す。


「皆様、ありがとうございます。ですが、一部の方は勇者が逃げだしたらどうする?などお考えでしょう、ですがその辺も我々ジャッジメントに抜かりはございません!その証拠を今からお見せします!さぁ、連れてきなさい」


すると舞台の上にアギトが現れる。首輪には鎖がつながれており、誰が見ても奴隷と言わざる得ない格好だ。


「さぁ、ポチ始めるわよ♪」


(ポチ?あいつはバカなのか?あそこにいるのはアギトじゃないか?でも、なんかくびについてるきが…………)


ここで、前の方で見ていた大輔達も反応する。


「なっ!アギト!」


「な、なんで…………アギトさんが。そんな…………」


「あらあら、いくら何でも、あれはやり過ぎよね?これは流石にお母さんも怒っちゃうかな?あの女、どう料理してあげようかしら?」


「こわっ!愛華…………怖いぞ…………」


「あらそう?でも、私だって人間よ?知り合いがあんなことされていたら、流石に怒るわよ…………」


「お母さんが今までに無いくらい怒ってる…………」


更に、シエナは続ける。


そう言うと、部下たちは強引にアギトを地面に押し付ける。


「これから、私は『どうして勇者が逃げないか?』と言う疑問にお答えします。過激な内容も含まれるため、ご覧になりたくない方はこの場で退場していただくことをお勧めします」


しかし、シエナの気づかいに誰も反応する者は居なかった。皆が、『何が始まる?』と期待に胸を膨らませていた。


「それでは、始めていきましょう!皆さま、瞬きせずご覧ください☆」


【パチンッ】


シエナが指を鳴らすと、何処からともなく現れた鎖はいつものようにアギトの両手と首を絞めつける。


「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


(どうしたんだ、アギト?あいつらに、いじめられているのか?)


「なっ!」


「アギトォォォォォ」


ティファがその名を叫ぶ!周りの村人は一斉にティファを見る。


「なんだ?あいつ、勇者の知り合いか?」


「だとしたら、可哀想だな…………」


「もう、あいつは助からない…………」


「ただいまご覧いただいてるのは、私が禁忌の魔法で勇者を奴隷にして、罰を与えた行為によるものです。今、勇者は両手と首の鎖が締め付けている状態です。それと同時に、彼の体には恐ろしいくらいの電流が流れている痛みを伴っております。ですから、ご覧の通り身動きが取れません。」


【ヒール】


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」


「しかし、痛みがあるだけで直接傷ついているわけではないので死ぬことはありません。これは、私の命令を聞かなかった場合や、逃げようとした時に自動で発動いたします。ですので、勇者は逃げることはおろか、私に逆らう事さえできないのです」


「「「うおぉぉぉぉぉ」」」


「すげーぞ!シエナ様!」


「いいぞ!よくやった!」


「これで、俺達の生活は安泰だ!」


「それとさらに、勇者が完全に私に屈服したところをお見せいたします」


「何が始まるんだ…………」


「お、お父さん…………」


「あなた?次に何かあったら、私を止めないでね?あいつ殺すわ?」


「無茶言うなよ、愛華!お前、戦闘職じゃないだろ?それに武器だって…………」


「武器ならあるわよ、ここに…………」


愛華は、バックから包丁を出した。


「うおっ!いつの間に…………」


「あら?いつも持ち歩いているわよ?護身用にね」


「じゅ、準備がよろしいようで…………」


「うふふふ。ありがと♪」


そして、地獄の演出が始まろうとしていた時、ブレイブハートの拠点では…………


「…………ルナ!いい加減に起きなさい!何時だと思っているの?」


ステラが布団に包まるルナを起こそうとしたが、そこにルナの姿は無かった。


「……………なっ!」


布団の中には、洋服が大量に詰め込まれていて、あたかもルナが寝ているような膨らみを作っていた。


「……………ま、まさか」


ステラはすぐにガイ達を探し、ルナを見なかったかと問う。


「…………ガイさん、メイさん、ルナを見ませんでしたか?」


「どうした、ステラ?そんなに慌てて…………?」


「…………寝ていたと思ったルナが居ないんです!」


「居ないだと?」


「…………はい。布団がカモフラージュされていて、さっき気が付きました」


「まさか、ルナちゃん…………」


「あぁ、多分ジャッジメントの所だな…………」


「私達も行きましょう!」


「そうだな!急ごう!」


そう言って、ガイ達も会場に行こうとするが、ここでジャッジメントのメンバーの共鳴スキルにより、ガイ達はアギトがされてきた映像を見ることになる。


「な、何だよこれ…………」


「ひ、酷いよ…………こんなのってないよ」


「…………くそぉぉぉぉ!許さないぞ、あいつ!殺す」


「落ち着けステラ!」


「…………うるさい!黙れ!」


「うっ…………」


「ステラちゃん…………」


話の舞台はジャッジメントの拠点に戻り、


すると、シエナは靴と靴下を脱ぎ右足をアギトの顔の前に差し出す。


「さぁ、お舐めポチ!」


アギトは、自らの手でシエナの足を取り舐めはじめる。


「ご覧ください♪この勇者は、抵抗もせずに私の足を舐めております!これは、私に対しての服従の合図です。プライドも勇者としての尊厳も、たった今この場でなくなりました!」


【パチ、パチ、パチ、パチ】


一斉に、会場から拍手が鳴り響く。


「最後に、この国に居る皆様の頭の中に映像を流します。今から見せる映像は、私が勇者を奴隷にしてから一週間の映像です。毎日、どのようにして勇者の心を折ったのかご覧ください。それと、性欲丸出しの猿に落ちるまでの映像です。ではどうぞ」


【パチンッ】


再びシエナが指を鳴らすと、ジャッジメントのメンバーの固有スキル、共鳴により人々の頭の中にアギトがシエナにされてきた仕打ちが流れる。


「クソアマァァァァァァァ!」


ティファが、炎王剣・レーヴァテインと氷王剣・ニヴルヘイムを抜く。そして、レーヴァテインが今までに見ないほどの炎に包まれる。それは、天をも貫く高さの炎だ。


【バチッバチッバチッ】


周りの水分が蒸発するのが目に見えてわかる。辺り一帯は、まるで砂漠で冬服を着ているような暑さに見舞われていた。


「アッツ…………。おい、ティファ落ち着けって」


「落ち着きなさい、ティファ!」


「……………………」


「ティファさん…………」


「ティファ…………」


その場にいる誰もがティファを止められずにいた。そして、反対側でも騒ぎは起こっていた。


「ぐぞぉぉぉぉぉぉぉ!ゆるざないぞ、あいづら、ごろず!」


ルナだ。唇を噛みちぎるほど怒りに満ちていた。ルナは、月影の重斧を抜き、魔石の力をも解放させて一気に処刑台を目指す。


【ダッ!】


「うわっ!何だ!?」


「あぶねっ!」


「きゃっ!ちょ、ちょっと何するのよ!」


構わず、一直線で処刑台を目指すルナ。しかし、警備担当のジャッジメントのメンバーも黙ってはいない。ルナを止めようとするが、無意識にルナが固有スキルを発動する。


【固有スキル 双影の共鳴】


すると、ルナの影からルナと姿、形が全く同じ影が現れる。


【スキル 影遊び】


ルナがそう言うと、影で出来たルナの分身がジャッジメントのメンバーをひねり潰していく。武器も全く同じで、一瞬にして切り刻まれていった。


【ブシャァァァァァァ】


切り刻まれたジャッジメントのメンバーから血しぶきが舞う。


「うわあぁぁぁぁ」


「ぐあぁぁぁぁぁ」


「どげぇぇぇぇぇぇ!ルナのじゃまをズルなァァァァ!」

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