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【第2部】勇者に転生したがスキル【調べる】しか使えず、全然強くないけど、頼れる仲間と魔王を倒します!~シエナの野望の章~  作者: 雨のち晴れ
拳聖のラルフと弓聖の雪。そして拳王のステラ編~ステラ&ラルフ視点~

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結ばれし絆と、迫る暗雲

何はともあれ、修行を再開したステラ達。


「いいか、ステラ闘気という物はちょっとやそっとじゃ、練れるもんじゃない。まずは、己の闘気の最大量を増やすことだ。それには、体力をつけるのが一番早い。」


「…………体力をつける?筋トレでもすればいいんですか?」


「まぁ、そうなるな。だが、今はそんな悠長な事をしている時間はない。でだ、お前には常に体全体に闘気を纏いながら生活してもらう」


「…………全身に?今の状態じゃ纏えていないのですか?」


「今の状態は、ただ闘気を外に出しているだけだ。それを体内に閉じ込めるんだ」


と、ここで雪がステラに対して疑問に思っていたことを聞く。


「ねぇ、そーいえばステラちゃんは転生者なんだよね?もしかして、元の世界で空手やってた?」


「…………はい。3歳からやっていました。どうしてわかったんですか?」


「ん?えーっと、さっき木を殴ったでしょ?その時の構えが、空手の正拳突きにそっくりだったから」


「…………まさか、雪さんも元の世界で空手を?」


「まさか!こっちに来てから空手の事は知ったのよ」


「…………そうだったんですか」


「それなら、意外と早く闘気を練れるかもしれないよ?」


「……………それは、どうしてですか?」


「あのね、闘気を体内にとどめるには物凄く集中力が必要なの。でも、ステラちゃんはさっき物凄く集中できてたでしょ?あの状態で、体で闘気を感じてそれを押し込めるのよ。闘気は、どうしても外に出たがるからね」


「…………体で感じる」


「うーん、何か熱っぽさを感じるに近いかな。神経を研ぎ澄ませて体の隅々まで、心の目で見るような…………」


「…………神経を研ぎ澄ませて心の目で見る」


そう言うと、ステラは目を瞑り、神経を研ぎ澄ます。体の力を抜き、全ての音をかき消し、雑念を捨てる。すると、


【ブォォォォン】


ステラの体を、薄っすらと白いオーラが包む。すぐにやり遂げてしまったステラに2人は感心する。


「おぉ!こいつはたまげた」


「おぉ!それそれ、出来たじゃん!すごいね!」


しかし、ステラの体からはすぐにオーラが消えてしまい、物凄い疲労感が襲う。


「………はぁ、はぁ、はぁ。体が重い」


「まぁ、最初のうちはそうなるよね。でも、少しずつ練習すれば、いつでも纏える状態になるよ」


「…………2人は常に闘気を纏っているのですか?」


「ん?あぁ、纏っているぞ!必要最低限だがな」


「私も纏ってるよ!いつどこで襲われるかわからないからね」


「…………なるほど」


「まずは、常に闘気を纏っていられるようにするぞ!」


「………あれを常に纏っていられる状態まで」


「あぁ。その為にはまず、体力の底上げだ!走り込み、筋トレをメインにやっていく。そして、夜は闘気を纏う練習だ」


「…………わかりました」


こうして、ステラが自身の体にオーラを纏わせ続ける修行をして2週間が経った。そしてステラ達は今、デイズから少し外れた西の森にいる。普段は、人気が無く魔物も少ない。修行の場所にはもってこいの場所だ。


「よし、だいぶ様になってきたな」


「…………はい、師匠のおかげです。ありがとうございます」


「えぇ!?私は~?」


「……………もちろん、雪さんにも感謝しています。的確なアドバイスは助かりました」


「でしょ?でしょ?やっぱ、私って天才かも!」


「そしたら次は、次は俺と組手だ!本気でかかって来い!」


「もぉ~、何で無視するのよラルフ!怒るわよ!プンプン!」


「あー、わかった、わかった!雪は凄い!間違いなく誰もが認める天才だ!」


「でしょ~!もっと褒めていいのよ?」


「じゃ、始めるぞステラ!」


「………えっ?あ、はい!」


「こらー!だから無視するなー!」


そして、ステラは実戦形式でラルフと組手を始めた。


「………ハッ!」


【ガッン】


「フン…………」


【ガッ】


「………このっ!」


【ダンッ】


「この程度か?」


「………くっ!」


【ドンッ、ドンッ】


「…………当たらない」


「こんなんじゃ、いつまで経ってもアギトのお荷物だぞ!?」


「…………そんなの分かってる………このっ!」


【ガンッ、ドンッ】


「そらよ…………」


【ドッ―ン】


【ダンッ】


「……………くっ。はぁ、はぁ、はぁ」


「よし、少し休憩だ」


「…………はい」


ステラは、その場に座り込み息を整える。


(…………これが拳聖の力…………まるで攻撃が当たらない……。どうしたら当たるの…………)


30分の休憩を挟み、再びラルフとの組手が再開される。しかし、ここで予期せぬことが起こる。


「大変です、雪様!」


1人の吹雪のメンバーが慌ててやってきた。


「どうしたのそんなに慌てて?」


「東部の森に、大量の魔物が現れました。現在、手の空いているメンバーが対処していますが、手に負えません。このままではあと1時間もすれば、魔物の達の群れがデイズへ押し寄せてしまいます」


「わかったわ、すぐに私も現地へと向かいます。ラルフ、悪いけど手伝ってくれる?」


「あぁ、もちろんだ!」


「…………私も行きます」


「ダメよ!ステラちゃんはデイズへと戻って」


「…………でも」


「悪いけど、今のステラちゃんじゃ足手まといよ」


「…………そんな…………」


「雪の言う通りだ。ただでさえ人が足りていない状態だ。ここでお前が行っても邪魔になる。わかったなら、急いでデイズに戻れ!いいな!」


「あなた、この子をデイズまで連れて行ってあげてくれる?」


「ハッ!お任せください」


「じゃ、行くわよラルフ!」


「あぁ!」


そう言って、雪とラルフは魔物の群れが居ると言う東部の森へと走って行った。

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