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【第2部】勇者に転生したがスキル【調べる】しか使えず、全然強くないけど、頼れる仲間と魔王を倒します!~シエナの野望の章~  作者: 雨のち晴れ
拳聖のラルフと弓聖の雪。そして拳王のステラ編~ステラ&ラルフ視点~

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雪の実力を知った2人は……

ついにラルフと雪は結ばれた。そして、ここから本格的にステラの修行が始まり、2人はデイズ近郊の森林へとやってきた。なぜかまだ出番のない雪も同行している。


「さて、ステラ…………」


「…………何でしょうか、師匠?」


「お前の修行を始めたいんだが、その前に…………」


「……………その前に?」


「なぜ、雪が居る?吹雪(すいせつ)の方はいいのか?」


「大丈夫よ!ステラちゃんの修行をみるから、しばらくは隊長代理でオーガンに任せてあるから」


オーガンとは、ラルフがステラと吹雪の屋敷にやって来た時に、最初に会った男の事だ。一応、彼もSランク冒険者であり、腕は確かだ。


「まぁ、あいつかに任せておけば平気か…………」


「うんうん、平気、平気!だから2人は思う存分始めちゃって!」


「…………始めましょう、師匠」


「そうだな。まずステラには、闘気を練るところから始める。前にも言ったが闘気とは、血と同じように身体の中を流れている。そして、こんなことも出来る」


ラルフは右手を握りしめ、集中した。すると、赤色のオーラが右こぶしに集まる。普段は、身体全体に流れている闘気。それを任意で一箇所に集めることも出来れば、二箇所に集めることも出来る。だが、複数箇所に集めた場合はオーラの量は半減する。


「そして…………」


【ドコッ―ン】


【ズズズズッ…………】


【ド――ン】


ラルフは近くの木にを殴った。すると、その木は真っ二つに折れて倒れた。


「まぁ、前にも見せたがこんな風に木程度なら簡単に粉砕することが出来る。修行すれば、岩も粉砕できるようになるぞ!」


「…………なるほど。これが使えるようになれば、万が一髭輔の作った阿修羅の魔石攻撃が出来なくなっても何とかなる」


「あぁ、大輔さんの作ったガントレットか…………。ありゃ反則だ。とんでもねー物作るよなあの人…………天才過ぎんだろ」


「大輔さんの作ったガントレット?」


「そっか、雪は知らなかったな」


「うん。そんなにすごい人なの?」


「凄いなんて言葉じゃ済まないぐらいの人だ」


「ふーん。で、そのガントレットってステラちゃんが使ってるの?」


「……………はい。けど、いざという時にしか着けてません。髭輔と約束したんで」


「ねぇ、ねぇ、どれぐらい凄いかやってみてくれない?」


「…………え?」


「お願い、お願い!」


「ダメだ!魔石の攻撃には回数が決まっていて、無駄打ちするもんじゃない!」


「えー!一回くらいいいじゃん!お願い、この通り!」


雪はどうしても、阿修羅がそんなにすごいのか知りたくて退く気配を見せない。顔の前で両手を合わせてステラにお願いする。


「…………じゃ、一回だけ」


「おい、ステラ!」


「…………大丈夫、一回くらいなら。それに、見せないと修行が進まなそうな気がする…………」


「はぁ…………。一回だけだぞ、いいな!」


「やったー!」


ステラは、自分よりもはるかに大きい木の前に立ち阿修羅を着け、構える。そして、その構えを見た雪が驚く。


「おっ?」


「…………行きます」


ステラは目を瞑り集中して、木へと魔石の攻撃を放つ。


【ドゴッ―――――ン】


ラルフの時より、威力が大きく木が折れ倒れるが、その木はステラの方へと落ちてきた。


「ステラ!」


ステラは避けようとするがどうにも間に合いそうにもない。


「!!!」


【三位一体の矢(トリニティー・アロー)】


【ガンッ】


【ガンッ】


【ガンッ】


雪は持っていた弓ですぐさま木に向けてスキルを放つ。放たれた矢は3本で、それぞれ時間差で木に向かっていき、1本目の矢が木の正面に当たり、木がステラとは逆方向に向き、2本目の矢が右側から木に当たり、大きくステラから離れ、3本目の矢が下から上へと木を突き上げ、地面に落ちる。


【ドッ―――――ン】


「ふぅ、危なかった」


「…………あ、ありがとうございます」


「いいのよ!私が無理言ってお願いしちゃったし」


「…………それで、今のは?」


「今の?あぁ、三位一体の矢(トリニティー・アロー)ね!あれは私のスキルで、早い話3本の矢が目標に追尾するのよ!」


「…………だからあんなにも遠くに落ちているんですね」


「そそ、あそこに落ちるよう誘導したって感じかな♪」


「中々厄介なスキルだな。矢を捌くのがめんどくさそうだ」


「ふふふっ。そこは避けるじゃなくて捌くのね!ラルフらしいや♪」


「避けるより、捌いた方が楽だ」


「それもそうね…………。矢が見えればだけど」


「…………えっ?」


「はっ?」


「何言ってるのよ、あれが全力じゃないわよ?3割ってところかしら」


「…………師匠、雪さんていったい…………」


「あぁ、化け物だ…………」


「ぶぅー!酷い、嫁に向かって化け物とはなんですか!」


「だ、だってなぁ…………ステラ…………?」


「…………化け物は言い過ぎですけど、超人ですね」


「もしかして2人も、私をバカにしてる?」


「「…………いえ、そんな事はないです。すごいです」」


「ならよし!」


(あぶねー!死にかけたぞ!)


(…………師匠が化け物とか言うからですよ!これからは、発言に気を付けてくださいよ!)


(わ、わかった)


「2人も何やってんの?続きは?」


「あぁ、そうだったな…………。何処からだっけ?」


「…………闘気を集める話です」


「そ、そうだったな…………あはははっ」


「…………しっかりしてください、師匠」


「お、おう」

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