ラルフと雪
【次の日】
再び吹雪の拠点へとやってきたラルフとステラ。すると、門の前で2人を待っている雪が居た。
「やっときたわね…………」
「お、おう…………」
「さっ、行くわよ!ついて来て!」
「は、はい…………」
「…………はぁ。ダメだこりゃ」
ラルフのヘタレさを見てステラはため息をついた。
そして、3人は雪の寝室へとやってきた。
「さっ、全て話してちょうだい!私が納得いくようにね!」
「わ、わかりました…………」
と、ラルフが今までの事を説明しようとした時ステラが
「………あ、あの」
「何かしら?私の知らないお嬢さん!」
「……………うっ」
雪の容赦ない言葉に、ステラもいつもの調子を出せないでいた。
「…………そ、その…………師匠の説明だとまた誤解が生まれそうなので私が説明してもよろしいでしょうか?」
「ちょ、こらステラ!」
「…………仕方ないじゃないですか!師匠は言葉足らずで、また雪さんを傷つけますよ?それでもいいんですか?」
「そ、それは困る…………」
「…………なら、ここは私に任せてください」
「お、おう…………」
「……………雪さんも、それでよろしいでしょうか?」
「私は何でもいいわよ!ちゃんと、説明してくれるなら」
「…………ありがとうございます。では、まず初めに私と師匠の関係から話させてもらいます」
こうして、ステラは雪に今までの事を話した。自分とラルフの関係、ステラ自身の事、そして、ラルフの過去を…………
「…………以上です。納得していただけたでしょうか?」
「………………」
「雪……………………?」
「よかったぁぁぁぁ!そうだったのね、ごめんなさいね!私完全に誤解していたわ!ラルフがどこぞの馬の骨かもわからない女の子を連れてきたから焦っちゃったの♪」
「…………そ、そうですか。納得してもらえたなら良かったです」
「しかし、凄いねステラちゃん!5歳だっけ?こうもちゃんと話が出来る5歳児は居ないわよ!」
「…………ありがとうございます」
「ねぇ?ステラちゃんが良かったらなんだけど、私とラルフの養子に来ない?あなたなら大歓迎よ!ねっ、ラルフ!」
「馬鹿なこと言うな、雪!こいつには、ちゃんと母親が居ると言っただろ?」
「あっ!そうだった……………ごめんね、ステラちゃん。私が軽率過ぎたわ」
「……………いえ、大丈夫です」
「うーん。でも、私としてもどうにかしてあげたいわね」
雪は考える。どうにか自分もステラの力になれないものかと…………。
「あっ!じゃぁ、お母さんが見つかるまでここに居るってのはどう?ステラちゃんなら、きっとみんな歓迎するよ!」
「あのな雪、お前ちゃんとステラの話を聞いてたか?こいつはなぁ、強くなって妹のルナと母親を探すんだよ!だから、お前の力を借りにここに来たんだ!その事を忘れるな!」
「了解!んで、私は何をすればいいの?」
「雪の出番はもうちょい後だ。まずこいつには闘気の練り方を教える。そして次に、双虎拳だ。それが出来たら雪の出番だ!」
「じゃぁ、それまで私は結婚式の準備をしてるわね!」
「はぁ?」
「『はぁ?』じゃないわよ!私は、あなたのお願いを聞くんだから、ラルフも私のお願いを聞いてよ!」
「いや、別のお願いなら何とか…………。結婚は流石に……」
「…………ヘタレ」
「なっ!てめーステラ、今なんて言った!?」
「…………ヘタレと」
「この俺がヘタレだと?」
「…………はい!だってそうじゃないですか。雪さんは、師匠の事が好きで結婚したいと考えているのに、対して師匠は雪さんの事が好きなのに、その事から逃げている…………今も昔も。これをヘタレと言わず何と言うんですか?まさか、雪さんにプロポーズさせる気じゃありませんよね?そこはもちろん、師匠からプロポーズするんですよね?」
「そ、それは…………」
「…………どうなんですか?その事がハッキリしないと、私は修行なんてしませんよ?まっぴら御免です。ヘタレな人間に教わっても強くなれる気がしません」
「………………」
【【ジ――――ッ】】
「………………」
「………………さっ、どうなんですか?」
「…………わかったよ!俺の負けだ!」
「……………と、言う事は?」
「…………雪…………お…………お…………」
「お?」
「…………お…………俺と結婚してくれ!!!」
「はい、喜んで!」
「…………男を見せましたね師匠」
「あぁ。だが、全ては魔王を倒し全てが終わってからだ!いいな!」
「…………やっぱりヘタレだ」
「しょ、しょうがないだろ!今はまず、魔王をどうにかしないと安心して雪と居られない!」
「……………まぁ、そうですね。雪さんもそれでよろしいですか?」
「私は、全然いいよ!ありがとね、ステラちゃん!大好き!」
「……………別に私は師匠がヘタレなのがムカついただけです。こんなに愛してくれる人が居るのに放っておく師匠が」
「納得いかねぇ…………」
「…………これで晴れて師匠は【Re:Brave】を卒業ですね。よかった、よかった。アリス様には後で私から文を出しておきます」
「ちょ、ちょっと待てよ!」
「…………師匠は今から【吹雪】の一員です!当然でしょ!それとも、雪さんと一緒に居たくないんですか?」
「……………居たいです」
「……………はい、決まり」
「これから、宜しくね!あ・な・た!」
「あなた…………?」
「当然でしょ?ラルフは、たった今から私の旦那さんなんだから!ねっ、ステラちゃん!」
「…………雪さんのおっしゃる通りです。文句はありませんよね、旦那さん?」
「…………はい」
「ねぇ、ステラちゃん!今度、私の旦那さんの事もっと教えて!」
「……………わかりました。私の知る限りの師匠を全て話します!」
「やったー!」
「勘弁してよ…………トホホ」
「…………フッ」




