二人の再会 其の2
「……………で?その後は?まだまだありますよね?」
「も、もう、いいだろ…………。これ以上、俺の醜態をさらしたくないんだが」
「……………早く続きを」
「………………」
【ジ――――――ッ】
「………………さっ、早く!」
「わーったよ!」
【ラルフが少女を助け気を失ってから1日が過ぎた】
「う…………う…………っん…………」
ラルフはベッドの上で意識を取り戻し、ゆっくりと目を開ける。そこには見知らぬ天井があった。ゆっくりと上半身を起こす。
「………っ……痛たた。頭が重ぇ………。こ………ここは………何処だ?」
ラルフは昨日の事を思い出そうとする。
「確か…………俺は…………」
少女を庇いその後、雪の無慈悲な一撃を受けた所までは覚えている。だが、そこからの記憶がない。
「そうだ、確か雪の一撃を受けて…………その後どうなった?」
ラルフは、ゆっくり部屋の周りを見渡す。
「すぅー…………すぅー……すぅー…………」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
ラルフは驚いた。寝息のする隣を見ると、そこには何も着ていない少女がシーツで体を隠すように寝ていた。
「……う…………う……う…………ん…………?」
少女は、ラルフの悲鳴で目を覚ましゆっくりと目を開けて、シーツで体を隠しながら上半身を起こした。
「おはよう、ラルフ…………」
ラルフの思考が停止する。ラルフはおもむろに自分の体を見る……………………服を着ていない。
「………………」
「どうしたの、ラルフ?」
ラルフは、この世の終わりみたいな顔をしながら雪に言った。
「…………俺…………まさか…………?」
すると雪は、顔を赤くしながら…………
「そ、そりゃ…………ねぇ…………」
ラルフはすぐに起き上がり、雪の正面で土下座をした。
「すまん、雪!そんなつもりは無かったんだ!本当だ、信じてくれ!この通り…………」
土下座をしながらラルフは、頭の上で手を合わせて雪に謝る。
「うふふふっ。冗談よ、ラルフは何もしてないよ!」
「…………へっ?」
「私が、勝手にラルフの横で寝ていただけ!」
「そ、そうなのか…………?」
「うん!ラルフの寝顔を見てたら、私も寝ちゃったみたい」
「そ、そうか。な、ならよかった…………」
「でも、キスはしたけどね♪」
「なっ…………!」
「うっそー!」
雪は、ニコニコしながら焦るラルフを見て楽しんでいた。
「こ、このやろー!」
ラルフは、そんな雪の頭に手を置き髪の毛をグシャグシャにする。
「あはははっ!止めてよ、ラルフ!くすぐったい!あはははっ」
「俺をからかった罰だ!このやろー!」
「「あははははっ!」」
二人の笑い声が部屋中に響き渡る。そして、ラルフは雪を抱きしめ言った。
「生きててくれてよかった」
ラルフの目には薄っすらと涙が浮かんでいた。
「……………うん」
「ごめん、守れなくて…………」
「謝らないで、ラルフ。あなたは悪くないの、悪いのは何も言わずに居なくなった私なんだから…………」
「そんな事は無い!全てを知っていたのに、手を差し伸べてやれなかった俺が悪いんだ。俺が、あの時もっとしっかりしていたら…………ごめん」
「だ・か・ら!謝らないの!」
「でも…………」
「でもじゃない!」
【ポカッ】
雪は、ラルフの頭を軽く小突いた。
「いい?こうして、また会えたんだからそれでいいじゃない!過去は過去、いつまでも気にしないの!いい?」
「わ、わかった…………」
「よし!じゃ、着替えてみんなの所に行きましょうか!」
「お、おう…………」
と、着替える準備をしようとした時、
【コンッ、コンッ】
「失礼します。雪様、起きました………………か?」
【ガシャン】
「「あっ」」
部屋に入ってきた女性は、ベッドの上で全裸の2人を見て驚き、持っていたカップを落としてしまった。
「失礼致しました、どうぞごゆっくり。では、私はこれで……」
女性は、そっとドアを閉めてその場から逃げるように立ち去って行った。
「あー!違うんだ!こ、これは……………………」
「うふふふっ♪」
「笑っている場合かよ!」
「大丈夫よ、あの子なら!」
「本当かよ…………。何か、凄く不安なんですけど…………」
「さっ、ウジウジしてても始まらないし、みんなの所に行きましょ♪」
「………あぁ…………そうだな…………とほほ」
こうして2人は着替えを済ませ、皆が居るとされるリビングへと向かうのだった。そして、ドアを開けると…………
【【【パンッ】】】
「「「雪様、ご婚約おめでとうございます!」」」
「ありがとう、みんな!これも全て、みんなのおかげよ!感謝しているわ!」
「勿体なきお言葉…………」
「……う…………うぅ…………お………俺…………泣きそう…………」
「う…………うぅ………な………な………何よ………もう泣いているじゃない……」
「うるせー…………お…………お前だって…………泣いてるじゃねーか!」
「当たり前じゃない!…………やっと…………やっと………雪様が結ばれたのよ…………こんなの…………泣くしかないじゃない!」
「だなっ!…………う…………ぅう…………よがっだぁぁぁぁ」
「おい、雪?」
「何?ラルフ?」
「お前、大丈夫って言ったよな?」
「うんっ、言ったよ!」
「『うんっ、言ったよ!』じゃーねーよ!これの、何処が大丈夫なんだよ!」
「えぇ?大丈夫じゃない?ちゃんと説明してくれたみたいだし、私達の事!」
「はぁぁぁぁ?」
「だから、私とラルフが両思いだって事!」
「ちょ、ちょっと待てよ!俺がいつそんなこと言った?」
「えっ?違うの…………?」
「えっ?あ、いや、違くねーけど…………」
「じゃぁ、いいじゃない♪」
「………………」
「さっ、皆の者!今夜は、派手に祝うぞ!雪様とラルフ様の婚約パーティだ!」
「「「おおぅ」」」
「マジかよ…………」
「うふふふふっ」
「はぁ…………マジか…………」




