ラルフの彼女?クラン吹雪のリーダー雪
勇者の村を出発した、ステラとラルフ達。2人はある場所を目指していた。
「…………師匠、私達は何処へ向かっているのですか?」
「あぁ?師匠…………?俺の事か?」
「…………はい。他に誰が居ると言うのですか?」
ステラとラルフが乗っている行商の馬車の荷台には、2人しか乗っていない。他の者は、全てライザで降りて行った。
「師匠…………ねぇ…………。まぁ、いいか…………。俺達は、5大都市の1つ、森林都市【デイズ】に向かっている。そこでお前に会ってもらいたい人物がいるんでな…………」
「…………私に会ってもらいたい?いったいどんな方ですか?」
「弓聖の雪という転生者の女だ。俺は会いたくないんだがな…………」
「………えっ?」
「えっ?じゃなくて、弓聖の雪だ」
「…………あの…………。師匠が稽古をつけてくれるんじゃないんですか?」
「あぁ、俺もつけてやる。だが、雪にも手伝ってもらう」
「…………わかりました。よろしくお願いいたします」
こうして4日後、ステラとラルフはデイズへと着いた。デイズの街には、あちらこちらに大きな木々がある。言わば、森の中に無理矢理街を作った感じだ。ラルフは浮かない顔をしながら、雪が仕切るクラン吹雪の拠点へとやってきた。
「ちぃーす…………」
ラルフは挨拶をして、吹雪の拠点へと入って行く。すると、吹雪のメンバーがラルフを見つけるや否、いきなり罵倒してきた。
「げっ!ラルフ、てめー何しに来た!ここにはもう二度と来るんじゃねーと言ったじゃねーか!とっとと失せろ、このカス野郎!」
「はいはい、雪に会ったらすぐに出て行くよ…………」
「てめーみてーなクソ野郎が、雪様の名前を呼ぶんじゃねー!殺すぞ?」
「そーいうなよ。少しだけだから…………。なっ!」
「うるせー!帰れって言ってんだろ!死にてーのか!?」
「…………師匠、凄い嫌われよう。雪さんって方と何かあったのですか?」
「あ…………あぁ。ま、まぁ少しな…………」
「あれを少しというのか?雪様の気持ちを踏みにじっておきながらよくもぬけぬけと来られたもんだ!」
すると奥から当の本人、雪が姿を現す。そして、ラルフを見た瞬間…………
「ラルフ?ラルフなのね…………?」
「あぁ…………。そ、その…………な、何だ…………ひ、久しぶりだな、雪…………」
「よかったぁ~、やっと私との結婚を考えてくれたのね!うれしぃ~」
「…………い、いや…………そ、そうじゃなくてだな…………」
「さっ!こんな所でも何だし、私の寝室でお話ししましょ?ねっ!?って、ちょっと待って…………心の準備が…………すぅー…………ハァー…………。よし、これで準備は出来たわ!行きましょう!」
「ちょ、ちょっと待て雪!今日は、お前に会ってもらいたい奴を連れてきたんだ…………」
「会ってもらいたい人?あー!もしかして、ラルフのご両親?ちょっと待ってね、こんな格好じゃあれだからすぐに着替えてくるから!」
「いや、あのだな…………実はこいつなんだが…………ほれ、ステラ挨拶しろ…………」
ラルフは隣にいたステラを自分の前に出した。
「…………初めまして、雪様。ステラと言います、よろしくお願いいたします」
「へっ?」
雪は自分の目を何度も擦り、ステラを見た。
「ギャァァァァァァァ!ラルフが幼女を連れてる!ラルフ!誰の子よ!私という彼女が居ながら、何で他の女の子供を連れてるのよ!」
【バタンッ】
雪はあまりの出来事に理解が追いつかず気絶した。
「雪様!き、貴様ラルフ!どういうつもりだ!よその女の子供を雪様に見せつけて、雪様を自殺へと追いやるつもりか!やはり、貴様はここで殺す!皆集まれ、ラルフをこの場で殺すぞ!」
【ガヤッガヤッ】
何事とかと、他の吹雪のメンバーがラルフの周りに集まってくる。
「げっ!裏切り者のラルフ!なぜお前がここに!」
「貴様!どの面下げてここに来た!」
「死ねー!クソラルフ!」
ステラが周りをキョロキョロと見てラルフに問う。
「…………師匠、どんなことをすればここまで嫌われるのですか?」
「し、知らねーよ!こっちが聞きてーよ!俺はその昔、雪からの交際を断っただけだ!俺は何も悪くねー!」
「貴様!雪様の気持ちも考えないで、よくもまぁそんな事が言えるものだな!」
「今日までの雪様のお気持ちを少しでも考えたことはあるのか!」
「この外道!」
「鬼畜!」
「サイコパス野郎!」
「……………師匠、酷い言われようですけど、大丈夫なんですかこれ?」
「た、たぶん。大丈夫だろ…………。ダメかな…………?」
「…………恐らくダメだと………。出直すことを勧めます」
「そ、そうか…………。ステラが言うんじゃそうなのかもな。出直すか…………」
「…………はい」
「あー、えっと…………出直すわ!またな!」
「二度と来るな!」
「次にまた来たら容赦しねーからな!」
「くんな、カスラルフ!」
「死ね、ボケがぁ!」
こうして、ステラとラルフは一時拠点外に避難するのであった。




