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【第2部】勇者に転生したがスキル【調べる】しか使えず、全然強くないけど、頼れる仲間と魔王を倒します!~シエナの野望の章~  作者: 雨のち晴れ
バイス王国侵略編~アギト&シエナ視点~

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「どいつもこいつも…………」

(よし、シエナ達はどうにか逃げることが出来たか…………。後はこの状況をどうするかだが…………。さて、どうしたものか………。)


「…………逃げたか」


騎士の男がそう言うと、男は剣をアギトに向け問う。


「さてと、賢者の女は逃げたがお前はどうするんだ?おとなしく我々の下に就くか?さすれば、勇者であるお前にはそれなりの地位を与えてやる」


「俺がお前らの下に就く?笑わせるな、誰が貴様らなんかの下に就くものか!」


アギトは、アイテムボックスから木刀を出し構える。


「周りをよく見て見ろ、残ってるお前等の仲間はもはや戦意を消失し戦うのを止めているぞ?これでもまだ、我々とやり合う気か?」


「当り前だ」


「そうか…………。なら仕方ない、覚悟しろ」


【スキル 幻想剣術】


騎士の男がスキルを発動する。すると男は、1人、2人と分身を増やして行く。最終的には、騎士の男は5人までその数を増やしていた。その間アギトはただ見ているだけではなかった。


【スキル 調べる】


【サーチェス 26歳 男】

【職業:幻術騎士】

【状態:良】

【死に至る可能性:✖】

【冒険者ランク:S】

【所属クラン:無】

【固有スキル:幻想剣術】


(幻想剣術?ただの分身じゃないのか?)


【スキル 調べる】


【幻想剣術】

*己の分身を幻術として生み出す

*幻術で生み出した分身の攻撃も、対象に傷を与える

*己の魔力量で、分身の数は決まる


「行くぞ!」


アギトは木刀を構え直し、サーチェスの攻撃に備える。


「そんな武器で私に挑もうなど、笑止!」


まず、分身は3体だけが攻撃をアギトに仕掛けてきた。分身の一体がアギトの正面から斬りかかってきて、その攻撃を、アギトは木刀で往(い)なし次の攻撃に備える。往なしたと同時に今度は右から分身が攻撃を仕掛けてくる。アギトはその攻撃を、木刀で受け止める。


【ガツッ】


「それで受け止めたつもりか!あまいぞ、勇者!」


更には左から、3体目の分身がアギト目掛けて上段からの振り下ろす。アギトは間一髪の所でその攻撃を避け、代わりに分身の腹を蹴る。すると、分身は光と共に消えていく。そして、最初に攻撃を仕掛けてきた分身がアギトの顔を目掛けて攻撃する。

アギトは体勢をのけ反らせて攻撃を避けようとするが、僅かに分身の剣先がアギトの頬をかすめる。


【シュッ】


「チッ!」


アギトは、2体目の武器を押さえている木刀を放し、右手で切り込んできた分身を殴った。すると、1体目の分身が消えたと同時に、アギトは分身との距離を取る。


「ほほぅ…………。中々やるようだな、勇者よ。…………だが」


サーチェスが再び分身を2体出す。


「おいおい、冗談だろ?無限に増やせるんかよ…………」


「遊びは終わりだ…………。本気で行くぞ」


「上等だ…………」


【その頃、ジャッジメントの拠点に戻ったシエナ達】


【ブゥゥゥゥン】


マホ達は、拠点にあるシエナの寝室へと飛んできた。そして、シエナがマホに怒鳴りつける。


「何てことをしてくれたのマホ!今すぐ戻りなさい!これは命令よ!」


「聞けません…………」


「チッ!」


【パチンッ】


「くっ………!………ぁ、あぁぁぁぁっ………!」


「早く私をバイス王国に戻しなさい!」


「…………くっ…………出来ません」


「マホ!」


「…………今ここで、シエナ様まで失うわけには…………」


【パチンッ】


「ぁ…………あぁぁぁぁぁぁ!」


「ちっ…………もういいわ。ジェニス?ジェニス達は居る?」


シエナが大声を上げ、ジェニス達を呼ぶ。すると、寝室の近くに居たジャッジメントのメンバーが声を聞きつけ部屋に入ってくる。


「シエナ様?それに、マホ様まで…………いったいどうなさったんですか?なぜ拠点(ここ)に?」


「今はそんな事どうでもいいの!それより、ジェニス達は何処に居るの?呼んできなさい!」


「ジェニス様達ですか…………?」


「そうよ、急いでここに連れて来てちょうだい!一刻を争うの!早く!」


「そ、それがですね…………」


「どうしたの!はやく呼んできなさい!死にたいの!?」


「ひぃぃぃ!す、すみません。命だけは…………」


「だったら今すぐに呼んできなさい!」


「じ、実はジェニス様達は今、ブレイブハートの拠点を攻めている最中でここには居ません…………」


「はぁ?」


「け、今朝早くにジャッジメントのメンバー100人ほど連れて、あいつらを殺すと出て行きました…………」


「くそぉぉぉぉ!」


【ドガンッ!】


シエナは、あれほど勝手な行動をするなと言っておいたにもかかわらず、余計な事をしたジェニス達に対してキレた。


「どいつもこいつもクソがァァァァ!」


「落ち着いてくださいシエナ様」


「黙りなさい、マホ!大体、あんたが私の言う事を聞かないからこうなるのよ!本当にどいつもこいつも頭に来るわね。もういいわ!あなた、今すぐ馬車を用意しなさい!ブレイブハートの拠点に行くわよ!」


「か、かしこまりました…………」


「どうしてこうも皆、私の言う事を聞かないのよ…………」


そして、シエナはマホと複数のメンバーを連れてジェニス達が居る勇者の村へと向かうのであった。

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