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【第2部】勇者に転生したがスキル【調べる】しか使えず、全然強くないけど、頼れる仲間と魔王を倒します!~シエナの野望の章~  作者: 雨のち晴れ
バイス王国侵略編~アギト&シエナ視点~

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忠告は届かず。破滅へのカウントダウン

【ブゥゥゥゥン】


マホの次元跳躍で、テレシアの街へと戻って来た。結局、出撃した200人近くの部隊はアギト、シエナ、マホ、カイル、そしてアギトが助けたアンディーを含め、たったの5人だけが無事に帰還できた。


(ん?あれは…………シエナ様達?)


街の警護に当たっていた一人のジャッジメントのメンバーが帰還したアギト達に気付き近づいてくる。


「シエナ様!」


その男は、血だらけのシエナを見て呆然とする。


「シエナ様…………?」


「ゲホッ、ゲホッ。あなた、デトックスとヒールは使えるわね?」


「使えますけど…………マホ様、大丈夫ですか?」


「私は平気よ…………ゲホッ。それより、急いでシエナ様にデトックスとヒールをお願い」


「あ、はい。わかりました」


事態は一刻を争う。男は、すぐさまマホに言われた通り魔法をかける。すると、シエナの青ざめていた顔色は元の色に戻り、傷口も塞がっていく


【シュゥゥゥゥ】


「良かった…………。あなた、直ぐにシエナ様を休ませたいわ…………ゲホッ…………何処か空いている民家に案内して……」


「そ、それよりもまずはマホ様の回復も………」


「私の事はその後でいいわ…………。まずはシエ…………ゲホッシエナ様を…………」


「……………わかりました。では、私について来てください」


そう言うとアギトはシエナを抱え男の後について行く。


【一時間後】


シエナは民家で休み、護衛にはカイルが就いていた。アギトとマホは、別の民家のリビングで今回の事を話していた。


「おい、勇者!お前は今回の事をどう思う?」


「どう思うとは?」


「なぜ、魔法は使えず私の固有スキルは使えた?」


「………………」


「答えろ!貴様、何か知っているのだろう?」


「…………恐らくだが、固有スキルは魔力を使わないから使用できたのかもしれない?」


「んなっ…………。馬鹿な、少なからず固有スキルは魔力を使うはずだ。私達はそう教わってきた!」


「それが間違いなんだ。俺は魔力が少しだけあるが魔法は全く使えない。そして、固有スキルなら何回でも使える!」


「何だと…………」


「そして、俺の固有スキルであの鏡のような物を調べた」


「調べる?固有スキルで?お前の固有スキルとは何だ……」


「………………」


【バンッ】


「答えろ!」


マホは勢いよくテーブルを叩きアギトを睨みつけた


「………俺の固有スキルは、対象の情報を知ることが出来る」


「知ることが出来る?それはつまり、【わかる】ということか?」


「少し違う…………。対象を【調べる】事が出来る。対象が人なのか、物なのか…………そして、それらの詳細を細かく知ることが出来る」


「…………つまりそれは、対象の情報がお前には【筒抜け】ということなのだな?」


「あぁ、そうだ。それに俺は、お前やシエナの情報も知っている。名前、性別、年齢…………。それからどんな固有スキルを使うのかも…………」


「なっ!」


「そして俺は、自分の固有スキルであの鏡のような物も調べた。それで、なぜお前達が魔法を使えないのかも知っている」


「それはなぜだ!教えろ!」


「あの鏡は、魔法反射鏡という物だ。あらゆる魔法を反射して、回復魔法も意味をなさない。攻撃魔法も、反射され使用したものへと突き返されるということだ」


「そんな物がなぜバイス王国に…………」


「それはわからない。だが、このままだと俺達は完全に詰みだ。魔法使いが多いジャッジメントでは分が悪すぎる」


「…………確かに。私達のクランは、光属性に特化した者達ばかり…………。剣士など決して多くはない」


「マホ、ここは退くべきだ。このまま侵略を続けても全滅する未来しか見えない」


「だがしかし、シエナ様がそんな話、信じるかどうか………」


「お前がどうにか説得しろ。俺が言ったところであいつは聞く耳を持たないだろう…………」


「………………」


「この状況をどうにか出来るのはお前だけだ。さもないと、シエナも死ぬぞ?」


「…………わかった。言うだけ言ってみる。だが、期待はするなよ?」


「あぁ…………」


結局、その日はシエナが目を覚ますことは無かった。そして次の日…………


【コンッ、コンッ】


アギトとマホは、シエナの休んでいる民家へ行き、昨日アギトから告げられたことをマホはシエナに話すのだが…………


【パチンッ】


「ぐぁぁぁぁぁぁ」


シエナがアギトに向かって指を鳴らす。すると、奴隷化による鎖と電流がアギトを襲う


「ポチ?あまりおかしなことをマホに吹き込むと、もっと酷い目に遭わすわよ?わかった?」


「…………シエナ…………今すぐエリュシオン王国へと引き返せ。今ならまだ間に合うはずだ…………」


アギトは地面に這いつくばりながらシエナに言った。しかし、まったくアギトの話を信用していないシエナは


「はぁ………。そう、ポチは怖くなっちゃったのね。しょうがない子ね…………そんな臆病な子にはもっとお仕置きが必要かしら?」


【パチンッ】


再びシエナが指を鳴らす。すると、先程より強い電流と鎖による締め付けがアギトを襲う


「ぐぁぁぁぁ…………」


「もういいわ。誰か、ポチを何処かの民家に監禁しなさい。そして、マホ!今すぐ他の村や街から全ジャッジメントのメンバーをここに呼びなさい。全軍で首都を攻めるわよ!」


「はぁ、はぁ、はぁ…………よ………よせ、シエナ…………」


「もういいわよ、ポチ。さっ、早く誰かポチを連れて行きなさい」


「ハッ!」


近くに居た男達が、アギトを別の民家へと移動させる。そして…………


「マホ、準備が整い次第攻めるわよ!いいわね!」


「シエナ様…………」


こうして、時は過ぎシエナ達がバイス王国に侵略を始めて1ヶ月と少しが過ぎた。そして、いよいよバイス王国に居るジャッジメントのメンバー全軍で首都落とすべく進軍が始まる。

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