バイス王国侵略開始。しかし、不敵に笑う騎士
「二人とも、準備は良いわね?」
ティファが、グレイヴ、レーナに問う
「………あぁ」
「オーケーよ!」
「では、行きましょう…………。アルテミス大陸へ」
ティファ達は、アルテミス大陸へと向け旅立った。そして……
「じゃ、お前達も修行を頑張れよ!」
「………えぇ」
「ルナはしょぎょうなんかしなくても、クマピンクよりつよいぞ!」
「…………ルナ。所業じゃなくて修行」
「相変わらずバカだな、チビ助!戦いも弱けりゃ、頭も弱いのか?」
「キィィィィッ!うるさいぞ、クマピンク!おぼえておけ、にかげつごはおまえよりつよくなってるからな!そのとき、おまえがピンチでもたすけてやらないぞ!わかったか!」
「オメーの力なんて当てにしてねーよ!いいからさっさといけ!」
「くそぉぉぉ!おぼえてろよー!」
ルナは悔しそうにユイとラルフの待つ馬車へと走っていく。そして、ステラもルナを追いかける。
「チビっ熊のやつ本当に大丈夫か?」
「大丈夫よ、お父さん!きっと強くなって帰ってくるわ!そして、私達と一緒にアギトさんを助けるに決まってる」
「だといいんだが…………」
「さっ、みんな!私達もやる事やるわよ!」
アリスがそう言うと、皆それぞれ自分のやるべきことを始める。
(頼んだわよみんな…………)
【そして舞台はアギト&シエナへと移る】
「マホ、部隊の準備は出来たかしら?」
「ハッ!ジャッジメントのメンバー1000人すでに出来ております。いつでもどうぞ」
「ありがとう。では行くとしましょう、バイス王国に」
「それからポチ、あなたは私の側から離れちゃダメよ?あなたが死んだら、私の計画に狂いが出てしまいますからね♪」
「………わかった」
「よろしい!では行きましょう☆」
シエナの部隊はまず、今日中にバイス王国の最南端に位置する街、テレシアへと向かう。ライザにある転移水晶で移動するのもありなのだが、1000人も居るとなると大量の魔石を消費してしまい、魔石が枯渇してしまうため、渋々馬車での移動となる。
シエナの乗る馬車には、シエナ、アギト、マホ、カイルが乗っている。そして、アギトと因縁のあるカイルがアギトを挑発する。
「よう、勇者!どうだ、奴隷にまで落ちた気分は?」
「………………」
アギトは無駄に言葉を発さない。カイルの挑発に乗って、シエナがキレたら面倒だと思いだんまりを決める。
「チッ!シカトかよ!マジでムカつく野郎だぜ」
「こら、カイル!あんまりポチを刺激しないでくれるかしら?」
シエナはカイルをまるでゴミを見るかのような目つきで睨みつける。
「す、すみません」
「わかればいいのよ!長旅になるんだから、みんな仲良くしましょうね♪マホもよ!?いい?」
「はい!シエナ様がそうしろというなら」
マホは内心とても不快だった。シエナの命で、もっとも嫌いな勇者と仲良くしないといけないからだ。だが顔には出さず、素直にシエナの言葉に従う。
そして、一行はバイス王国の国境を越え最初の街テレシアへと着いた。
普通なら、シエナ部隊が国境を超えるなど無理な事だ。一度に千を超える、他の国の部隊が国境を超えるなど、誰もが侵略に来たと考えるのが当たり前だ。
しかし、国境超えなどシエナの奴隷の力があれば容易なことだ。国境にいるバイス王国の兵士を、全て奴隷にして言うことを聞かせ難なく通る事に成功したのだ。
そして一行は宿屋に身を置き、その日を終えた。
【次の日】
シエナ達はバイス王国の首都であるタールを目指す。
バイス王国は、やや縦長の国で中央より少し上に首都タールがある。そして、首都タールの上下には無数の街が存在する。国土的にはアリス達が暮らすエリュシオン王国よりも少し大きい。
そして、バイス王国にもギルドはあるが、エリュシオン王国とは違い張り出されているクエストは、主に犯罪に手を貸すような内容のものが多かった。人殺しに、強奪、盗みなどとてもじゃないが正常な人間がやるクエストではない。
そのこともあり、街や村にはゴロツキばかりが滞在している。
この国は弱肉強食がモットーであり、子供だろうが老人だろうが容赦はない。
「さっ、今日はまずこの街を落とします。野蛮な人間は殺してしまって構いません。でも、こちら側に就くと言うのであれば、私の元へと連れてきなさい。いいわね?」
シエナは各部隊の隊長にそう命じると、隊長達はその指示を部下に伝え、それぞれが街を蹂躙し始める。
結局、終わったころには半数以上がシエナに逆らい、殺されシエナ達の部隊の強さを見せつける形となった。
シエナ達の噂はあっという間に広がり、各村や街から刺客が次々とやってくる。
シエナを殺そうとするものは、即座に排除されシエナに手を貸す者は、すぐさま奴隷にされ着々とシエナは部隊の強化を成し遂げた。その後もテレシアを拠点として、次々に村や街を占拠していき、その都度仲間を増やして、あっという間にシエナの侵略部隊はその人数を1300人を超えた。
シエナはここで、今までに落とした複数の村や街に防衛策として、数百人規模の人員を残し更に北上を続ける。
順調だ。そう思い次の村へと向かった先でシエナの作戦に誤算が生じる。訪れた村の門の所では、武装した騎士が数十人と、盗賊であろう身なりをした男達が数十人待ち構えていた。
バイス王国の騎士団を含めその数、50人と少し。それに比べてシエナの部隊は200人。普通であれば、圧倒的にシエナ軍が余裕で勝てる数。しかし…………。
「あなたが我が国バイス王国を侵略しようとしている賊のリーダーですか?」
大層な鎧を着た騎士は一歩前に出て、戦闘集団の中心にいるシエナを見て問いかけた。
「だとしたらどうしますか?殺しますか?この数ですよ?私達の方のが圧倒的に勝っていますよ?」
「フッハハハハハッ…………」
男は、手で口を隠すようにして笑い、ニヤリとシエナを見た。
「何がそんなにおかしいのですか?」
「いや、失礼。あなたは、たった数百人ポッチで私達に勝てると?」
「はい。余裕で勝てますよ?そちらこそ、この数を見て怖気づいたのですか?」
「まさか…………。でも、今でも数にものを言わせれば『何でも出来る』と言う、思想の方を見たら可笑しくてつい」
「そうですか…………。では、その減らず口を二度と聞けなくするぐらいに蹂躙してあげますよ。やりなさい、皆さん!」
シエナは右手を高々と上げ前へと下ろす。それと同時に、シエナ軍の先頭集団に居たカイルが声を上げ、ジャッジメントのメンバーは一斉に攻撃を仕掛ける。
「いくぞぉぉぉぉ!俺に続けェェェ!」
「「「うぉぉぉぉぉぉ」」」




