シエナの次の標的
シエナの国盗りから一夜明けた次の日の朝、アギトはシエナと侍女のマホ、ジェニスのパーティの面々、それから元天使の宴のサブリーダーのカイト達と朝食を取っている。
アギト以外は皆、シエナによって奴隷化され精神支配を受けている。会話は、今後のシエナの行動についてだ。
「シエナ様、今後の予定についてですが…………」
マホが食事をしているシエナの後ろから話かける。もちろん、侍女のマホはシエナが食事を終わらせた後、他のジャッジメントのメンバーと取るようにしている。
「今後の予定ね…………。しばらくは、ブレイブハートのメンバーは襲って来ないでしょ。だから、私達は次の目的を遂行する」
シエナは、この国の王となったことで、ブレイブハートのメンバーは迂闊に手を出せないとよんでいた。ならば、自分達がやる事は1つ。
「これから、バイス王国を攻め落とします」
「「「!!!」」」
皆が驚く中、マホは冷静にシエナに問う
「あの野蛮なバイス王国ですか?」
「えぇ、そうよ。私達の次の目的はバイス王国。まずは、あの国を手に入れその後、他の国も順に落としていくわ。そして私は、この世界の王となる。魔王も倒し、絶対的強者となり、全ての国民を屈服させて見せるわ」
「流石でございますシエナ様。シエナ様なら、必ずできると私は信じております」
「ありがとうマホ。それで、戦力なんだけど、アギトとマホ、それからカイル・ライコネンと他に1000人連れて行くわ!」
「俺達のパーティ、【真紅の剣】はどうすればいい?」
「ジェニス率いる真紅の剣とカイトは、この拠点の守りをお願いするわ!それと、他のメンバーの強化もお願い。いずれは、五大聖人が攻めてくることでしょう。その時の為にも、メンバーの強化は必要不可欠なのです」
「なるほど。そういう事なら我々にお任せください。何かあれば、あの子の力で私達に知らせてね、マホの次元跳躍ですぐ戻るから」
「わかりました」
「それから、私が居ないからって無茶はダメよ?勝手な事はしない事!いい?」
「はい」
「よし、じゃさっさと朝食を頂きましょう」
その頃、ティファ達は…………
「なんで!なんで、おまえたちはアギトをたすけにいかない!?」
ブレイブハートの屋敷では昨日の出来事にティファをはじめ、皆ショックを受け行動できずにいた。そんな中、ルナだけは行動を起こすよう、皆に問いかけた
「無理よ…………。今の私達じゃ…………お姉ちゃん達に助けを求めても勝てるかどうか…………」
「それがどうした!おまえは、アギトのことがきらいなのか!」
「嫌いじゃないわよ!私だってアギトが好きよ!愛してる!でも、それだけじゃ奴らには勝てない。あそこにはジャッジメントのSランク冒険者は居なかった。そいつらが出てきたら私達だけじゃどうにもならないのよ!」
「もういい!ルナ、ひとりでいく!おまえたちは、そこであしをくわえてみていろ!わかったか!」
「…………指をくわえてね」
「そうだ!それだ!このこしぬけども!アギトは、ルナがたすける!」
「よく言った、チビっ熊!それでこそ、恐れ知らずのチビっ熊だ!」
「「「!!!」」」
「ひげ!」
皆が、声のしたリビングの入り口を見た。そこには、大輔が立っていた。
「よう!チビっ熊、久しぶりだな!元気そうで何よりだ!」
ルナは、大輔を見るや否や大輔の元へと走っていった。そして、そんなルナを大輔は抱き上げる
「なんでここにひげがいるんだ?」
「あら?私達もいるわよ、ルナちゃん!」
「あらら、少し見ないうちに随分頼もしくなったのねルナちゃん」
すると、大輔の後ろから雫と愛華も姿を見せる。
「スケベに愛華ママ!」
「もう、ルナちゃん!その呼び方止めて!」
「うるさいぞスケベ!スケベは、スケベだ!わかったか!」
「わかったかって、わかるわけないでしょ!」
「…………髭輔さん、どうして?」
「ステラか…………。お前達双子は、俺の名前を覚える気がないんだな…………」
「ひげをもやせば、ひげじゃなくなる!」
「相変わらず、物騒な事を言うなチビっ熊!この髭は、俺のトレードマークだ!絶対に燃やさん!」
「うるさい!さっさともやせ!」
「随分、早かったんですね大輔さん」
「あんたはあの時の…………」
「なんだひげ、おっぱいのおねえちゃんしってるのか?」
「知ってるも何も、この子の持っている炎王剣・レーヴァテインと氷王剣・ニヴルヘイムを作ったのは俺だ」
「「「えぇぇぇぇ」」」
「…………流石は髭輔!相変わらず凄い」
「あんな魔剣みたいなものをこの人が…………」
レーナは驚いた表情で大輔を見た。誰もが驚く中、ガイがもっともな質問をする
「なぁ、このおっさん誰だ?チビ助の知り合いか?」
この場では、ルナ、ステラ、ティファ以外は大輔の事を知らない。ここで、大輔がどうアギトと出会い、ステラ達双子と出会ったかを説明する。
「…………なるほど。では、大輔さんもアギト達と同じ転生者なのですね。」
「あぁ。娘の雫も嫁の愛華も皆、転生者だ」
「…………なるほど。やはりそうでしたか。申し遅れました、俺の名はグレイヴ、最近ブレイブハートに加入した元バイス王国の騎士です。よろしくお願い致します」
グレイヴが自己紹介をすると、それに続き初めて大輔と会う者は自己紹介をした
「私は、極星精霊師のレーナ。アギトとは元の世界での知り合いよ」
「私は、ハツネ。私も転生者だけど、記憶を失っています。どうやってこの世界に来たのかもわかりません」
「俺の名前はガイ!見習い剣士をしているCランク冒険者だ!よろしくな、おっちゃん!」
「こら、お兄ちゃん!またそんな風に言って!すみません、うちの兄が…………。私の名前はメイ、見習い魔法使いです!兄と同じCランクの冒険者です。よろしくお願いいたします」
「これはこれは、どうもご丁寧に。でも、そんなかしこまらなくていいぞ!やりづらいからな…………」
「おぉ!おっちゃんもわかってるじゃねーか!」
【ゴンッ】
ガイのあまりに失礼な口の利き方に、メイは我慢できず持っていた杖でガイの頭を叩く
「ってーな!何すんだメイ!」
「ほんと、グレイヴさんの時から学習しないのね!打たれても当然でしょ!」
「やーい!クマピンク、おこられてやんの!」
「うっせーぞ、チビ助!泣かされてーのか!」
「やれるもんなら、やってみろ!ひげがあいてだ!」
「何で俺が…………。戦闘職でもない俺が、ガイ君に勝てるわけねーだろ!」
「なに!ひげ、おまえそんなよわいのか!もしかして、ルナよりもよわいのか?」
「いや、それはない!お前は、弱すぎだ!」
「キィィィィィッ!ルナはよわくないぞ!」
「はいはい、わかったわかった!チビっ熊は強い、それでお終い!」
「ふふふっ。ルナのまえにひれふすがよい、ひげよ!」
「殴るぞ!」
「ぼ、ぼうりょくはんたい!」
「なら、もう喋るな!」
「むぅ…………」
「で、これからあんた達はどうすんだ?チビっ熊は、アギトを助けると言っていたが?」
「ルナは、ひとりでもアギトをたすけにいく!アギトがかわいそうだ!」
「だけどよ、ティファさんの話じゃ向こうの戦力は計り知れないと…………。俺みたいなCランク冒険者は役に立たないと思うが…………」
「…………ガイの言う通り。死にに行くようなもの」
「どうにかして、アギトさんを助ける手段は無いのかな?」
「「「うーん」」」
皆が、アギトを助ける手段は無い物かと考えている時、ルナが何かお思い出したかのように話す
「あ!そうだ、アギトがおっぱいのおねえちゃんに渡せって…………」
ルナは、大輔から降りてアギトから渡された紙をティファに渡す。それを見たティファは
「こ、これって…………」




