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孤高の狩人はやがて皆の希望に   作者: 白狐 緋宵
覚醒の紅蓮――孤高の狩人はやがて皆の希望に

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紅蓮の決意、崩壊の硝煙から

学校があるので更新頻度落ちます



 ドゴォォォォンッ!!


 深層の王『ジ・アース』が解き放った漆黒の破滅魔術が、防衛拠点全体を揺るがし、凄まじい大爆発とともに激しい硝煙の嵐を巻き起こした。

 あまりの衝撃波に、後方へと避難しかけていた探索者たちがバタバタと地面に頽れ、誰もが街の盾であったA級狩人――照道雫の死を確信した。


 矢が尽き、ボスの至近距離で凶悪な光の濁流に呑み込まれた華奢な少女。

 もう、助かるはずがない。戦場を絶望の静寂が支配する。


「……あ、あぁ……」


 だが、その硝煙の真っ只中で、朝霧澪だけは、ただ一人その場に立ち尽くしていた。

 頭が真っ白になるような感覚。心臓が、痛いほど激しく警鐘を鳴らしている。


 脳裏に去来するのは、雫と過ごした短くも濃密な日々の記憶だった。

 ダンジョンの底で自分を救ってくれた、圧倒的な弓の輝き。アスファルトの黒くて平らな地面に感動していた、おとなしめの天然な横顔。お風呂にビビり、初めて食べた現代のクレープに無表情のまま目を輝かせていた、愛らしい姿。


『……澪。心配、いらない。澪は、私が、絶対に死なせない』


 戦う前に、魔導スマホの画面越しに美月に誓ってくれた、雫の静かな、けれど真っ直ぐなタメ口の言葉が、澪の耳の奥で何度も、何度もリフレインする。


(いつも、守られてばかりだった。私の隣に立つって、地獄の特訓を耐え抜いたはずなのに、私はまた……あの子の背中を見ているだけだったの!?)


 嫌だ。そんなのは、絶対に嫌だ。

 雫のいない世界なんて、生きている意味がない。あの子を、失いたくない――!


「――ふざけないでよ、化け物!!」


 澪の小さな唇から、魂を絞り出すような絶叫が迸った。

 次の瞬間、澪の全身から、これまでのC級探索者としての常識を完全に置き去りにするほどの、凄まじい『紅蓮の魔力』が爆発的に噴き出した。


 ドクン、と澪の心臓が未知の鼓動を刻む。

 【朝霧 澪:潜在能力の覚醒を確認。レベルが一時的に限界を突破(A級ラインへ上昇)。レアスキル『紅蓮の闘志』が発現しました】


 脳内に響くシステムの無機質なアナウンスを余所に、澪の瞳は、燃え盛るような鮮烈な赤へと染まっていた。

 ガルガ師匠との特訓で培われた魔力循環が、覚醒した超魔力を取り込み、彼女の身体能力を神速の領域へと一気に押し上げる。


「雫ちゃんを……私の、大切な相棒を……返しなさいよぉぉぉーーっ!!」


 澪は紅蓮のオーラを纏った剣を強く引き絞り、大地を爆破するような踏み込みで、まだ硝煙の立ち込める戦場へと真っ直ぐに突撃した。

 その身に宿るは、深層の王をも焼き尽くす、覚醒の紅い炎。

 

 しかし、激しい怒りと共に澪がボスの懐へと肉薄したその時――硝煙がサッと風に流され、その奥にある『信じられない光景』が、紅く染まった澪の視界に飛び込んできた。


最後まで見てくださりありがとうございます

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