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黒い翼のジャンキー・ジャンクス  作者: 甘音ぴんく
4/9

保健室の悪魔

警視庁 魔法犯罪対策室の窓から

外へ飛び出した ジャンキー・ジャンクスは

風の流れを確認すると

2枚重ねたマントを広げ 上昇気流をつかみ

人の目に着かない高さまで上がると

そのまま 空中を移動し 高校の屋上に降りた


スーツから 制服に着替え 時間を確認すると

2時限目が始まって 半分過ぎた頃だった

翼は お気に入りの 棒付きキャンディを咥え

屋上から 校舎に入ると 階段で1階まで降り

購買で メロンパンを1つ買い

教室には行かずに 保健室に向かった


保健室は

翼と幼なじみ達の 溜まり場になっていた

翼が忠誠を誓った姫の 許嫁である雷帝の

義理の兄が 保険医をやっていて

保険医との付き合いも長かったからだ


翼は保健室に入ると 遠慮も無くベッドに座り

買ってきたメロンパンの封を開けると

一口も食べずに ベッドの上に置いた

「土産だ」


翼の言葉を聞くと

ベッドの上にたたんで置かれた

掛け布団の下から “それ”は現れ

メロンパンを 嬉しそうに食べた


“それ”は 2等親で 体長は60㎝弱

デフォルメされた猿の絵の様に耳が大きく

黒っぽい色の身体に トゲトゲしい金髪

先の尖った尻尾と 黒い羽根の付いた

マスコットキャラクターの様な小さな悪魔は

保険医の契約者であり 相棒で

メロンパンが大好物なのだ


「文屋にぐらい 撮られてやったらどうだ?」

保険医の神無月 龍 は

人型をとっているが 人間では無く

その本性は 名前の通り 龍であり

主食は毒物で ウイルスや病原菌を食べるため

医者の仕事をしていたが

義理の弟が通っているから という理由で

保険医に転職した“義弟馬鹿”である


龍は今朝の新聞を見ながら

たばこを咥え ニコチンを食べているが

たばこに含まれるニコチンの量では

到底 足りるはずも無く 常に空腹で

いつも「足りねぇな」とぼやいている


が それも全て 保険医に転職し

病院のように 患者が殺到するはずも無く

ウイルスや 病原菌を効率よく

摂取する事が出来なくなった為である


「せっかく 新聞の一面に載ってるのに イメージ画像って悲しくないか?しかもフリー素材の」

「カメラマンの腕が悪いのは 翼のせいではない」

「お前の写真 適当に撮って文屋に売ってやろうか」

「何を馬鹿な」

「そうだな“義弟馬鹿”だけにしておくか」

そう言うと 龍は新しいたばこに火を付け

ニコチンを食べ始めた

「で?やっぱ侵略だったか」

「ああ 今朝 確認してきた が 翼は2時間 保健室に居た」

「そうだな お前は2時間 保健室に居た」


龍はへらへら笑ってみせ

アリバイ工作を承諾すると

再び新聞に目を向け

写真を売るか 真剣に考え始めていた


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