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第十一話。入試。カラマレタ。

真っ白なマントの人はツンとしてまるで、自分が偉い人であるとアピールしているようだった。


しかし!ここでおどおどしてはいけない!


奥様直伝「余裕のある大人な微笑み男の子

バージョン」!!


からの、


旦那様直伝「庇護欲くすぐる、完璧なショタボ」!!!


そして、


メイド長直伝「舐められない貴族同士の話し方」!!!!


「ええ、とても良い天気ですね。青空に貴方の真っ白なマントがよく映えます。わたしは、ルノーク・アオイと言います。先日、養子としてルノーク家に引き取られたばかりでまだ、挨拶も出来ないことを謝罪します。さて、貴女の名前を伺っても?」にこっ


「っっあ、貴方がどんなに取り繕っても素の悪さは変わらないわ!養子の分際で(わたくし)に話しかけないでくださる?どうせ、魔法も大したことないのでしょう。その煤けたような服のように無様に落ちるがいいわ」


ふふふっ。クスクス。


そんな、笑い声が聞こえてきた。

俺自身、自分が大層な人ではないと知っているから嘲笑や嘲りは特に何とも思わない。でも、


「この服を選んでくれたのは俺にとって大切な人なんだ。だから、服の話については取り消してくれないかな?」


確かに、濃い青色のシャツに黒のパンツ。紅ラインの入った黒ブーツ。そして黒ベースのマント。全身真っ暗だ。


でも、一つ一つが最高級品で防刃、防火、防水、対魔、等々。旦那様が俺に傷をつけてたまるかと言いながら俺のために作ってくれた。


シャツが青いのは、ルノーク家に来て1日目、目と髪の色を綺麗だと言ってくれたからだ。初めは、メイドのエマが言ったのだ。「上品で綺麗な色だ」と。それから、みんな褒めてくれた。母親譲りの色だから、お母さんが褒められたみたいで嬉しかったのだ。近くの村ではお母さんは、小さい子を捨てていったひどい人と思われている。お母さんを誰かに褒められるのは初めてだった。


ブーツは約10センチのヒール。紅いラインが入っている。ブーツとマントはリィーノ様とお揃いで、3日目の朝目を覚ますと枕元にブーツが置かれていた時は驚いた。リィーノ様とお揃いであることにはすぐに気がついた。本人は否定しているが、リィーノ様が旦那様にお願いしてくれたらしい。


どれも、本当に嬉しくて大事なのだ。


「ふふっ、あなた何もわかっていないわね。この国では青は忌避される色よ。そんなことも知らないの?貴方が大切だと思っているその人はあなたのことが相当嫌いなようね。惨めったらないわ。可哀そうに」


あははははっ


また、笑いが起きた。この人達が俺の髪を、目を見たらなんていうのだろうか。それにしても、奥様がくれた姿偽装の指輪はきちんと働いていることが分かった。今の俺は金髪、赤眼なはずだ。


「皆さんもアオイ?だかアカイ?さんと話すときは気を付けなさい!病がうつってしまうかもしれなくってよ!!」


物凄く嫌な女の子が取り巻きに言った、その時だった。

物凄く嫌な女の子の顔面横5mmを水の刃が通った。

けっして触れない、ギリギリの軌道だ。

偶然では無い。何故なら、中庭に面した廊下の角を曲がった金髪ロングが見えたから。


困った主人である。


「あ、貴方!こんな事していいと思ってるの!?」

激昂した物凄く嫌な女の子は顔を真っ赤にして怒る。

「いえ、俺にも何が何だか・・・」

「しらバックれるんじゃない!!」

「いえ、本当に。俺は魔法が不得手ですのであの様に離れた場所に魔法を発動させることは出来ません」

「そ、そうよね。わたくしでも出来ないんですもの。こんなやつに出来るはずがありませんでした」

すっかり、機嫌を良くしたようだ。ほんっとやな奴だ。



「ただいまより、国立魔法学園入学試験を始める!!」

因みに、アオイくんはショタボの意味を理解していません。

どなたかの入れ知恵です。

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