断章① とあるエルフの幼少の記憶
私はイクシプの森の中のエルフの集落で産まれました。
集落のまわりには外から見えなくなる魔法があったので、すごく平和でした。
集落にはたくさんのエルフと人間のメスがいました。
人間のメスはみな番号をつけて、「〇番目のお母さん」と呼ぶ決まりになっています。
私は第八王サンタカと十四番目のお母さんの間に産まれました。
お母さんがいる間は、すごく幸せでした。
いつもお母さんが一緒にいてくれて、抱っこしてくれたりなでたりしてくれました。
お父さんもたまに来て、一緒に遊んでくれました。
私が四つの時、お母さんが突然いなくなりました。
お父さんに聞くと、「また新しいのが来る」と言っていました。
よく分からなくて、ずっと帰ってくるのを待っていたけど、帰ってきませんでした。
私が六歳になってから、お父さんは私を叩いたり蹴ったりするようになりました。
お父さんに理由を聞くと、「なんとなく」と言っていました。
痛くて、辛くて、何度もやめてっておねがいしたのに、やめてくれませんでした。
毎日泣きました。でも、泣くと叩かれるのでがんばってがまんしたけど、涙がでました。
なんでこんなに辛いんだろう、って思っていました。
メスは七歳になると、男の人が遊びにきます。
ごはんを作ったり、エッチなことをします。
わたしの家に遊びに来るのは、お父さんとアコニットくんでした。
お父さんが遊びに来た時は、いっぱい頑張らないとお腹を蹴られるので、怖かったです。
エッチの時もいっぱい叩かれて痛くて、辛かったです。
でも、アコニットくんが遊びに来るのはうれしかったです。
アコニットくんは私よりも年下だったから赤ちゃんみたいでかわいくて、ままごとしたりお絵かきしたり、お話したりしました。
アコニットくんは集落の外に行ってみたいと言っていました。
外にはいろんな場所があって、楽しいことがいっぱいあるそうです。
私は外が怖くて、ホントかどうかわかりませんでした。
でもアコニットくんと離れたくなくて、一緒に行きたいって言うと、一緒に行こって言ってくれました。
ホントに嬉しかったです。
アコニットくんのお嫁さんになりたいな、って思いました。
私が十二歳の時、赤ちゃんが出来ました。
お父さんとしかエッチしてなかったから、お父さんの赤ちゃんだと分かりました。
赤ちゃんができて、心の中が幸せでいっぱいになりました。
いつも独りぼっちだったけど、赤ちゃんがいるからさびしくなくなりました。
赤ちゃんが産まれてくるのが楽しみでした。
私はお母さんがいなくてさびしかったから、私はずっと一緒にいてあげようっておもっていました。
だから、お父さんに叩かないでください、っておねがいしました。
でもやめてくれませんでした。
お願いすると、おなかを蹴られました。
毎日赤ちゃんに「ごめんなさい」ってあやまりました。
私が十三歳の時、赤ちゃんが産まれました。
すごく痛かったけど、赤ちゃんに会えるのが嬉しくて、がんばりました。
でも、赤ちゃんは産まれる前から生きていませんでした。
たくさん泣きました。
泣いても泣いても、悲しいのがなくなりませんでした。
赤ちゃんに「ごめんなさい」ってたくさんあやまりました。
でも、赤ちゃんはゆるしてくれませんでした。
エルフには、赤ちゃんを産めないメスは追放する、という決まりがありました。
外が怖くて、イヤで、お父さんに追放しないでっておねがいしました。
でも、ダメでした。
ほんとのひとりぼっちになりました。




