表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第九章 燃え上がれ!真夏のヌーフェス編
190/191

VSブルードラゴン[セルディロリス]前編


地面に頭部を叩きつけられたブルードラゴンであったが、次の瞬間、ボワッ!!っと、紫色の気体が亀裂の底を包み込んだ。


「いかん!毒ブレスなのじゃ!!」


「ええ〜っ!?」


と、叫ぶメメントの声に反応したラビが、慌てて空中を泳ぐ様な仕草をするが、勿論止まる事など無く、毒ブレスの溜まる谷底へと落下していった。


「あぁ〜!ヤバイ!ヤバイって〜!!」


と、叫ぶラビを、[飛翔]で飛び込んだシルカが、ギリギリで抱きかかえて離脱する。


「あ、ありがとう!シルカち…いてっ!」


空中を飛びながら、シルカはラビにペチッとデコピンをした。


「ラビ、独断先行はダメだよ。私達はパーティなんだから、パーティの方針に納得できなかったら、納得できるまで話し合おうよ。」


「…うん、ごめん〜。」


シルカはニコッと笑って亀裂の上へ着地し、ラビを降ろすと、エスパーダ・ダンデライオンをスラリと抜いて、何時飛び出してくるかわからないブルードラゴンを待ち構えていた。


僕の横にはエリカとハスキーが、スタッ!と着地し、各々が弓や体勢を整えてブルードラゴンの様子を伺っている。


僕もボクシングのファイティングポーズをとり、毒ブレスで視界の効かない亀裂の底を見据えながら、エリカとハスキーに声を掛けた。


「…ラビのお説教は後にして、取り敢えず今は眼前の敵に集中しよう。」


「はいっ!!」


フヨフヨと僕の横にメメントの空間窓が来るが、相も変わらず紅茶を飲みながら落ち着き払った感じである。


「あの〜、やっぱりメメントは戦闘に参加は…してくれないんですかね?」


「うむ、しないのじゃ。」


「まぁ…ですよね。」


メメントは(リュー達だけでなんとかするのじゃ!ん?できるじゃろ?)と言わんばかりの態度で、再びお紅茶を飲みながら目を閉じているのだった。


その時。


バウッッッ!!


…と、ブルードラゴンは谷底から一息に飛び上がって、瞳孔を線の様に絞りきり、怒りに満ち満ちた顔で此方を睨み付けている。


「このセルディロリスの寝込みを襲うとは…余程の馬鹿者だな。」


「…!!喋れるのか。…それを言うなら、余程の馬鹿者か勇者だな…だろ?」


僕が好きなファンタジーアニメのテンプレを言うのだが、それを聞いたブルードラゴン…セルディロリスは、風を巻き起こしながら更に上空へと飛び立ち、太陽と重なる。


「馬鹿以外の何者でもない者を勇者と称えろと?下らぬ。…何にせよ、我を怒らせるという一点においては効果は絶大だったぞ!!」


ギャオオオォーーーー!!!


地面を揺るがす程の大きな雄叫びを上げたセルディロリスは、太陽を背に僕を目掛けて急降下し、飛び掛かって来る!!


…!!セルディロリスは怒りに任せて近距離戦をするつもりなのだろうか?メメントは遠距離からのブレスを多用すると言っていたので、コレはチャンスなのかもしれない。


僕達の実力を知らない間に、打倒出来ないまでも、せめて後の戦闘が有利になる程度の痛手を与える事が出来たなら!!


「エリカ!ハスキー!龍破撃を放つ!!巻き添えにならない様に離れててくれ!!」


「はいっ!!」


「ガウッ!(はいよ、御主人!)」


何時ものボディビルダーの様なポーズをとって、闘気を丹田で練り上げる。


徐々に迫り来る10tトラックの様な大きさのブルードラゴン、セルディロリスに、ツーっと、僕の頬に汗が流れた。


「虫ケラが!死ね!!」


セルディロリスは1m位ありそうな爪を突き出しながら、尚も僕の眼前迄迫り来る!


タイミングを合わせ、ドン!と、地面を踏み締め、いつも通りの全身の回転運動から、インパクトする拳へと闘気を流し込んで迎え撃つのだった。


今だッッ!!


「くらえっっ!!」


初めての動くモンスターへの龍破撃だったが、完全なタイミング、完全な闘気の練り上げだ!!


後はこの攻撃でどれだけのダメージを与えられるか、そんな事を考えていたんだが。


ピッ!!と、僕の拳が空気を斬り裂く音だけが鳴り響いた。


「ば、馬鹿な…。」


頭に血が昇っていた筈のセルディロリスの爪先は、僕の拳の1寸先でピタリと止まっていた。


「凄まじい闘気と破壊力のある拳だが、未完成の技だな。」


クソっ!見破られた!!確かに僕の龍破撃は、威力はあっても、爺さんの様に速く闘気を練り上げられられない。…つまり、モーションが大きいのだ。


そう呟くセルディロリスの口元には、今にも吐き出されそうな炎が蓄えられているのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ