VSブルードラゴン[セルディロリス]後編
幸いな事にエリカとハスキーは、僕が龍破撃を放つ際に離れている。
僕は炎のブレスが放たれる迄に、どうやって切り抜けるかを考えていた。
某漫画の虎殺しと呼ばれてる豪傑は、空手技である廻し受けで、炎を掻き消していた気がするが。
…僕が炎を打ち消すイメージしながら廻し受けをしてみて、チラリと眼前を見てみる。
今にも炎が放たれそうなセルディロリスの口元を見ると、どう考えても火炎放射器では済まない量の炎が溢れているのだった。
「…イーヤイヤイヤ!!絶対に無理!!」
炎が吐き出されるその刹那、僕は素早く後方回転をし、元々セルディロリスが寝ていた亀裂へと逃げ込んだ、その瞬間。
「うおぉぉぉ!?」
亀裂の壁面にしがみつく僕の上を、シュゴォォォォー!!と音を立て、超高温の炎が通過する!!…誰だ!こんな炎を廻し受けで受けようとしていた奴は!!
顔がチリチリして、水分を奪われていく感覚がする。
炎から更に離れたいのだが、足元には先程セルディロリスが放った毒ブレスが渦巻いている。
早く止まってくれと願うが、その内に炎の燃焼効果で酸素が薄くなり、壁を掴む力が弱くなっていく。
「くっ…!!」
意識が遠くなりかけた、その時、不意に炎のブレスが止まった。
「せ〜のっ!!」と言う掛け声と共に、ズズゥーン!!と唸る地響きを上げて、セルディロリスが地面へと叩きつけられていた。
未だ燻っている亀裂の上に顔を出して、仰向けで地面に伏しているセルディロリスの方を見てみると、尻尾の先を両手で掴んでいるラビの姿が見えた。
「まさか、あのサイズのドラゴンを投げ飛ばしたのか!?」
此方に向かって、ニヤケながらガッツポーズするラビを見て、強くなったのは僕だけじゃ無かったんだな…と、自分の認識を改めたのだった。
その次の瞬間、バフン!!とセルディロリスが羽ばたいて、上空へと飛び立つ。
此方を向きながら、上昇するセルディロリスに追撃をするべく、シルカが[飛翔]で、僕は[多段ジャンプ]で追いかける!!
更に空中を突き進む僕達2人の後方を、エリカの[三奏矢]トリオスアローが、それに追従してハスキーが振動波を付与しており、尚威力を増している!!
「な、なんなんだ!!貴様らは!!本当にヒューマンか!?」
慌てたセルディロリスは、先ず飛び込んだシルカに対して、横薙ぎの炎のブレスを放つ!!
「空中戦なら、私はドラゴンにも負けないんだからっ!!」
シルカは空中で起動を変え、炎を吐くセルディロリスの顔の下へと潜り込む!!
「行くわよ!」
ゴッッッ!!と、鈍い音と共に、シルカがロケットの様に顎へとドロップキックを放ち、セルディロリスの口を無理矢理閉じさせた。
その隙を突いて、僕がセルディロリスの背中に飛び乗る。
「フウゥゥゥゥ…ッッ!!」
瞬時に闘気を丹田で練り上げ、バンッッ!!と、セルディロリスの背中を踏み締めた!!
「今度こそくらえッッ!!ブレイブ式格闘術奥義!!龍破撃!!!」
カッ!!…何時もと変わらぬその感触は、セルディロリスの右翼をへし折る。
ほぼ同時に、セルディロリスの左翼にエリカの[三奏矢]をハスキーが強化した矢が貫通、その上空で雷雲を展開した。
「…っちょっっ!!ま、待って!!」
僕が慌ててセルディロリスから飛び降りる様に離脱した瞬間、ドゴォォォン!!と、空気を切り裂く音と共に雷がセルディロリスに直撃すると、翼を失い、大ダメージを受けたセルディロリスは僕と共に地面へと落下していく。
「か、勝った…アレ?」
セルディロリスの顔が…コッチを向いてる様な?
「嘘だろ。」
セルディロリスの口が大きく開かれると、僕に向かって炎を吐き出される瞬間が、スローモーションでお送りされていた。
あ、死んだ。
僕はそんな事を考えながら、先程は廃案にした廻し受けのポーズを空中でとっていた。
そんな僕の視界に、凄まじい縦回転をするラビが飛び込んで来る!!
「アタシは〜!親分だからさぁ〜!!」
メキィ!!
セルディロリスの頭に、縦回転の力を加えたラビのダンデリルメイスが深くメリ込む!!
ドズゥーン!!
と、地面に伏したセルディロリスの頭の上に立つラビは凛々しい笑顔で、離れて見ていたオーガロードに向かってサムズアップするのだった。




