2−2.
『貴女はなんて事を!!なんて事をしてくれたのですかッ!!』
茹蛸のように怒る姉にミレーは素知らぬ顔。
『だってカッコよかったんだもん。別にいーじゃん。』
『貴女ッ!!』
ベスタは怒りに任せて腕を振り上げた。
だが、ベスタの張り手がミレーの顔に届く前にメイドがベスタの腕を掴んで止めた。
『ベスタ様、ミレー様に何をしようとしたのですか?最低です。次期当主となる方がなんてはしたない。』
どう見てもはなしたないのはミレーの方なのにベスタを責めるメイドにベスタは悔しそうに顔を歪めるしか出来なかった。
『ミレー貴女のせいでお茶会は台無しです。今すぐ皆様に謝りなさい!特にミモザ様とミモザ様の護衛騎士の方にもです!』
『はぁ?なんで?やーだよ!』
『ならばとっとと皆様の前からお消えなさい!』
『こんなつまらないお茶会なんてこっちから消えてあげるわよ!ばいばーい!』
『ミレー、色んな方を傷付けて色んな方に迷惑をかけて、いつか酷い目に合ってもわたくしは知りませんわよ。』
『酷い目って何それぇ?てゆーかお姉様の方が酷い人生歩んでるよね?誰からも愛されてないし。』
『ミレーッ!!!』
ベスタは怒鳴り声をあげてミレーの名を叫ぶ。
ミレーは舌を出して自分の部屋にるんるん気分で戻って行った。
お茶会での事を思い出して笑うミレー。
「それにしてもあの顔っ!」
ミレーが思い出すのは子爵令嬢が悔しそうに唇を噛み締め自分を睨んでいる姿。
「もう最ッ高!!!」
ミモザが屈辱に顔歪める姿を思い出し光悦の表情のミレー。
そんなミレーに我慢できなくなったアレックスは興奮してミレーに覆い被さった。
アレックスの鼻息荒いキスを受けながらミレーは別の事を考えていた。
「(お姉様を絶望させてあげたい。)」
ミレーは自分の思い通りにならない姉のベスタが大嫌い。
消えて居なくなってほしい程に。
「(どうして私にお姉様なんかがいるのかしら?皆私に優しくてなんでも言う事を聞いてくれるのに。それなのにお姉様はいつもガミガミガミ。あーあ、どっかの変態老人の後妻にでもなればいいのに。)」
ミレーに唯一注意をする人物はベスタだけで、両親はその他の人間は誰も我が儘でやりたい放題のミレーを注意する人はいなかった。
先日のお茶会のような非常識な行動をしてもベスタ以外の人間はミレーを叱る事はなかった。
だから姉ベスタはこの世で唯一ミレーを不快にさせる人物であり消えていなくなって欲しい程に存在が邪魔な人物だ。
「(どうすればお姉様を苦しませる事ができるかしら?死にたいと思う程に、うんと惨めな思いをさせてあげたいわ!)」
ミレーは苦しむ姉の姿を思い浮かべ姉の婚約者からの愛撫に身を委ねるのだった。




