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甘やかされた妹に姉は限界だった。  作者: 鈴木べにこ


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2.妹ミレーは皆んなのお姫様

 キラキラふわふわの可愛いお部屋。


 ちやほやしてくれる使用人達。


 極めつけは婚約者よりも自分を何よりも優先してくれる姉の婚約者の男。



「幸せ~!!」



 ベッドの上で薄着の格好で男性使用人に足をマッサージされながら幸せを叫ぶミレー。



「気持ち良くなるのは俺の手の中だけでいて欲しいもんだよ。」


「やん、エッチ。」



 マッサージされているミレーを見ていた姉の婚約者であるアレックスは、我慢出来なくなったようでミレーに近付き2人はイチャイチャし始めた。


 空気を読んだ男性使用人と部屋の隅に控えていたメイド達は空気を読んでそそくさと部屋から出て行く。


 アレックスに深いキスをされながらもミレーは考える。



「(どうやったらお姉様を不幸のどん底に叩き落とせるかしら?)」



 ミレーは姉のベスタが物心ついた時から大嫌いであった。


 何故ならミレーのわがままを唯一叶えてくれないムカつく人物だから。


 皆んなミレーのわがままを聞いてくれた。



「(お姉様だけがミレーにああしろこうしろうるさいのよ!早くどっか行って消えてくれないかしら?)」



 唯一ミレーの言動を諌めたり注意するのは実の姉のベスタしかいかなった。



「(格下の子爵令嬢の護衛にキスしたからって何よ!だって格好良かったんだもの!それにあの護衛だってミレーとのキスが嬉しいに決まってるわ!)」



 先日公爵家の主催で、姉ベスタが爵位関係なく、たくさんの令嬢を招いた大きなお茶会が開催された。


 男好きなミレーは令嬢だけのお茶会に興味も無かったし、参加するようにベスタに言われても絶対参加しないなどと言い切っていだが、当日になると気まぐれに途中参加した。


 そして事件は起こった。


 ミモザ・フランツという名の子爵令嬢の背後に控えていた護衛騎士に、ミレーが目を付けたのだ。


 令嬢達が会話に華を咲かせている中、途中参加をしたのはいいが会話に全く付いて行けず、お茶会に参加した事を後悔し始めたミレーは徐々にイライラを募らせながらケーキをだらしなくモグモグ食べていた。


 ふと、視線がミモザの後ろにいる護衛騎士に目が行った。


 護衛騎士は他にも令嬢達の後ろに控えていたが、その中で1番のイケメンがミモザ・フランツ子爵令嬢の護衛騎士だった。


 ミレーはニンマリと笑った。


 そこからは折角のお茶会が台無しどころか、歴史に名が残る最低なお茶会となった。



 ミモザの護衛騎士に甘えた声で近付いたミレーは、突如護衛騎士に抱きついて上目遣いで見上げた。


 突然の出来事に会場にいる誰もが唖然とした。そして次の瞬間。


 ミレーは護衛騎士の首に腕を回し深く深くキスをしたのだ。


 令嬢達から声にならない悲鳴が上がる。



 護衛騎士は腕を宙でジタバタさせてミレーを自身から離す事が出来なかった。


 何故ならミレーは公爵令嬢。


 騎士の身分の自分が無理矢理離したり突き飛ばしたりして怪我をさせてしまう様なら自身の仕える子爵家に迷惑をかけてしまうからだ・・・。


 好きではない者とのキスを受け入れてしまう自身に宙に浮いた手をキツく握りしめる事しか護衛騎士には出来なかった。



『おやめなさいッ!!』



 誰もが唖然と見守る事しか出来ない状況で、唯一止めたのがミレーの実の姉であるベスタ。


 ベスタは顔を真っ赤にして護衛騎士からミレーを引き剥がした。


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