0-7「そして、〇〇になる」
秘密の儀式を終えて、東西の英雄は、無事に神さまとして、転生することが出来たようだ。
与えられたのは不老不死をはじめとした、神さまとしての基礎力。
そして、夫婦で揃っているときにだけ使える、特別な力。
現在やっとやるべきことが全て終わり、自身の新たな力を試してみようとか、今後の方向性だとかを考えるのが常道なのだが、この2人は、全く違っていた。
やっと、2人だけで話せるということも関係していたのだろう。
「ちょ、あんた。正気なのか?なんで夫婦を選んだんだ!」
「じゃあ、オレと双子になりたかったのか?」
「そういうわけじゃないけど、夫婦よりはましだろ。」
「オレは、オレのままが良いからな。お前だって、東の英雄と西の英雄を足して割った訳の分からん存在になど、なりたくないだろう!双子とはそういうものだ。オレは、例え夫婦神でも、個として在れることの方が大切だ。」
「俺だって混ざりたい訳じゃない。だけど、夫婦ってのは、愛し合って支え合うものだろう?兄弟だったら、大人になれば家を出て行ったりして、接点も減るのにさ。」
「お前は呑気でいいな。」
「はあ?どういう意味なわけ?」
「俺の国では、そうじゃない。もちろん愛し合う夫婦も存在するが、大抵は家の利益のために結婚する。血がつながっている限り、結婚しようが何をしようが、一生その鎖からは逃れられない。」
「うっわ。あんたの国?っていうか、貴族って面倒だな。同情するわ。」
「これは文化の違いってやつだ。まあ、そんな訳で、夫婦になったからといって、一緒にいる必要はない。与えられた神殿は1つだから、家庭内別居でいいだろう。」
「・・・・・・分かったよ。今更ごちゃごちゃ言ってもしょうがないしね。じゃあ、バイバイ。」
このようにして、東の英雄と西の英雄は別れた。
それからは、それぞれ各地を放浪したり、他の神様と交流を深めたりしながら生活していた。
そうして、お互い会話をすることもなく、数百年の時が過ぎていく・・・・・・。




