0-6「英雄たちの選択肢(西の英雄side)」
「ーーーーーーそのかわりと言ってはなんだけど、神々の仲間入りをする気はないかい?」
「「謹んでお受けいたします。」」
「うん。わかった。ところでさ、夫婦と双子どっちがいいかいと思う?」
「!?」
「失礼ながら、どういう意味でしょうか?」
「?君たちの転生の話だよ。ほら、君たちって、キスしながら同時に死んじゃったし、一緒に転生させてあげたほうがいいよねって、皆で話し合って決めたんだ。」
き、す?kiss!
アレのことか!!
え、あれってそういう扱いなのか!?
嫌すぎる。今すぐにでも誤解を解きたい。
だが、最高神の機嫌を損ねれば、この先の未来は真っ暗である。
死よりも恐ろしいことが待っているかもしれない。
少なくとも、今まで教わってきた神話の中ではそうだった。
「ちなみに、双子として転生するなら、赤ちゃんからやり直せるよ。ただ、双子は対照的になりがちだから、力が分散しちゃうかも。あ、でも全体的に見れば、今より強くなるのは確かだから、そこは安心してね?」
つまり、今まで磨き上げてきたことが、出来なくなる可能性があるのか。
それはなんだか悔しいな。
しかも、双子というからには、ヤツとも血のつながりのある兄弟になるのだろう。
考えただけでも、虫唾が走る。
「夫婦の方だと、今とあんまり変わらないかも。体だけ再構築する感じかなあ。ポテンシャル的には、今まで通りって感じだね。」
ふむ。能力的には、こちらの方がいいかも知れない。
ヤツと夫婦というのもかなり嫌だが、他人として在れるだけ、双子よりはマシだろう。
西の英雄は、良くも悪くも普通の貴族出身であるため、政略結婚は当たり前。
夫婦=恋人という価値観は薄かったようだ。
「あの、男同士が夫婦でもよろしいのでしょうか?」
「いいんじゃないかなあ?神さまに性別ってぶっちゃけ関係ないし。僕らはヒトとは異なる存在だからね。」
「では、夫婦の方でお願いします。」
「OK!じゃあ、いってらっしゃーい。」
「は?!あんた、本気で言っーーーーーー。」
東の英雄の反論も空しく、東西の英雄は、儀式の間へと、転移させられてしまった。




