0-5「???」
気が付くと、神秘的な場所にいた。
どう表現すればよいのか分からないが、魔物の類とは全く逆の気配に満ちており、神殿だと言われればしっくりきそうな雰囲気である。
「げっ」
聞き覚えのある声に、振り返ってみると、そこにはヤツがいた。
せっかくの神秘的な雰囲気が台無しである。
そう、ヤツはーーーーーーつまり、東の英雄である。
「死後もあんたなんかと一緒だなんて最悪だ。」
「それはこちらのセリフだ!お前が、オレに毒を飲ませたのだろう!!というか、口移しで飲ませる必要あったか!?」
「いや、だって。怪物退治の旅してた時、あんた毒キノコ食べてくれなかったじゃん。」
「当たり前だ。お前なんかから出されたものを信用して食べるバカがいるか。」
「そうそう。あんたって基本、隙がないからさ。動揺させるしかなかったんだよ。」
確かに動揺してしまったので、言い返せない。
「そもそもな!お前が一人で勝手に死んでくれればよかったんだ。お前なんかと心中だなんて最悪だ。」
「はあ?あんたがそれ言うの?あんたが魔物に喰われそうになった時、俺をガッツリ掴んでさ。『先に死ぬのはお前だ』って言ってたじゃん。同じだよ。俺が死ななきゃいけないのにあんたはのこのこ生きてるとか、絶対に許せない。」
「それもそうか。案外気が合うな。」
「え、キモいんだけど。」
「ああ。オレも自分で言って鳥肌が立った。・・・・・・ところで、ここがどこだか分かるか?」
「いいや。俺もさっき目が覚めたばっかりだから。」
「そうか。なら、とりあえず進んでみるか。」
東西の英雄が奥へと進むと、大きな扉が見えてきた。
近づいていくと、見事な彫刻が施されていることが分かる。
これは、神話を象ったものだろうか?
扉の真ん前まで進むと、出迎えるかのように、厳かに扉が勝手に開いた。
「やあ。待っていたよ。」
そこにいたのは、なんだか全体的に光っている、ヒトのような”何か”だった。
「突然呼んでしまってすまないね。驚かせてしまったかな?」
「「・・・。」」
「自己紹介が遅れてしまったね。僕は俗に言う神だよ。某12神のリーダーと言えば分かってもらえるかな?」
(いや、最高神じゃないですか。・・・・・・もう摩訶不思議が多すぎて、頭の処理が追いつかない。ふと隣の西の英雄を見れば、彼も混乱しているようだった。)
「怪物を封印してくれた君たちには感謝しているんだ。だから、お礼に恩恵を授けようと思っていたんだけどね。君たちが思っていたよりも早く死んじゃったからさ。恩恵はあげられないんだよね。そのかわりと言ってはなんだけど、神々の仲間入りをする気はないかい?」
今度こそ、オレたちは互いの顔を見合わせた。
その顔を見て確信する。
ああ、これは。絶対に断らないな、と。




