0-4「東の英雄と暗殺者」
~東の英雄side~
東の英雄は、側近との打ち合わせや、王女との雑談の後、やっと自室に戻って来ていた。
しかし、あと数分もすれば、また誰かに呼び出されるのだろう。
その前に、水でも飲んで休憩しようと思った。
流石に今日は疲れた。
昨日はなんだか気配がして寝付けず、睡眠に快適な環境を作るため、簡易結界を張ることでやっと寝られたと思えば、早朝から呼び出しをくらい、ーーーーーーとにかく散々だったのだ。
東の英雄は、ソファーで少し目を閉じることにした。
~西の英雄side~
王女殿下が自室に戻られるとのことだったので、護衛を近衛騎士に任せ、休憩に入ろうとしたところで呼び止められた。
曰く、東の英雄を呼んできてほしいとのことだった。
なんでオレがそんなことをとも思ったが、特にやることがあったわけでもないので、引き受けることにした。
西の英雄の部屋に行くと、ヤツは水を飲んでいて、そのままソファーで横になろうとしている所だった。
・・・・・・はずなのだが、急にガッと目を見開いたかと思えば、あたりを見まわし始めた。
そして、オレを見つけると、飲みかけのコップを傾けて水を口に含み、足早に寄ってくる。
突然、変な気迫をまとって奇妙な行動をしだしたヤツに、オレは思わず呆けてしまい、回避行動が遅れた。
そう、あと1秒でも早く動けていれば、オレはこんなふうにならなかったはずだと思う。
ヤツはなんと、俺の目の前に来ても足を止めず、ぶつかると思った寸前で、オレの呆けた口を無理やり開き、そのまま口移しで、水を流し込んだ。
いや、正確には、水じゃない。
なんだか口の中がピリピリしてくる。
これは”毒”だ。
それも即効性の。
すぐに吐き出そうとしたが、ヤツがそれを許さない。
まあ、感じとして、吐き出したところでどうにかなる毒では無さそうだが。
すぐに吐き出せば、30%くらいの確率で、全身麻痺で助かった可能性はある。
いや、それは果たして助かったと言えるのだろうか?
そんなわけで、世界を救った英雄たちはぽっくり逝った。
マリー王女の相談相手は、王室専属の暗殺者の子(お友だち)。
いつもの雑談の延長線で会話していたはずが、真に受けて暗殺してしまったようです。
(その他に、信用できる人がいなかったというマリー王女の悲しい現実っ。)
しかし、英雄の暗殺は容易ではなく、寝ているところを狙って張り込みしていたら、結界が張られてしまった模様・・・・・・。




