1-4「東と西」
今日は高校の初登校日。
ドキドキとワクワクを胸に、家を出る。
「ガチャ」と玄関を開ける音ーーーーーーが隣からも。
お互い横を向けば、案の定、久方ぶりの幼馴染がいる。
同時に家を出てしまったようだ。
恐るべきシンクロ率である。
「・・・・・・。」
「・・・おはよ。」
そして、先に挨拶をしたのは、西の英雄ーーーすなわちエータである。
「おはよう。」
まさかのまさか、エータがイータの方へ近づいていく。
もしやこのまま一緒に登校などという前代未聞の展開はなされるのだろうか。
「あのさ、オレ、お前のこと嫌いなんだよね。」
「・・・・・・はあ?知ってるけど。急に何?」
「だからさ、名前を間違われるだなんてことは、絶対に避けたいんだ。」
「だから何だっていうの?それは、アンタの親に言ってくれないかな?」
「それは、お前の親にも言えるだろ、ってそうじゃない!あだ名で呼び合わないか。」
「なにそれ、普通にキモい。」
「いや、オレだってそうだが。間違えるより断然ましだ。」
「それなら、あのままでいいじゃん。東のえい・・・・・・。」
(そうだ。こいつ、前世の記憶がないんだった。いつものノリだったから、うっかりしてたわ。)
「東?ああ、オレが東側に住んでるからか。じゃあ、お前は西な。」
(こいつがアホで助かったあ。危なかったわ。)
「う、うんうん。そうそう。」
「じゃ、用はそれだけだ。学校で話しかけんなよ。」




