ベルセルク LV5
獅子山との面談後に自身の訓練へと励む。
20時。第五階層は紫色の床と壁が広がる、不気味な遺跡といった雰囲気であった。
「さて。第五階層は中々ブラックと聞いたが……」
移動すると、さっそくモンスターと遭遇する。
1体のリザードマンであった。
全長2メートルの、黒い鱗の体。長い尻尾に、筋肉質な四肢。
そして両手で、体と同じくらいに大きい盾をもっていた。
「グルルっ」
盾で身を隠しながら、こちらへ向かってくる。
青宮が∞ウェポンを振り下ろした。
がぎんっ!
金属を叩いたような衝撃が腕に走り、斧は完全に止められた。
(硬い……合わせてきたか)
横薙ぎも同じ。盾が瞬時に角度を変え、衝撃を殺す。
そして――。
「ッ!」
シールドリザードマンが盾を突き出した。
ただの押しではない。体重と脚力を乗せた突進だ。
青宮は斧ごと押し返され、数歩後退する。
(押し返されるパワーもある。あと評判通り、守りガチガチだな)
このリザードマンはシールドリザードマンと呼ばれ、第五階層のメインとなるモンスターだ。
そして第二階層のヘヴィゴーレムを思い出す、粘り強いモンスターとして知られる。
盾を巧みに使って攻撃を守るのだ。
憎たらしいことに、魔法攻撃もマジックガードを駆使する。
一発の攻撃力があるわけではないものの、狩りに時間がかかるため、倒すのがひたすらめんどくさい。
これが第五階層で一番多いというのだから、骨の折れる階層だ。
この階層がノルマの対象となったら、平常業務の終了時間が伸びることは間違いない。
「でも、これならどうだ?」
ベルセルクを発動し、青い炎の魔力を体から発する。
ステータスが大幅に上昇した青宮。
そしてこの状態なら、攻撃力が破格のものとなる。
瞬間――シールドリザードマンの視界から、青宮が消えた。
ベルセルクによって高くなった俊敏によって、高速移動をしたのだ。
そして気がついた時には、青宮が接近。
横払いに放たれた斧の重たい一閃が、盾を砕いてその体を斬った。
「グルぅ!?」
なにが起きたのかも理解できないまま、シールドリザードマンは一撃で撃破。
その体は消滅して、魔石となった。
『――青宮 翼のLVが23へ上がりましたHP+82 MP+27 攻撃+26 防御+19 魔力+26 精神+19 俊敏+18』
『――ベルセルクのLVが5へ上昇しました』
ベルセルク LV5
消費MP50。自己強化スキル。攻撃力、俊敏を110%上昇。“魔力を20パーセント上昇。”効果時間は7分、クールタイム10秒。
「レベルアップと、ベルセルク強化で魔力を追加か。長い間死にステだったものが報われるのはいいな」
しかし感慨にはあまり浸らず、移動を再開した。
「面談で時間をとられたからな……次、いくぞ」
さらなる強さを求め、青宮はブラックにダンジョン攻略をしていく。




