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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第三章「ギルドマスター、青宮 翼」

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ブレイズオクトパス&クリムゾンスクイッド

「ど、どうも~。青宮くん、どうしたんだい、急に」


 余計な手間だが、15時に先輩達のところへ行くと、パーティーリーダーは少し慌てた様子でそう言った。

 しっかり休んでいた時だったので、残念ながら今日もサボりモードだったのだろう。


(まあ本当に、気持ちはわかるけどな)


 サボリーマンという言葉がある通り、サボるというのはよくある話だ。

 それに業界の仕組みがアレなので、モチベ維持が難しいのも仕方ない。


「様子を見に来ただけですよ。リーダーなので」


「そ、そっかぁ」


 これ以上は言及せず、青宮は去った。

 ノルマ的には荒木はこちらの方がいいが、実力と熱意がエンジョイ勢の先輩達と釣り合っていない。

 将来的には、青宮達のパーティーへ入れるべきだろう。


(さて。さっさと終わらせて、強くならないと)


 会議から、今日で3日後だ。

 先輩達が少し本気を出したのか、ノルマ達成が17時過ぎとなり。

 その後の青宮は、第四階層の最後のフロアボスのいるエリアへと向かう。

 平原の中で、突如大きく上へ盛り上がった赤黒い丘がある。

 急斜面で、登るのには勢いがいる。

 ベルセルクを発動させ、急斜面を駆けあがる。

 そうして、青い炎をまといながら上へ上がりきると――平らで広々とした丘の中央に、第四階層の主が現れる。

 主は、2体いた。

 1体は赤黒い、巨大なタコ――ブレイズオクトパス。

 もう1体が赤く巨大なイカ――クリムゾンスクイッド。

 2体とも全長は8メートルを超え、迫力がある。

 青宮を発見すると、複数の足をうねらせ前へと出た。


「見かけのわりに早いな」


 間合いに入った瞬間、二体の足が雨あられのように降り注ぐ。

 地面が砕け、衝撃で砂煙が舞い上がる。

 青宮は強化された俊敏でギリギリの回避を続けた。

 だが、回避するたびに皮膚が焼けるように痛む。

 視力低下により、視界が霞む。

 第四階層特有のスリップダメージが、容赦なく体力を奪っているのだ。


(長期戦は無理だな)


 水魔法の習得によって挑むことにしたが、そうでなかったらまだ挑むつもりはなかった。

 現に今の青宮は、2体による休みない攻撃で、攻めあぐねている。

 さらに距離を放すと、2体は口から熱湯を吐くという特性がある。

 これが範囲攻撃で、回避が難しいものになるのだ。

 なので、青宮は離れすぎず、一定の距離を保ちながら、魔力を溜め込んでいく。

 左腕を天へかかげると――青い魔力が、3メートルほどの長い水の槍を形成した。


「――アクアランス!」


 跳躍して回避しながら、水の槍を投げる。

 真っ直ぐに飛んだ槍は、ブレイズオクトパスの体を貫いた。

 ドスンっ!!! と、地響きと共に巨体が倒れる。

 たった一撃の魔法で相方を潰されたクリムゾンスクイッドは、動揺したかのようにあとずさった。

 青宮はブレイズオクトパスの上に乗り、∞ウェポンをふり下ろす。

 鋭い刃は赤い体を切り裂き、致命傷となる。

 ブレイズオクトパスは足をビクビクさせた後、魔石へと変わった。

 クリムゾンスクイッドが熱湯を口から吐く。


「1体なら――なんとかなる!」


 青宮は勢いよく前へと飛び出し、広範囲にばらまかれた熱湯をかわす。

 再び防御の姿勢をとって、戦場を駆けて時間を稼ぎ――クリムゾンスクイッドへアクアランスを放つ。

 倒れたその巨体へ、兜割りのごとく∞ウェポンを突き立てた。

 刃が赤い体を貫き、衝撃で地面がひび割れる。

 クリムゾンスクイッドも、魔石へと変わっていった。


『――青宮 翼のLVが22へ上がりましたHP+82 MP+27 攻撃+26 防御+19 魔力+26 精神+19 俊敏+18』


「魔法の威力が少し心配だったが、予想より高威力だったな」


 青宮は元々、魔力の伸びが良いステータスであった。

 そこへ∞ウェポンの補正がかかり、なおかつ弱点属性の水であったため、第四階層のボスにとって大きな脅威となったのだろう。

 しかし余韻には浸れない。

 第四階層の熱さとスリップダメージも痛みがキツいのだ。


「うし。これでハードな第四階層ともおさらばだな」


 こうして第四階層をスピード攻略し、青宮はこの日の狩りを終える。

 アーツファイトまで、あと2日の猶予。

 レベルアップのため、明日から第五階層への挑戦を始める。

本作の閲覧ありがとうございます。


もしここまでの内容がよろしければ、★★★★★評価・ブックマークをいただけると、とても助かります!


何卒、よろしくお願いします!

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