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元社畜のレベル上げ

「誤差の範囲の成長だが……まあ、伸びるってことがわかっただけ、良しとするか」


 全ステータスが+1上がっただけなので、実感はないだろうが、小さな前進だ。


「ベルセルクは、武器の特殊効果みたいだけど……なんだこりゃ」


 スキル説明を開くが、メニューには文字化けのような表示になる。


 ベルセルク LV?

 ???


 ただ状況的には、1つ身に覚えがある。


(斧が青く光った時、たしかに動きが良くなったような気がする)


 そしてもう1つ、気になること。


(被ダメが思ったより高くなったのも、違和感がある。それも関係しているのだろうか)


 考えるも、説明が表示されないものは分析しようがない。

 ただ起きた現象から照らし合わせると、封印されている感じではない気がした。効果は出ているが、その詳細がわからないだけ。


(まあ、考えても仕方ないか。というかいちいち説明ないの、気になるな。研修もしないまま仕事を振る、前の会社かよ)


 とことん不親切なユニークスキルだとは思うが……少なくとも、成長するということだけはわかった。

 ならば、強くなるというノルマ達成に向けて進むだけ。

 社畜時代は、クリア不可能なノルマというものがあった。

 その時にどうしたか。答えは意外と簡単だ。

 クリアするまで、やり続ければいいのである。


「まずは……最弱モンスターのスライムを、簡単に狩れるようにならないと」


 青宮による、ブラックなレベル上げが始動した。

 彼は1人、決意を固めるように口にする。


「強くなるまで、帰れません」





 次に挑んだのは、2体のスライムだ。

 1体を相手にしつつ、もう1体の相手の動きに注意して戦う。

 レベルが上がったのと、4体を1人で挑んだこともあり、上手く回避しながら2体を撃破。

 休みなくダンジョン内を動き回り、スライム狩りを繰り返した。

 やがて4体グループのスライムとの戦闘になったが、ずっと同じ相手をしていたからか、動きに慣れた。スライムの動きは単調で、わかりやすい。複数体に襲われても慌てず、斧でガードしつつ丁寧に戦うことで、少ない被ダメで撃破することが出来た。

 そんな感じで、午後の1時までほぼぶっ通しで戦い続けた。

 昼休憩は1分のみ。アイテムボックスから取り出した、ゼリー飲料での栄養補給だけだ。

 社畜時代の昼休みと同じルーティンである。

 休みという休みを徹底的に削り、気合で労働時間を作る。それに応じての給料は出ない。仕事の成果=給料。それが社畜魂だ。ただし仕事の成果というのは、正当なる評価はしないものとする。


「案外、すぐにスライム狩りは簡単になったな。さて。∞ウェポンはどうなった……?」


 エンドレスなスライム狩りの後、一息つきつつメニューで確認。


 ∞ウェポン

 HP+3 MP+3 攻撃+9 防御+3 魔力+3 精神力+3 俊敏+3


 全体的に2上がり、攻撃力は3上がった。

 またしても誤差レベルではあるが、ちゃんと成長はしている。希望はゼロじゃない。

 ただ、気になることがあった。


「俺のレベルは4のままか」


 たしかに戦っていて、ピンチを感じる場面はなかった。

 経験値はかなり少ないのかもしれない。

 スライムの動きに慣れたのだ。

 まだステータスが大きく上昇したわけではないので、怖いが……もう1ランク、難易度を上げる時だと考えた。

 リスクはある。ましてやソロなのだ。

 自由な身ではあるが、なにかあったらフォローしてくれる人はいない状態。

 だが、普通のやり方で強くなれるほど、今はやさしい状況ではない。

 心を鬼にする必要があった。


「よし、行くか……それにしても、あれ以降、斧は光っていないな」


 見た目だけはいっちょ前な斧をちらりと見た後、移動を開始した。

 不親切で気まぐれな相棒は、相変わらずその性能がよくわからないままだ。


「……」


 ふと、あることを思った。

 こういう特別な武器は、喋る……というのが、青宮のイメージにあった。

 なので、変人じみているが――己の武器へ、声をかけてみる。


「これからよろしくな、相棒」


 不親切な力だが、希望であることには変わりない。なので、フレンドリーにあいさつする。

 もちろん、返事は期待していない。

 だが――斧は返事をするかのように、ほんのりと青く光った。


「おお?」


 喋りはしないが、なにか意志があるのかもしれない。

 前に見かけ倒しとか言ってしまった気がするが、大丈夫だろうか。


「まあ、大丈夫か……」


 気を取り直し、青宮は狩りを再開した。

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