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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第三章「ギルドマスター、青宮 翼」

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突然の襲撃

 青宮はそこから、2日連続で第四階層へと潜り込んだ。

 そしてフレイムロブスターを討伐し、ひたすら己を鍛え上げていった。

 連日の狩りは22時まで続いた。

 社畜体質により、夜遅くまで戦うのはもはや習慣である。

 そして第三階層へ戻り、ログを確認。

 レベルはついに、20へと到達した。


『――青宮 翼のLVが20へ上がりましたHP+82 MP+27 攻撃+26 防御+19 魔力+26 精神+19 俊敏+18』


 ∞ウェポン

 HP+230→290

 MP+120→140

 攻撃+180→200

 防御+120→140

 魔力+120→180

 精神力+120→140

 俊敏120→140


 ∞ウェポンの成長も地道に積み上がってきている。

 さらに新たなスキルも獲得して、“炎魔法LV5”を習得した。

 すでに魔力が高いからか、いきなりLV5での獲得となったようだ。

 試し撃ちをしてみたら、3メートルほどの青い炎の槍を放つ“フレイムランス”という攻撃魔法であった。

 第四階層の敵は炎属性に耐性があるため、あまりダメージはないが、第三階層のスケルトンを一撃で撃破するほどの威力がある。

 これでようやく、遠距離攻撃の手段を得ることができたというわけだ。

 そして今まで伸びが良かったのに、死にステータスとなっていた魔力に意味が生まれた。

 さらには斧術LVも5となり、より精密な斧の操作を可能とし、パワーも上がった。


(だけどギルドマスター基準で見れば、俺はまだ弱いからな。もっと強くならないと)


 実力主義のこの世界は、足元をすくわれる。

 そうならないために、少しでも早く、LVのアップを狙う。





 そうして特訓期間を経て――ギルドマスター会議の当日。

 乾と白井のカップルは仲睦まじい様子で、いつも通り朝一緒にギルドまでの道を歩いていた。

 しかし……駅を出た辺りから、2人は気配を感じていた。

 人々の行き交う中――4人。

 1人は、髪の赤いガラの悪そうな若い男。

 1人は、へそだしスタイルの服を着た、ヘソピアスの光るギャルであった。

 そしてその2人の後を追うように、カメラを持った男が2人いる。

 目立つ。あまりにも目立つ4人組だ。


「……雄太、なにあれ?」


「カメラマンがいるからね……おそらく、ギルド同士の小競り合いとして、拡散する気なんだ」


「ど、どういうこと?」


「アーツファイトの経緯を作るんだよ。実際、試合の宣伝のために、そういう動画が協会から投稿されている。街中で仲の悪いギルド同士が、ケンカをするんだ」


「でも、私達にそんなことするつもりは……」


「向こうからしかけられたら、自衛をせざるをえないよ。青宮くんの言葉が、こんなにも早く的中するなんて……凜、カメラを起動していて。いざという時は僕が時間を稼ぐ」


「う、うん。無理しないでね」


 朝。通学・通勤ラッシュの時間帯。駅の近くというだけあって、人がそれなりにいるのだが――動きは、突如として起きた。


「――なぁ、そこのバカップル! あーしらと一緒に遊ぼうよ!」


 ギャルと思われる言葉と共に、しゅるるるるっ! と、黒いムチが乾めがけて飛ぶ。

 乾は振り返り、アイテムボックスから盾を取り出した。


(ムチ!? これは武器なのか?)


 盾でムチを受け止めると、ムチはヘビのようにしゅるしゅると盾に巻きついた。

 ムチを持ったギャルが、ぎゃははは、と笑い声を上げる。


「お前、バカっしょ。それともウィップはマイナーだから、知らねーのか? こいつは捕まったら終わりなわけ。ガードは悪手だっての」


「っ、があああああっ!?」


 ビリビリビリっ!!! と、ムチから電撃が流れる。


「っ、雄太!」


 白井が弓を取り出し、魔力の矢でムチを撃つ。

 ギャルはムチを引いた。

 そして辺りは騒ぎとなる。

 通行人の顔が青ざめた。


「うわああっ!?」


「な、なんだ!?」


「冒険者が暴れてるぞ!」


「逃げろ、逃げろ!」


 逃げ惑う人々。

 そんな中で、乾は立ち上がった。

 乾へ目がけて、男が襲いかかる。

 男はアイテムボックスから、2メートルには届きそうな太い大剣を取り出した。


「ひゃはははは! おらおら、男ぉ! 気合見せろやぁ!!!」


 がああああんっ!!! と、乾は大剣を盾で受け止める。

 しかし片腕では無理なパワーであった。

 片手剣は取り出さず、両腕で男とせめぎ合う。

 ぎぎぎぎぎ、と腕がきしむかのようであった。


「くっ、ううっ……!」


「ザコがよぉ。俺は少しも本気だしてねーぞ?」


 男は大剣を振りぬく。

 乾は地面を転げ回った。

 白井が下がりながら、男へ目がけて弓を引く。

 しかしすかさずその左手は、素早く振るわれたムチに巻かれた。

 バリバリバリ! とスタンガンを突き付けられたような鋭い痛みが、全身を襲う。


「っ、いやああああっ!?」


 白井の絶叫が辺りに響き渡る。

 過剰な攻撃をするつもりはないのか、ギャルはムチを引いた。

 しかしそれでもダメージは深刻で、白井は膝をつく。

 かろうじて乾が立ち上がるも、戦力差は明らかであった。


「おい、こいつらよえーぞ」


 大剣を持った男が言うと、ギャルは肩をすくめた。


「ま、レベル20代でイキっているやつらだし。こんなもんっしょ」


「20!? ひゃはははは、ザコがよぉ。せいぜい第三階層が限界か? 話にならねーぜ」


「こいつらはね。ただ、こいつらのリーダーがヤバい」


「本当かよ? この調子じゃ、俺でも殺せるザコだと思うぜ?」


 ギャルが辺りを見渡す。

 人々に逃げられて人気はなくなったが、通報した者は確実にいるだろう。


()()()、逃げるよ。サツが来るのはダルい」


「あぁ? へっ、もう終わりかよ。つまんね~」


 2人とカメラマン達が、その場を去ろうとする。

 しかしその進路には――1人の青年が、佇んでいた。


「逃がすと思うか? DQNども」


「っ!?」


 ギャルは威圧的な雰囲気を感じて、息を飲んだ。

 全身に鳥肌が立つ。

 目の前に立ち塞がる青年は――ギルドマスター、青宮 翼だったからだ。

本作の閲覧ありがとうございます。


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何卒、よろしくお願いします!

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