幕章「ギルドマスター会議」
「――以上が、新人ギルドマスター。青宮 翼の映像となります」
探索者協会の美魔女会長こと、四之宮 京子がプロジェクターでの映像が終わった後、そう締めくくった。
上映が終わったことにより、室内が点灯する。
厳めしい空気感に包まれた会議室。
そこに14人ものギルドマスターが集まっていた。
「ありえん。本当に討伐時、LV18か?」
現ギルドマスターナンバー2と呼ばれる男――獅子山 志郎がそう言った。
年齢は52。190後半の身長に、ガタイの良い威圧感のある男だ。
年もあって全盛期を過ぎたが、それでも彼に並ぶ実力の探索者はほとんどいない。
故にナンバー2である。
「ふふふ、改めて鑑定スキルでも通しますか?」
「……いや。こんな目立つことをしておいて、そんな誤魔化しをする理由はない。本当に18なのだろう」
「やはり、ありえない映像ですか?」
「ソロ撃破の映像もそうだが、この資料にあるステータスもありえない」
青宮 翼 21歳 男
LV 18(※合計値)
HP 2039
MP 731
攻撃 1351
防御 500
魔力 501
精神 520
俊敏 982
スキル ∞ウェポンLV∞ 斧術LV4 ベルセルクLV4 ブラックソウルEX
「数字に基準なんてものはないから感覚だが、俊敏はLV60代。攻撃にいたってはLV80代に匹敵するだろう。斧術LVや総合力がもう少し上がれば、60以上の高レベルパーティーへ参加しても戦力になる」
「あらあら、素晴らしいですねぇ」
「いや、そんなことはどうでもいいんだ。重要なのは、これでLV18ということ。つまり、伸びしろがまだ大量にあるんだ」
獅子山は肩をすくめた。
「今はこの程度のLVだから、我々の想像の中にある。だが、これが高LVになってみろ。もはや想像すらできないバケモノが登場する。その時には、この場にいる全員が敵わない相手だろう」
ナンバー2の言葉に、ギルドマスター達がどよめく。
そんな中、態度の悪い20代後半の男――机の上に両足を乗せ、シルバーアクセサリーをジャラジャラと垂らすギルドマスター、闘争者という悪名でも呼ばれる、轟 悪魔が笑い声を上げた。
「ひゃははは、調子に乗ったガキが来るってことか。殺しがいがあるぜ」
ギルドマスター達が冷たい視線を轟へ向ける。
獅子山はため息をついた。
「もう今の時点で、お前ごときが勝てる相手じゃないぞ」
「あ? 黙れよ、ジジィ。テメーを殺してやろうか?」
「やれやれ……君のような人間が許されていることが、理解できんよ」
「上等だ。殺してやるよ」
ズドンっ! と机を蹴り飛ばす。
騒々しい音と共に倒れる机。
資料もバラまかれた。
轟は立ち上がるも、四之宮が止めた。
「悪魔。やめなさい」
「あ? こいつからケンカ売ってきたぞ」
「それでもよ」
「ちっ。まあ、京子が言うなら……命拾いしたな、ジジィ」
轟がポケットに手を突っ込んだまま座る。
会議室の隅には、スタッフがカメラを持って立っている。
まるで見世物だ。
獅子山は重いため息をつき、四之宮を見た。
(四之宮 京子……よくぞこれだけこの業界を伸ばし、そしてダメにしてくれたな。お前がいなければ、こんなことには……)
四之宮は美しい所作で立ち上がり、会議を締めくくった。
「それでは、みなさん。新たな仲間、青宮 翼さんを歓迎しましょう。冒険者とダンジョンの力でこの国の未来を……国民の生活を、共に守りぬくのです」
次回より、第三章突入です。
ギルドマスターになった青宮が、バカな冒険者業界の無茶振りをひっくり返し、世界に知られる話となります。
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また、作者の別作品の方も、毎日更新で連載中です。こちらもよろしくお願いします!
タイトル「【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する 」
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