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全員ここで殺してやるよぉ

「関 京也……!」


「残念だったなぁ。機会をうかがってたんだよ」


 関は槍を突きさしながら、ははは、と笑い声を上げる。


「ダンジョン内の出来事なんざ、どうとでも言えるからな。お前らはボスフロアで死んだことにする。記録用ドローンも戦闘で壊れたで通るだろ」


「ぐっ、がはっ!?」


 槍を引き抜かれ、大量の血が胸からこぼれる。

 ダメージがひどかったせいで、抵抗ができない。


「やめろ!」


「おっと」


 樹が召喚したヴァルキリアが、関へとびかかる。

 彼は槍で、その刃を上手くさばいた。

 ヴァルキリアが後ろへ跳躍して下がる。

 樹は青宮を抱きかかえた。


「青宮くん!」


「っ、樹」


「今、手当てするから!」


 乾と白井がギルドマスターと対峙する。乾は片手剣と盾。白井が弓であった。

 乾が関に睨みつける。


「卑怯者……! 青宮くんと正面から戦っても、勝てないからって! あなたのような人がギルドマスターなんて、間違っている!」


「うっせーなぁ。乾 雄太だっけか? お前は頭悪そうだから教えてやるよ。社会じゃ“結果”が全てだ。青宮は死んだ、俺が生きた」


「っ」


「あと青宮より弱い、だなんて俺を舐めているようだが……たしかに現場は久しぶりとはいえ、こっちはギルドマスター。それだけの実績を過去に残した。だから断言してやるよ。お前らはここで全員死ぬ。俺が生きて、美味い酒を飲む。それがこれから待つ“結果”だ」


 召喚獣のヴァルキリアから前へと出る。

 キィンッ! キィンッ! 火花が散り、金属音がフロア全体に反響する。

 関の槍はまるで生き物のようにしなり、ヴァルキリアの剣を弾き返した。


「僕も、やってやるさ!」


 横から乾も攻撃に加わる。関が舌打ちをした。


「ちっ、めんどくせーな」


 槍のリーチを生かして2人と距離を置きつつ、素早い動きで攻撃をさばく。

 あっとうてきな身のこなしと、俊敏な動きであった。

 全く(すき)も、無駄もない。

 ヴァルキリアと乾の2人がかりだというのに、攻撃がかする気配すらなかった。


「2人共、下がって!」


 白井が声を上げる。

 乾とヴァルキリアが下がる。

 瞬間、弓を引いて赤い魔力の矢を放った。

 通常の矢とは違う、魔法に似た遠距離攻撃。

 それが探索者の弓だ。

 矢が空気を裂き、一直線に関へ向かう。

 だが関は、まるで予知していたかのように身体をひねり、矢は虚空を貫いた。



「やっぱ、こんなもんか。よえーな」


 すかさず近くのヴァルキリアへ近づき、鋭い一突きを突き出した。

 ざしゅっ、と鋭い穂がヴァルキリアの胸を貫く。

 これが致命傷となり、魔力の欠片となって消滅していった。


「これがギルドマスター……!」


 乾が苦し気に声を上げる。

 関は鼻で笑った。


「俺のレベルはちょうど40だからよ。ま、20そこそこの君達ドンマイ」


「くっ!?」


 熟練された動き。技。

 力の差。そしてレベル差。

 関の煽りどおり――乾達が負ける“結果”が目に見えた。

 そこへさらに、絶望的な宣言をされる。


「特別サービスだ。本気を見せてやる。くくく、若い頃より劣化しているとはいえ、久しぶりの感覚だ……!」


 関は槍をもっていない左手を、額へかざした。


「スキル――“雷帝”、発動だぁ」


 瞬間、バチバチバチぃ! と青い雷が関の体に発生し、髪は金色へと変化した。


 スキル 雷帝 LV EX(-)

 自己バフ。消費MP30。自身に雷属性を付与し、全ステータス10パーセント上昇。効果時間10分、クールタイム30秒。


 そして合計のステータス値はここまで上昇した。


 関 京也 41歳

 LV40

 HP 2754

 MP 710

 攻撃 650

 防御 611

 魔力 600

 精神力 615

 俊敏 607


「そん、な……! がはぁ!?」


「雄太!」


 さらに速度を増した動きについていけず、ガードする間もなく雷をまとった槍が乾の胸を突き刺した。

 ずぶりと引き抜き、乾が出血と共に倒れる。


「いやぁ!」


 白井は悲鳴を上げながら、矢を放つ。

 ふん、と乾はそれを退屈そうに槍で一払いする。


「っ!?」


「カップルでチャラチャラ冒険してんじゃねぇよ。〇ブホテルのベッドの上で、腰でも振っていろ」


 槍を突き出す。白井はとっさに横へ飛ぶも、先端は左肩を捉えた。

 衝撃で後ろへ倒され、穂を引き抜かれる。

 硬い床へ尻もちをついた白井は、弓を落とし、右手で肩を抑えながら関を見上げた。

 その表情は、圧倒的な絶望に彩られている。


「あ、あぁ……」


「天国で仲良く子作りしてろ。じゃあな」


「――そこをどけ、セクハラ上司」


 ぶううんっ! と――青宮の言葉と共に、重量感のある一閃が関を襲う。

 関は大きく舌打ちをしながら、後ろへ下がった。

 白井は青宮を見上げる。


「青宮くん……!」


「樹に傷を塞いでもらった。今、乾の手当をしている」


 そして青宮は、自身のスキルを発動させる。


「――ベルセルク、起動」


 ぼおおおおおっ!!! と、青い炎が青宮の体から溢れ出る。

 青い炎と、雷。それぞれの魔力をまとった2人の男が、今、対峙する。

 関がにやりと笑った。


「うぜーな。お前の相手は、うぜーよ」


 青宮は片手で持った斧の切っ先を、関へ向けた。


「殺し損ねた部下に、アンタは負ける。それがこれから待つ“結果”だ」


 青宮 翼 21歳 男


 LV 18(※合計値)

 HP 2039

 MP 731

 攻撃 1351

 防御 500

 魔力 501

 精神 520

 俊敏 982


 スキル ∞ウェポンLV∞ 斧術LV4 ベルセルクLV4 ブラックソウルEX

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