2人の美女からお守りを貰う
地獄の特訓は次の日も続いた。
スケルトンランサーを狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。狩る。
朝から体の節々が痛んでいた。
斧を振るうたびに、手がしびれる。
全身がもう戦いたくないと、叫んでいるかのようだ。
それでも戦いを止めず、ただがむしゃらに修行する。
「はぁ、はぁ……こんのっ!」
もはや何体かも数えていない敵を倒す。
床には大量のくだけた骨が散らばり、魔力の光となって消えていく。
そして成果が上がった。さらなるレベルアップと、そしてスキルのレベルが上昇したのだ。
『――青宮 翼のLVが18へ上がりましたHP+82 MP+27 攻撃+26 防御+19 魔力+26 精神+19 俊敏+18』
『――ベルセルクのLVが4へと上がりました』
ベルセルク LV4
消費MP50。自己強化スキル。攻撃力、俊敏を110%上昇。効果時間は7分、クールタイム10秒。
防御、精神力のダウンが消滅したようだ。
疲労した青宮は、ゲホゲホ、とむせながらダンジョンの床の上へ大の字になる。
「……たく。大量の残業手当を要求したいもんだ」
☆
そして当日の昼。久々に、受付のほんわかお姉さんと会った。
「また、無茶をしているんですね……」
「す、すいません」
受付のお姉さんはしかし、真剣な表情をしていた。
「お話は聞いています。昇格試験、ですよね」
「そうですね」
「あの。これを、受け取ってもらえますか」
受付のお姉さんは顔を赤くしながら、なにかを手渡してくる。
手に取ると、それは赤いお守りであった。
「そ、そのっ。ごめんなさい、急にこんなこと……」
正直、ドキリとした。
樹といい、泉と別れてから魅力的な女性とよく出会う。
渡す時に緊張したのか、お姉さんの手は震えていた。
青宮はお守りを胸ポケットへと入れた。
「いえ。ありがとうございます、嬉しいです」
「あ……うん」
受付のお姉さんは、にこりと微笑んだ。
「いってらっしゃい」
「はい、いってきます」
☆
第三階層のボスは、大きなドーム型に空いた穴の先。
50メートル以上はありそうな大部屋の中に入ると、現れるとのことであった。
「よし。じゃあ、僕達はここで待機しているよ。クエスト達成記録のためのドローンも飛ばしておく」
穴の前で、乾、白井、樹の3人が待つ。
青宮はこくりとうなずいた。
「ああ。頼んだ」
「青宮くん!」
「なんだ?」
樹がこちらへ近づき、はい、となにかを手渡してきた。
受け取る。
紫色のお守りであった。
色んな意味で、ドキッとした。
「っ!?!?!?」
「あ、青宮くんが心配で……受け取ってくれる?」
「お、おう!? あああ、ありがとう!」
プルプル手を震わせながら、胸ポケットへ入れる。
(だ、大丈夫だろうか。天罰とかくだらないよな。い、いや、待て、べつにやましいアレじゃないだろ)
青宮は動揺しつつ、∞ウェポンを手に、大部屋へと入る。
瞬間――部屋の空気が、変わった。
「……来るか」
ずっしりとした、重い空気。
そしてひんやりと冷える温度。
部屋の中央に魔法陣が浮かび上がり、光った後――そのボスが姿を現す。
第二階層のセイバーゴーレム、愛称はゴンダム――これはその、上位互換。
二対の剣と、2つのキャノンを背中に搭載した、細身のゴーレムだ。
ツインセイバーゴーレム。
推薦レベル37。
本来ならば、青宮が挑むには早すぎる相手だ。
それも圧倒的不利な、ソロ。
それでも――青宮は歩みを止めない。
威圧的な赤い眼光が、彼をとらえる。
強烈な威圧感。
これ以上きたら殺すと、警告しているかのよう。
しかし青宮は少しも動揺せず――不敵な笑みを浮かべた。
「リベンジに来たぞ。今度は相打ちになんてさせない」
その言葉がスタートとなり。
両者は力強く、前へと飛び出した。




