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今日も頑張ろうねぇ。青宮くぅん

 朝。ギルドまでの道のりで、駅から歩いていると、偶然にも乾と白井の2人組と出会った。


「やあ、青宮」


「おはよう、青宮くん」


 あいさつをしてくれた乾と白井に、青宮も軽く返す。


「ああ、おはよう」


「朝さ、会長さんのドキュメンタリー番組見てさ」


「会長? ああ……えっと、四之宮 京子か?」


「そうそう。冒険者の働き手不足解消のために、たくさん動いてくれているみたいでね。去年は新規の契約者数過去最高で、今年もそれを上回る数字を目指しているんだって。すごく色々頑張っていたよ」


「バラエティーとかにも出ているからな、あの人は」


 四之宮 京子は冒険者協会の会長であるの同時に、イメージキャラクターだ。世間の若者へ、新たな冒険者の担い手を作るためのPR活動もしている。


(個人的には、あんまり好きじゃないんだけどな。どうにも、社畜時代の社長さんに似ているんだよな。あの笑顔とか。案の定、過酷なノルマの裏側は協会がからんでいるから、四之宮 京子は立場的に知らないじゃすまされない)


 ただ、世間的には「美人過ぎる会長」で支持を得て、全盛期は有名芸能雑誌の「上司にしたい有名人」で2位へランクインしていた。


「あんな綺麗な人が、がんばって勧誘してたら、男の冒険者志望増えちゃうだろうなって――いたたたっ、凜、耳を引っ張らないでよ」


「むうううっ」


「へ、変な意味じゃないから。僕じゃなくて、世間の男の話!」


 朝っぱらから痴話げんかを始める2人に、青宮は苦笑いをした。


(なんか、乾は色々深く考えないタイプなのかな……)


 そうして歩いていると、事務所が見えてきた。





 事務所に入ると、先輩達5人が青宮へ改めてお礼を言ってきて「昨日は助かった! 今日も早く帰ろう!」なんて言っていた。

 そして関がやってくると、いつも通りバカみたいな社訓を唱える。今度は全員……9人での唱和だ。


「「「「「1、ギルドに惚れ、ギルドのために仕事をせよ! 2、強いやる気を持ち、返事は「はい、できます!」の一択である! 3、ギルドマスターの命令は絶対である!」」」」」


「はぁい、よくできました。昨日はお疲れ様。ノルマ達成ありがとうございます。ま、やればできるってことだね。協会からの評価も上々だ」


 いちいちイヤミな言い方。法がなければグーパンチを飛ばしたいタイプだ。


「君達には、昨日と同じノルマを与える。いいね?」


「「「「「はい、できます!」」」」」


「じゃあ、頼んだよ。今日も頑張ろうねぇ。青宮くぅん」


 わざわざ名指しをしてくる。

 青宮は背筋を伸ばした。


「今日もギルドのためにがんばります!」


「はい、というわけで。クソガキも張り切っているんで、解散。ひッ、く」


 関がしゃっくりをしている。

 昨日の酒が残っているのかもしれない。

 部下が仕事している間に、たくさん夜遊びをしていたのだろう。


「はぁ……毎朝これやるの、苦痛~。ギルドは会社じゃないのに、社訓から始まるなんておかしいよ~」


 事務所を出てから、樹は重いため息をついた。

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