スピアバード&ゴブリン
昼休憩のあともひたすら狩りを続けた。今回は一戦一戦がしんどいものの、持ち前の根性で小休憩なしで、ソロでひたすら戦い続ける。体力は削られるが、限界は超えるものだという、例の教訓を生かしてのことだ。
そんな調子で戦い続けながら、やがて時刻は15時を回った。
「お?」
岩陰に隠れて、様子をうかがう。
視線の先には、地面でひなたぼっこして休んでいるスピアバードに、両手で毛づくろいをしている2体のゴブリンがいた。
たまに仲のいいスピアバードとゴブリンがいるというデータは上がっていたが、見るのは初めてだ。
上空を飛び回るスピアバードに、連携をとってくる2体のゴブリン。
同時に相手するのは厄介そうだが……だからこそ、挑んでみる価値はあると判断した。
ベルセルクを発動。青く光った∞ウェポンを握りしめ、岩影から勢いよく飛び出す。
「奇襲じゃああああああああ!!!」
斧を勢いよく振り落とす。ゴブリンとスピアバードが慌てて散り、回避されてしまう。ずどおおおおんっ! と地面に振り下ろされた斧は、大きな割れ目を作り出した。
「ちっ、隠密スキルもちでもないし、そう上手くはいかないか」
1体減らせたら有利だったが、外してしまったものはしょうがない。青宮は構えた。
2体のゴブリンが盾を前面へ出しながら、ジリジリと間合いをはかる。上空にはスピアバードがグルグルと飛び回っていた。
先に仕掛けたのは、青宮だ。
1体のゴブリンへと接近し、斧を振るう。
ゴブリンは重たそうに、盾でその攻撃を受け止める。ガキン! ガキン! と鈍い音が辺りに響き渡った。
そうしていると、もう1体の方が横から接近し、棍棒を振るう。青宮は後ろへ下がって、ゴブリンから距離を置いた。
瞬間――上空から、スピアバードが猛スピードで降りて、こちらへくちばしを向けて突っ込んでくる。さらに後ろへ飛んでなんとか回避するも、目の前を通過し、強風と衝撃でわずかに体勢を崩す。
その小さな隙をついて、ゴブリンが接近。棍棒を振るわれ、右側の腹と左足に打撃が加えられる。
「ぐっ……!」
青宮は斧を振るうも、ゴブリンは素早く後退してカウンターを回避。
陸でゴブリンに気をとられれば、空からスピアバードから攻撃。
といって、スピアバードに気を取られてもゴブリンにやられる。
(守りの堅いゴブリンはあとだ。スピアバードの攻撃タイミングで、撃破をねらう)
攻撃をしかけなくなった青宮へ、今度はゴブリンがしかけてくる。
ふるわれる棍棒に対して、ひたすら回避に専念。スピアバードがなにかアクションを起こすのを待つ。風の魔法を放たれる。なんとかそれも後方へ飛んで回避する。
(そっちじゃなくて、来い。突っ込んで来い)
続く攻防。青宮がひたすら辛抱する。
そしてその時が訪れた。ゴブリンが左右に散ると、そこからスピアバードが一直線に突っ込んでくる。
青宮は斧を構えた。
「一発で決める!」
カウンターで斧を一閃。
横に払われたそれは、見事にスピアバードを叩き落とした。
耐久のもろいスピアバードは一撃で沈む。
その後の戦いは、動揺したのか守りが緩くなったゴブリンを、なんなく撃破することに成功。
システム音が青宮のレベルアップを告げた。
『――青宮 翼のLVが12へ上がりましたHP+80 MP+27 攻撃+26 防御+19 魔力+26 精神+19 俊敏+18』
『斧術LV2→3へ上がりました』
『∞ウェポンの「ベルセルク」LV1→LV2へ上がりました』
ベルセルク LV2
攻撃力、俊敏の上昇値 100%→110%。




