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昨日は仲良く、カレーのお店へ行ったみたいだね

 その後、何度かスピアバードとゴブリンを討伐した。

 最初の2時間は安定していたが、1体1体立ち回りを要求されるため、徐々に疲労と集中力の乱れが生じた。

 スピアバードの時に危ない場面が現れ、くちばしの攻撃と風魔法の攻撃にダメージを受ける。反撃しようとするも、再びカウンターに失敗して攻撃をくらう、といった負のサイクルにおちいったのだ。

 なんとか巻き返して、1体を撃破し、1体を逃がしたがさすがにこれはまずいと、木陰で昼休憩をとる。

 こうなることに備えて、今日は昼飯を多めに持ってきていた。コンビニで買ったコロッケパンと、焼きそばパンだ。

 食べながら、先ほどのログを確認してよいんに浸る。


『――青宮 翼のLVが11へ上がりましたHP+79 MP+27 攻撃+26 防御+17 魔力+26 精神+17 俊敏+16』


「LV3だったのが、LV11か。順調だ」


 まだ意識が戻っていない間男と彼女が眠っている間に、ギルド加入候補に上がるほどの実力者になった。

 慣れてはいないが、第二階層でも戦えている。

 収入も上がる見込みだ。ゴブリン・スピアバードの魔石は1個につき500円。16000円~18000円ぐらいまで稼げる見込みだ。しかも青宮は∞ウェポンがある都合上お高くつく武器の新調もないので、地味に節約できている。

 ただそれでも、低い収入なのは変わりない。

 第二階層もさっさとクリアしていきたいところだ。


「よし。気合入れていくぞ」


 青宮は自身を励ましながら、立ち上がり、獲物を探すためにダンジョン内を駆け始めた。





「さて、と~。今日も張りきっていこ~」


 樹は少し上機嫌な様子で、11時に協会の扉をくぐった。

 昨日は偶然青宮と出会って、一緒にごはんを食べた。

 彼が失恋したて、それもひどい失恋の仕方をしたという衝撃の真実を知ったものの、あの時間は樹にとって楽しいものであったのだ。

 ステータスを見た時から――なぜか、彼のことが少し気になっている。

 直感のようなものが働いて、彼はすごい冒険者になるような気がしたのだ。


(まあ勝手に期待して、勝手に近づいて、青宮くんからしたら良い迷惑なんだろうけど)


 それでも樹は、彼へ近づくのをやめなかった。

 昔から自分の直感を、やりたいことに忠実にしたがって行動するのが、樹なのだ。

 冒険者になるということも、その方がワクワクするからなった。

 樹はいつだって自由に、楽しく生きていたいのだ。


「――やあ。偶然だね、樹さん」


「あれ? えっと、工藤さん……?」


 この間、青宮達を助けていたパーティーの1人――樹をパーティーに誘おうとしていた男に声をかけられた。名前は工藤というのを、樹は思い出した。

 しかしなんだか、気味が悪い。まるで協会へ来るのを、待ち伏せていたかのような登場である。


「えっと、なに? パーティーのことなら、もう断ったはずだけど」


 あれからもう一度誘われたが、樹はばっさりと断ったのだ。

 しかし工藤は少しもめげている様子がない。


「相変わらずつれないね。助けた男の子がお気に入りかい? 昨日は仲良く、お気に入りのカレーのお店へ行ったみたいだね」


「……え? な、なんで、そんなことを」


「今晩は、私とどうかな? 良い店を知っているんだ」


 ものすごく胸の辺りに視線を感じて、樹はぞっとした。

 つけられていたのだ。そしてここで出会ったのも、偶然ではない。


「わ、私、もう行くから」


 樹は慌てて、協会の受付へと駆ける。

 怖かった。得体の知れない感じ。底知れぬ狂気。

 以前パーティーを組んだ時はあんな感じではなかったが、勧誘を断ってから……徐々に、その思いを狂わせていったのだろうか。

 震えながら、脳裏を真っ先によぎるのは……不思議と、彼の名前であった。


(青宮くん……)

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