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冒険者狩りの死神

「青宮さんっ!!!」


「おわっ。な、なんですか」


 朝の入場手続きから、受付のほんわかお姉さんに大声をあげられた。


「昨日の退出時間が22時過ぎじゃないですか!」


「ああ……はい。少し早めに帰りました。おかげでたくさん寝られました」


「ちっとも早くないですよっ。どんな感覚ですか! 今日こそはちゃんと帰ってください! ただでさえ連日通っているんですから」


「あ、はい」


 たしかに休みをとっていないなと思った。

 そして受付のお姉さんは、真剣な表情へと変わる。


「……昨日の夜、今度は第二階層で冒険者が3名殺されました。とある目撃者によると、そのモンスターは死神の見た目をしていたそうです」


「それって」


「はい。おそらく、青宮さんが見たものと同じだと思います」


 第二階層での出没。ダンジョンの階層を異動するモンスターなんて、聞いたことがなかった。


(一体、なにが……)


「気をつけてくださいね。第二も、第一も……いえ、もしかするとそれ以外の階層も、危険なのかもしれません。逆に、良い魔石を落とすモンスターなんじゃないかって、張り切っている冒険者も多いようですが、決して無理はしないでください」


「わかった」


「でも、青宮さんは無茶しそうですよね~。むううっ」


 受付のお姉さんがむっとする。


「きょ、今日は早く帰ります」


「はい。ぜひ、そうしてください」


 そうして入場手続きが終わり、ダンジョンへと入った。





 前回出たワープポイントからスタートするため、第二階層からスタートする。

 昨日戦ったゴブリンと再戦しようと、移動を開始した。


「「「ごぶぅ!!!」」」


「おっ。さっそく3体か」


 ∞ウェポンを構えつつ、ベルセルクを発動させる。ゴブリンは3体とも警戒し、一定の距離を保ったまま、こちらへ近づかなかった。盾を前面へ出して、カウンターを狙っている。


(ステータスを見破れるのか、本能的なものなのか。それとも、このダンジョンのゴブリンは慎重な性格なのだろうか)


 おそらくは性格なのだろうと、青宮は分析する。

 盾を装備しているだけあって、ゴブリンは守りをまず固めようとするのだ。さすがにまだ盾ごと破壊できるほどの攻撃力はないので、この慎重な立ち回りは有効となっている。そのせいで戦闘時間が長引き、体力も削られ、狩りの効率が下がるといったところだ。


(でも、だからといって焦って雑な立ち回りをするのはダメだ)


 ベルセルクは耐久を下げるリスクがある。その分だけ被ダメは警戒しなくてはならない。それに囲まれて攻撃されたり、体制を崩したところを抑えられでもしたら終わりだ。

 それにそろそろ、回復薬の消費量を抑えることも意識していきたい。必要経費はまだ、安いに越したことはないからだ。

 ゴブリンに対して、横へ駆ける。正面からではなく、側面からの攻撃をしかけることを心がける。敵の陣形を安定させない。そして囲まれないようにする。戦場を常に変えて、走りまくるのだ。

 そうして間合いを詰めて、斧を振るう。盾で阻まれるも、3体集まりそうであったら一旦下がり、再び横へ素早く移動して相手を移動させ、陣形を崩すようにする。

 そうしてヒット&アウェイを繰り返すと――やがて守りが崩れ、盾をすり抜けて斧の一閃がゴブリンの胸元を斬る。


「ぐぶぅぅぅっ!?」


 攻撃力が増した一撃に耐えられず、ゴブリンは一発で絶命。

 2匹になっても同じ流れで、移動しながらの攻撃を心がけた。

 何度かカウンターで足に棍棒をくらうも、そこまでのダメージにはならない。やや時間がかかりながらも、2体、3体と安定して撃破した。

 3個の魔石を回収しながら、よし、と声を上げる。

 ただ、体力の消耗は激しい。ステータスの補正がなければ、一戦でバテバテだろう。


「次だ」

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